第15話

やく。
505
2021/09/16 05:54
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
作ちゃ〜ん❤︎
作間龍斗
作間龍斗
あれ。なに、また来たの(笑)
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
いいじゃん別に。
クラス替えで今は別クラスになってしまったけど、仲良くしてくれてる作間。
俺は、暇さえあればちょっかい出しに来てる。

なんかニコニコして俺を見るんだ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
なに…?
作間龍斗
作間龍斗
ううん(笑)。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
なんだよー!!
作間龍斗
作間龍斗
いや…今日は何度来てもお目当ては叶わないよって思ってさ………
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
え…はっ……?
作間は、明らか地味に取り乱してる俺を見て、おとなしく爆笑してた。
作間龍斗
作間龍斗
もーさー、言っちゃダメかなって思って、ずーっと知らないふりしてたけど、分かりやすいんだもん。
もごもごしちゃう俺。
作間龍斗
作間龍斗
今日は、休んでるよ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
は……な、にが!誰が!
作間龍斗
作間龍斗
(笑)まあいいけどさ。
見回してみ?居ないでしょ?お目当てさん。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
…………( ̄ー ̄ )
作間龍斗
作間龍斗
今朝電話あってさ、
熱出てんだって。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
えっ!熱?!🥺
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
ちょ待って、なんで作ちゃんに朝から電話とか!
作間龍斗
作間龍斗
はいはい、妬かない妬かない。
てか否定しないんだ(笑)素直に認めたところは可愛いね。
昔から家が近所で幼馴染みたいな?んで今同じクラスだからじゃない?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
じゃ、じゃあ……作ちゃんの家の近くってこと。
作間龍斗
作間龍斗
(笑)そーそー。徒歩2分ね。
作間龍斗
作間龍斗
だから、
いちいち妬かなくていいって💦
今日、放課後にノートのコピー持っていこうと思うけど…………………
作間龍斗
作間龍斗
じゃあ…
一緒に来る………?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
え………っ…💦💦💦💦
作間龍斗
作間龍斗
あのさ、せめてもうちょい平気なふりしよーよ。
俺が気になってる子。
作間のクラスの子。
話したこともないし、直接関わりもない。
同じクラスになったこともない。
作間にも言ってなかった。
ただ、クラスが別々になって作間と喋りに来て、わりと早い段階で気になり始めた。
今まで、その子と作間が仲良くしてるの見たこと無かったから、家が近所で連絡取り合える関係だなんて、今更知って…………。

だってさ、だって、
幼馴染から恋に発展するとか、あるじゃんか。
小さい頃から知ってて近すぎて気付かずに来たけどある日突然異性として見ちゃうみたいな。

作間はさ、俺と違って、スラッと長身で美形だし、穏やかで優しいし、器用だし、頑張り屋だし。
あ、いや、俺だって別にカッコ悪くはないとは……思うんだけど……種類が違うってゆーかさ。
作間龍斗
作間龍斗
大丈夫…?(笑)
めっちゃ口数減ってるけど🤣
今、脳内どんなことになってるの。
佐久間の言葉と同時に次の授業開始のチャイムが鳴って、俺は自分の教室に戻った。

授業中、ずっと考えてて、
珍しくぼーっとしてたかも。

幼馴染って、お互いのこと既によく知ってるから、安心して付き合えたりすんのかな……新しい出会いよりも落ち着いて付き合えたりするよなー……なんて。
想像してみたら、作間と彼女、お似合いなんだよな………身長差もめっちゃいいし。
あ〜〜〜〜ダメダメ!
イメージしたらその通りになっちゃう!
放課後。

作間が俺のとこに来て、
彼女に持っていくノートをまとめるの手伝えって言ってきた。
一教科なら普通にコピーして終わりでいいけど、何個か教科あるから、それを一つにまとめたいんだってさ。
作間龍斗
作間龍斗
もう熱引いてて治ってて明日来るなら明日渡してもいいんだけどさ、分かんないじゃん?
今日治ったと思っても翌朝また熱上がったりすることもあるだろうし。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
なんか………優しいんすね作間さん……
作間龍斗
作間龍斗
(笑)妬くなって言ってる。
俺と作間は、
今日の授業の順番通りに、作間のノートをコピーしたやつを並べて、一冊にまとめて綴じて、準備を終えた。

