第2話

ねじれた世界での新生活⁉︎

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2021/01/27 12:07

カゲチヨ

（………………ここはどこなんだ⁉︎）

　　　　　　　　〜回想:数時間前〜

カゲチヨ

ふわぁ〜…………

ヒサメ

どうしたの？カゲ

カゲチヨ

んあ………………ヒサか
なんか眠いんだよなぁ………………

ヒサメ

少し仮眠してきたら？

カゲチヨ

そうする………………

　　　　　　　　　〜回想終了〜

カゲチヨ

（ねただけだよな⁈
　なんでかんおけにはいってるんだよ‼︎）

グリム

…ゾ…………わた………………
その服早く渡すんだゾ‼︎

カゲチヨ

ね、ねこがしゃへった⁉︎

グリム

そんなことはどうでもいいんだぞ‼︎
それよりもその服早くオレ様に
渡すんだゾ‼︎

カゲチヨ

お、おいはぎ⁉︎
ねこにおいはぎされる‼︎
（に、にげねぇと‼︎）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾀﾞｯ

グリム

あ、おいこら待つんだぞ‼︎

　　　　　　　　　　〜図書室〜

カゲチヨ

はあっ　はあっ　はあっ
（ここはどこなんだよ⁉︎
　ゆめならはやくさめろっての‼︎）

グリム

オレ様の鼻から逃げられると思ったか！
ニンゲンめ！
さあ、丸焼きにされたく
なかったらその服を………………

カゲチヨ

（おそわれる…………‼︎）

ﾋﾞｼﾝｯ ﾊﾞｼﾝｯ

グリム

ふぎゃっ⁉︎痛ぇゾ！
なんだぁこの紐！

学園長

紐ではありません。愛の鞭です！

カゲチヨ

（…………たすかったのか？）

学園長

…………ああ、やっと見つけました。
君、今年の新入生ですね？
ダメじゃありませんか。
勝手に扉（ゲート）からでるなんて！
それに…………まだ手懐けられていない
使い魔の同伴は校則違反ですよ。

グリム

離せ〜！
オレ様はこんなヤツの使い魔じゃ
ねぇんだゾ！

カゲチヨ

（は？つかいま…………？
　なにいってるんだこいつら）

学園長

はいはい、反抗的な使い魔は
みんなそう言うんです。
少し静かにしていましょうね。

グリム

ふがふが！

学園長

全く…………
勝手に扉を開けて出てきてしまった
新入生など前代未聞です！
はぁ…………どれだけ
せっかちさんなんですか？
さあさあ、とっくに入学式は
始まっていますよ。
鏡の間へ行きましょう。

カゲチヨ

しんにゅうせい？…………
とびら？いったいなんのことなんだ？

学園長

貴方が目覚めたたくさんの扉が
並んでいた部屋ですよ。
この学園へ入学する生徒は、全てあの扉を
くぐってこの部屋へやってくるのです。
通常、特殊な鍵で扉か開くまで生徒は
目覚めないはずなんですが…………

カゲチヨ

？………………
おれがでたときそんなのなかったはずだぞ

学園長

まぁ、貴方小さいですからね
見えなかったんでしょう。

カゲチヨ

ちいさいはよけいだ‼︎

学園長

はいはい…………
それまでの世界に別れを告げ、
新しく生まれ変わる…………
貴方が入っていた扉には
そんな思いが込められているのです。

カゲチヨ

ふ〜ん？

学園長

…………おっと！
長話をしている場合では
ありませんでした。
早くしないと入学式が終わってしまう。
失礼しますよ

カゲチヨ

うわっ⁉︎
（なんでおれもちあげられてるんだ⁉︎
　…………ってよくみたらこども
　になってる⁉︎）………………
そういやここはどこなんだよ

学園長

おやおや、まだ意識が混濁しているようですね
…………しょうがないので説明してあげます
私、優しいので

　　　　　　　　　　〜中庭〜

学園長

ごほん。
ここは『ナイトレイブンカレッジ』。
世界中から選ばれた類い稀なるを持つ
魔法士の卵が集まる
ツイステッドワンダーランドきっての
名門魔法士養成学校です。
そして私は理事長よりこの学園を預かる
校長。ディア・クロウリーと申します。