作間が途中何か買っていくって言うから、コンビニに寄った。
作間龍斗
作間龍斗
飲み物とかプリンとかかなー……
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
水とかお茶はあるだろうから、食欲なくてもせめて少し栄養摂れそうなスムージーとかヨーグルトとか…あとシンプルにカロリー摂れそうなスイーツとか良くない?
作間龍斗
作間龍斗
さすが。
作間龍斗
作間龍斗
んじゃ、ガリさんが選んで。
俺は、淡々と、良さそうなものを選んで、作間が持ってるカゴに放り込む。

そして2人で彼女にノートとお見舞いの品を届けに行った。本当に作間の家と近くて笑っちゃったんだけど、当たり前のようにインターホンを押して「あ、龍斗ですー♪」なんてゆるーく言ってる作間はやっぱり彼女の幼馴染で俺なんかよりも一段も二段も彼女の近くに居るんだなって感じてた。

玄関を開けてくれたのは彼女のお母さん。
作間龍斗
作間龍斗
どうですか?あなたの下の名前の具合。
今日のノート届けに来ました。あと、ちょっとだけなんですけど、これも………。
お母さんは申し訳なさそうに、でも嬉しそうに、俺たちを歓迎してくれて、家の中に上がっていってと言ってくれた。
作間のことも、龍ちゃんって呼んでる。

聞けば、彼女は、熱は薬飲んで少し下がって、普通に家の中ではうろうろ出来てるそうなので、回復はしてるみたいだ。
自室で横になってるという彼女を呼びに行こうとしてくれるお母さんに作間は、
作間龍斗
作間龍斗
あー、いいんです、そんな。届けに来ただけなんで。
と、遠慮して言ったけど、
お母さんはお構いなしに彼女に声をかけにいった。
お母さんの後からやってきた彼女は、俺らに気を使ってかマスクをして、部屋着で。
(なまえ)
あなた
ごめんめっちゃ部屋着で(笑)
作間龍斗
作間龍斗
超ゆるいじゃん(笑)
しんどいから当たり前か😄
作間龍斗
作間龍斗
今日のノートと、あとちょっと美味しそうなもの買ってきたからあとで食べれたら食べて。
(なまえ)
あなた
えー………何から何まで………なに?これ、こんなまとめてくれたの?ノート!
作間龍斗
作間龍斗
うん。頭のいいガリさんに手伝ってもらった。
(なまえ)
あなた
あー………
と、俺を見る。俺は、小さく、どうも…と頭を下げた。
(なまえ)
あなた
猪狩くん。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
え?
作間龍斗
作間龍斗
そうそう。猪狩くん。
作間龍斗
作間龍斗
良く知ってるじゃん。
(なまえ)
あなた
だって、龍斗の友達でしょ。
(なまえ)
あなた
あと、密かにモテてる。
作間龍斗
作間龍斗
そう(笑)密かにね。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
なに、なんだよ、やめろよ…(笑)
制服の時の雰囲気とは全然違って、
なんて言っていいか分かんないけど、普通の女の子なんだなって…。
今起きましたみたいな感じで出て来てくれるのも(笑)。
(なまえ)
あなた
うちのクラスでも、猪狩くん来ると、
はっ………❤︎ってなってる人いるよね。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
いや…それは…知らないけど…(;´・ω・)
作間龍斗
作間龍斗
ガリさんは、そういう取り巻きみたいな?勝手にキュンとしてるみたいなのはあんまり興味ないからねー。
(なまえ)
あなた
いやみんな泣いちゃう泣いちゃう💦
(なまえ)
あなた
あ、これありがと。あとで食べるから冷蔵庫入れさせてもらうね。
ノートもありがとう。
作間龍斗
作間龍斗
あなたの下の名前、もし明日も具合悪かったら、またノートコピーするからさ。ちゃんと治したほうがいいよ。
(なまえ)
あなた
うん。そうする。
あんま長く話してると、うつしちゃうといけないから……
作間龍斗
作間龍斗
うん。
俺と作間は、彼女と、彼女のお母さんに挨拶をして、帰った。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
………龍斗って呼ばれてるの。
作間龍斗
作間龍斗
だからぁ、仕方ないでしょう。昔からそうなんだから(笑)。ちっちゃいときは龍ちゃんだったよ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
しかもあなたの下の名前って呼び捨て………
作間龍斗
作間龍斗
(笑)
作間龍斗
作間龍斗
でも、猪狩くんって知ってくれてたじゃん。大きな一歩なんじゃない…?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
そかな。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
俺は作ちゃんがお似合いだと思ってっから。
作間龍斗
作間龍斗
いやいやいやいや…待って。
無いから。まじで無いから。
作間龍斗
作間龍斗
なに、ガリさん、可能ならあなたの下の名前と付き合いたいとか思ってるんでしょ?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
な……お前そんな真っ直ぐぶん投げてくんなよ。
作間龍斗
作間龍斗
まーでも…さっきの通り、あなたの下の名前は普段は結構飾らなくてズボラなところあるから(笑)、そういうとこも可愛いって思うなら、いいんじゃない?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
でも、まだなんにも知らないし。
ちょっと、でも、作ちゃんといい感じに見えてるけど、俺はね。
作間龍斗
作間龍斗
無いって。
妬くなよ、だから。
分かってるよ。
さっきから、堂々巡りの会話してるって。
授業中から俺の頭ん中ずっとそうだったもん。
作間と彼女は、特別な関係なんだってことは、分かった。
作間龍斗
作間龍斗
今日で、ガリさんのことちゃんと認識しただろうから、もう普通に学校でも喋れるじゃん。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
えー…そんなうまいこと行くー?
作間龍斗
作間龍斗
そこは、ガリさん次第でしょ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
えーーー……………💧
翌日も、彼女は、学校に来なかった。
作間龍斗
作間龍斗
今日も休むってさ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
熱、下がらない?
作間龍斗
作間龍斗
んー、なんか、昨日は調子良くなってきたみたいだったんだけどねー。今朝になってやっぱりまた発熱、みたいな感じなんだって。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
そかー。しんどいなー。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
今日もノートまとめる?
作間龍斗
作間龍斗
うん、そうだね。
ガリさん今日も時間ある?あるなら手伝ってよ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
うん。
そして今日も、2人で、ノートをまとめたものを作った。
作間が黙々と作業してるのを見てて、
ほんとはコイツが彼女のこと好きなんじゃないか?って思えてきた。
だって、いくら病欠した幼馴染の為って言ったって、こんなに親身になるって…
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
作ちゃん。
作間龍斗
作間龍斗
なに?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
好きなんじゃないの、本当は?
作間龍斗
作間龍斗
え…(笑)
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
あの子のこと好きでしょ?
作間龍斗
作間龍斗
いや………無い。
なんでそう思うの。そういう風に見える?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
見える……。
作間龍斗
作間龍斗
嘘?!
作間龍斗
作間龍斗
あのねぇ………んーーーと……
多分だけどー。
俺もあなたの下の名前も、お互いのこと「人」としか思ってないよ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
人?
作間龍斗
作間龍斗
そ。
男とか女とかじゃなくて、
「人」「人間」としか思ってないよ(笑)。だから仲良さそうに見えるんだと思う。
にわかには信じがたい。
作間龍斗
作間龍斗
だったらさ、
今日のノートのどこかに、ガリさんの名前と連絡先、付箋で貼っといてみなよ。絶対連絡来るから。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
え、熱出てる時にそんなことしてうざくない?
作間龍斗
作間龍斗
喜ぶと思うよ。
作間龍斗
作間龍斗
連絡来たら即告ってみるといいよ。うまくいくから。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
え?即?
作間龍斗
作間龍斗
うん。あいつ彼氏居ないし。
連絡取り合えるようになったらもうさっさと想い告げて付き合っちゃったらいいよ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
なにを………根拠に………お前はそんなことを…
作間龍斗
作間龍斗
俺が責任持つから。自信あるもん俺。
作間龍斗
作間龍斗
ハイ。この付箋に書いて。
連絡先と名前。あと、体調良い時にでも連絡してって書いて。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
でも………あ…う、うん。分かった。
大丈夫なのかなぁ………とブツブツ言いながらも、作間に言われるままに、俺は連絡先と名前を書いた。
作間龍斗
作間龍斗
よし。
じゃあ今日は、ガリさんひとりで行ってね。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
はぁ?!💦
作間龍斗
作間龍斗
俺が用事にギリ間に合わなくなるからって任された、って言えばいいから!それに俺がいるとガリさん妬くじゃない?(笑)
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
いや………でもさすがにこれは無理がありすぎるんじゃな…い……かなーー………
作間龍斗
作間龍斗
そんなことないよ。
行ってらっしゃい。はい、これ持って!
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
うん…いやでもやっぱり無理がある…
作間龍斗
作間龍斗
平気平気。
大丈夫大丈夫。
それに、持っていっても、あなたの下の名前寝てるかも知んないから、お母さんにことづけるだけになるかもしれないしさ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
そっか。そうだよな。
作間龍斗
作間龍斗
だから頑張って。
終わったら連絡ちょーだい😃
急展開に、俺は、動揺を隠しきれてなかった。
こんなこと突然言われても〜〜〜…