カゲチヨ

は？…………ないと……かれ…………？
まほうし？

学園長

この学園に入学できるのは『闇の鏡』に
優秀な魔法士の資質を認められた者のみ。
選ばれし者は、『扉』を使って
世界中からこの学園へ呼び寄せられる。
貴方のところにも『扉』を載せた
黒い馬車が迎えにきたはずです。

カゲチヨ

そういえば…………きたような…………？

学園長

あの黒き馬車は、闇の鏡が選んだ
新入生を迎えるためのもの。
学園に通じる扉を運ぶ、特別な馬車なのです。
古来より特別な日のおむかえは馬車と
相場がきまっているでしょう？

カゲチヨ

そうばって…………どこのそうばだよ‼︎

グリム

むがーー！むががーー‼︎

学園長

さっ、入学式に行きますよ。

　　　　　　　〜鏡の間-入学式会場〜

リドル

さ、これで入学式と寮分けは
終わりかな？　
いいかい新入生たち。
ハーツラビュル寮ではボクが法律（ルール）だ。
逆らう者は首をはねてやるからそのつもりで

レオナ

…………ふぁ〜あ。
やっとかったるい式が終わった。
さっさと寮に戻るぞ。
サバナクロー寮、付いてこい

アズール

新入生のみなさん。
この度は入学おめでとうございます！
みなさんが充実した学園生活を送れるよう
オクタヴィネル寮寮長として
精一杯サポートさせていただきますよ。

ヴィル

それにしても学園長はどこに
行っちゃったのかしら？
式の途中で飛び出して
行っちゃったけど…………

イデア

職務放棄………………

カリム

腹でも痛めたんじゃないか？

学園長

違いますよ！

リドル

あ、来た。

学園長

まったくもう。
新入生が1人足りないので
探しに行っていたんです。
さあ、寮分けがまだなのは君だけですよ。
狸くんは私が預かっておきますから、
早く闇の鏡の前へ。

グリム

むぐぐーー！

闇の鏡

汝の名を告げよ

カゲチヨ

…………カゲチヨです

闇の鏡

カゲチヨ…………
汝の魂のかたちは………………
………………
………………わからぬ

学園長

何ですって？

闇の鏡

この者からは魔力の波長は感じられる…………
しかし、形が不透明である。
よって、どの寮にもふさわしくない！

　　ｻﾞﾜｻﾞﾜ
　　　　　　　　　　ｻﾞﾜｻﾞﾜ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｻﾞﾜｻﾞﾜ

学園長

魔力の形がわからないですって？
………………一体なぜ

グリム

もごもご…ぷはっ！
だったらその席、オレ様に譲るんだゾ！

学園長

あっ待ちなさい！この狸！

カゲチヨ

（…………いやいや！
　とうのほんにんがいちばんじょうきょう
　わかってないとだめなのにぜんぜん
　わかんないんですけど⁉︎
　だれかせつめいしてぇ‼︎）

グリム

そこのニンゲンより魔法は使えるんだゾ！
だから代わりにオレ様を学校に入れろ！
魔法ならとびっきりのを今見せてやるんだゾ！

リドル

みんな伏せて！

グリム

ん" な"ぁ〜〜‼︎

　　　ﾎﾞｫｯ

カリム

うわあ！！あちちちっ！
尻に火が！

学園長

このままでは学園が火の海です！
誰かあの狸を捕まえてください！

レオナ

チッ…………かったりぃな

ヴィル

アラ、狩りはお得意でしょ？
まるまる太った絶好のオヤツじゃない

レオナ

なんで俺が。テメェがやれよ。

アズール

クロウリー先生、おまかせください。
いたいけな小動物をいたぶって
捕獲するという
みなさんが嫌がる役目、
この僕が請け負います。

イデア

さすがアズール氏。
内申の点数稼ぎキマシタワー。

カリム

なあ、誰かオレのケツの火ぃ消して
くれてもよくねえ⁉︎

学園長

みなさん、私の話聞いてます⁉︎

カゲチヨ

（………………なんだこのかおすな
　げんば………………）

レオナ

はぁ…狸捕まえるくらいアンタが
やりゃいいだろ、センセー。

グリム

オレ様は狸じゃねーんだゾ！
偉大なる魔法士になる男・グリムとは
オレ様のことだゾー！

アズール

威勢のいい小動物ですね。
リドルさん、お願いできますか？

リドル

違反者は見逃さないからね。
さっさと済ませるとしよう。

カゲチヨ

（みんなこせいつよいなー…………（´-`））

リドル

…………『首をはねろ（オフ・ウィズ・ユアヘッド）』！

グリム

ふぎゃっ⁉︎なんじゃこりゃ⁉︎

リドル

ハートの女王の法律・第23条
『祭典の場に猫を連れ込んではならない』
　猫であるキミの乱入は重大な
　法律違反（ルール）だ。即刻退場してもらおうか。

グリム

オレ様は猫でもねぇ〜っ‼︎

カゲチヨ

（じゃあいったいなんのどうぶつなんだよ）

グリム

こんな首輪すぐに燃やして…………
あ、あれ？炎がでねぇんだゾ！

リドル

ふん！ボクがその首輪を外すまでキミは
魔法をつかえない。ただの猫同然さ。

カゲチヨ

（…………いろいろすごすぎて
　分からなくなってきた…………）

グリム

に、にゃにー⁉︎
オレ様はペットじゃねーんだゾ！

リドル

心配しなくてもキミみたいなペット
こっちから願い下げだ。

カゲチヨ

（それはおれもそうおもうわ…………）

リドル

ま、学園からつまみ出される頃には外れてるよ

アズール

いや〜、相変わらず素晴らしいですね。
どんな魔法でも封じてしまう、
リドルさんのユニーク魔法。
絶対に欲しい…………じゃなくて。
僕なら絶対にかけられたくありません。

カゲチヨ

（めちゃくちゃほんねいってる〜〜⁉︎）

学園長

どうにかしてください！
貴方の使い魔でしょう⁉︎
しっかり躾を………………

カゲチヨ

おれ、つかいまなんてしらない
（とりあえずこどもっぽくしとこ）

学園長

え？貴方のじゃない？
…………そ、そうでしたっけ？

カゲチヨ

…………にんちしょう？

学園長

誰が認知症ですか‼︎
…………ごほん！
では、学園外に放り出しておきましょう。
鍋にしたりはしません。
私、優しいので
…………誰かお願いします！

グリム

ぎにゃー！離すんだゾ！
オレ様は…………絶対、絶対！
大魔法士になってやるんだゾー！

カゲチヨ

（いっちゃった…………けど
　なんかかわいそうだったな）

学園長

少々トラブルはありましたが
入学式はこれにて閉会です。
各寮長は新入生をつれて寮へ
戻ってください。
…………ん？そういえば、
ディアソムニア寮、寮長の
ドラコニアくんの姿が見えないようですが……

レオナ

アイツがいないのはいつものことだろ？

カリム

あれ？もしかして誰も式のこと
伝えてないのか？

ヴィル

そんなに言うならアンタが伝えてやれば
よかったじゃない。

カリム

うーん。でもオレ、アイツのこと
あんま知らないんだよなー。

カゲチヨ

（なんか…………かわいそうだな
　その、どらこにあってひと）

ｻﾞﾜｻﾞﾜ  
　　　　　　　　ｻﾞﾜｻﾞﾜ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｻﾞﾜｻﾞﾜ

リリア

…………おお、やはり。
もしやと思ってきてみたが
マレウスは来ておらなんだか。
"また"式典の知らせが
届いてなかったとみえる。

カゲチヨ

（"また"⁉︎このひとまたっていった⁉︎
　どんだけわすれられてんだよ
　そのどらこにあってひと‼︎）

アズール

申し訳ありません。
決して仲間外れにした分けじゃないんですよ。

リドル

どうも彼には声をかけづらい
オーラがあるんだよね。

リリア

まあよい。ディアソムニア寮の者は
わしに付いてくるがいい。…………
あやつ、拗ねてなければ良いが…………

学園長

…………さて、カゲチヨさん
大変残念なことですが…
貴方にはこの学園から出て行って
もらわねばなりません。
魔力の形がわからない者は
いろいろと危ないですから
この学園へ入学させるわけには
いかない。
心配はいりません。闇の鏡がすぐに
故郷へ送り返してくれるでしょう。
さあ、扉の中へ。強く故郷のことを念じて…………

カゲチヨ

（やっとかえれるのか？
    …………ながいゆめだった）

学園長

さあ闇の鏡よ！
この者をあるべき場所へ導きたまえ！

闇の鏡

………………

学園長

ゴ、ゴホン…………もう一度。
闇の鏡よ！この者を…………

闇の鏡

どこにもない…………

カゲチヨ

（なんだって⁉︎…………）

学園長

え？

闇の鏡

この者のあるべき場所は
この世界のどこにも無い…………
無である。

学園長

なんですって？
そんなこと有り得ない！
ああ、もう今日は有り得ないの
オンパレードです。

闇の鏡

………………

学園長

私が学園長になってから、
こんなことは初めてで
どうしたらいいか…………

カゲチヨ

おれ、かえれないの？(´；ω；`)

学園長

ああ！泣かないでください。
絶対私が帰り方を見つけますから。
とにかく貴方がどこの国から
来たのかだけでも教えてくれませんか？

カゲチヨ

…………にほん

学園長

………………聞いたことのない地名ですね。
私は世界中からやってきた生徒の出身地は
すべて把握していますが、そんな地名は
聞いたことがない。

カゲチヨ

やっぱりかえれないの？(´；ω；`)

学園長

ああ、だからすぐに泣かないでください！
私が見落としてるだけかもしれないですから
一度図書館で調べてみましょう！ね！

カゲチヨ

………………わかった

　　　　　　　　　　〜図書室〜

学園長

…………やはり、ない。
世界地図どころか、有史以来どこにも
貴方の出身地の名前は見当たりません。

カゲチヨ

…………(´；ω；`)

学園長

ああ、よしよし
泣かないでください…………
こうなってくると貴方はなんらかの
トラブルで別の惑星………………
あるいは異世界から招集された
可能性が出てきましたね。

カゲチヨ

異世界から…………？

学園長

貴方、ここへ来るときに
持っていたものなどは？
身分証明になるような、
靴の片方とか…………
見るからにてぶらですけど。

カゲチヨ

もってない…………

学園長

そうですか………

カゲチヨ

(´；ω；`)

学園長

…………貴方、ナイトレイブンカレッジ（ここ）
に通ってみてはどうです？

カゲチヨ

ないとれいぶんかれっじに………？

学園長

ええ、そうです
貴方一応魔力はあるみたいですから
ここで魔法について勉強しながら
元の世界に帰る方法を探してみるとか

カゲチヨ

………わかった
おれ、このがっこうにかよう

学園長

そうですか！
では今夜は私の部屋で寝ましょう
明日、貴方が学校へ行ってる間に
昔、寮として使われていた建物を
掃除します。

カゲチヨ

ありがとうございます…

学園長

それでは、今日はもう寝ましょう
ついてきてください

カゲチヨ

わかった

〜To be continued〜

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第3話その頃のシディとヒサメは…………………

バブみを覚えた@休止中だけどアヌミキに目覚めそう

コンテスト受賞作品

グランプリ

好きになるのはキミ限定【完結】

なぁな

編集部コメント

主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした！<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。