でも、作間の話しぶりから
何か奴なりの考えがあるっぽくて、それで俺は乗ることにしたんだ。

ドキドキしながら
昨日も訪れた彼女の家に到着。
インターホンを押すにも、勇気がいる。
何度も押せなくて、勇気を振り絞り、インターホンを押すと、すぐに彼女のお母さんが出てくれた。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
あっ…えと…あの昨日もお邪魔させて頂いた猪狩といいます。今日のノートお届けに来ました!
お母さんは、優しい声で「あー、ありがとう!待ってね今開けますね」と言ってくれて、すぐに玄関が開いた。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
すみません…今日は作間が用事で来れなくて。任されて来ました。
あの、これ。今日のノートです。
それと、また少しですけど……
俺は、ここに来る途中で買ってきたものも一緒に、お母さんに渡そうとした。
渡してすぐ帰るつもりで居たのに、お母さんはノートを受け取らずに、やっぱり「上がっていって」と………一応流石に俺1人で来て女の子の家に上がるわけには…と断ったんだけど………それに、俺と彼女は全然親しくもないし……。
玄関までなら、とお言葉に甘えて家の中に入れて頂いたら、お母さんが彼女の部屋に声をかけに行ってくれた。

大丈夫かな。
俺のこと、あんまり知らないのに。

猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
あ…の。ごめん今日作ちゃん来れなくて。
これ。今日の分のノートと、飲み物買ってきたから。
(なまえ)
あなた
さっき龍斗からメッセージ来てたよ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
え?
そうなの。
(なまえ)
あなた
今日行けないから猪狩くんに全部任せるって。
(なまえ)
あなた
ありがとう。
なんか、巻き込んじゃっててごめん。
巻き込んでる………?

てことはやっぱり。

作間のこと好きなのか。

聞いてみたいけど、奥にお母さんがいらっしゃる状況では聞きにくい。まあ玄関で話してるだけじゃ、聞こえないだろうけど。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
ごめんねほんとに、作ちゃん居なくて。
(なまえ)
あなた
え?どうして?
俺は、
彼女に渡したノートのコピーに貼った連絡先の付箋を後悔してた。無神経だったんだよ、やっぱり。って。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
だって、好き、なんじゃないの?
(なまえ)
あなた
好き?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
作ちゃんのこと…さ。
(なまえ)
あなた
私が?!
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
違う?
(なまえ)
あなた
珍しい生き物としては好き(笑)
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
生き物………?
(なまえ)
あなた
うん。
(なまえ)
あなた
私が龍斗のこと好きそうに見えてた………?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
あー、えと……好き同士なのかな…と。
(なまえ)
あなた
無い無い無い無い(笑)
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
いやそんな全否定💦
✽.。.:*(嬉´Д`嬉).。.:*✽
(なまえ)
あなた
だって本当に無いから。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
少しも?
(なまえ)
あなた
少しも。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
そーなんだ……。
(なまえ)
あなた
信頼はしてるけどね。昔から知ってるから。でも好きは無いなー………龍斗が彼氏とか私あのセンスについてけないわ(笑)。
(なまえ)
あなた
あ………ごめん、また長話しちゃって……
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
あー、いや、俺の方こそ。
しんどいのに訳のわかんないこと聞いてごめん。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
なんかさ、龍斗のこと好きなら、俺だけで来ちゃったの悪かったかなって。
(なまえ)
あなた
ううん、そんなことない。ありがと。
猪狩くんクラス違うのに、龍斗が手伝ってって言ったとかでしょ?ほんとにありがと。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
え………そんな。全然だよ。殆ど作ちゃんがやってることだし。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
じゃ、今日はこれで。
(なまえ)
あなた
うん、ありがとう。
明日は学校行けると思うからまた学校でね。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
うん、まあでも無理せずに。
じゃね。
外に出て、彼女の家の玄関ドアを閉めたら、急に心臓バクバクした。
話してるときはわりと落ち着いて喋ってたのに。
しかも、龍斗のことまで聞き出せちゃったくらい、俺にしちゃ攻めたなって感じ。
今更すごくドキドキしてる。

帰り道、作間に連絡を入れた。
作間龍斗
作間龍斗
あ、どうだったー?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
とりあえず、終わりました。ちゃんと直接渡して来たよ。
作間龍斗
作間龍斗
会えた?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
うん。
作間龍斗
作間龍斗
話せた?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
うん……まあ。なんとか。
作間龍斗
作間龍斗
嬉しそうだったでしょ、あいつ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
嬉しそうだったのかなぁ。ありがとうって………。俺はまあ「作間が来れなくてごめん」「もし作間のこと好きなら俺1人で来ちゃって悪かったかな」って伝えたけど。
作間龍斗
作間龍斗
そんなこと言ったのー?
あなたの下の名前はそれに対してなんて?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
なにお前リアクション確認しようとしてんだよ(笑)。いやまあ…そんなことないよありがとって言ってたかなー。
作間龍斗
作間龍斗
違う違う🤣それだけ…?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
うん、まあ。そんな感じだったけど。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
あーあと、作ちゃんのこと好きなのかって聞いた。
作間龍斗
作間龍斗
え?!なんで!
何故そんなことを聞いてしまうんだお前は💦
作間龍斗
作間龍斗
好きだって言ってたか?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
ううん。
作間龍斗
作間龍斗
でしょ?(笑)
絶対無いから。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
好き同士なのかな…って、やっぱり俺は思ってさ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
でも、彼女は……
作間龍斗
作間龍斗
なに。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
作ちゃんのことは、
珍しい生き物としては好きって。
作間龍斗
作間龍斗
もはや人でもねーじゃん…
作間龍斗
作間龍斗
まあ大丈夫だよ。
今日のノート見てくれたらすぐガリさんに連絡してくれるから。ちょっと気長に待っててやって。
作間が根拠なく言うことが不思議でならなかったけど、そこが作間の不思議なところで、何故か本当に大丈夫な気がしてた。

夜、自分の家で、
風呂上がりにスマホをチェックすると、
見慣れないアイコンでメッセージが来てた。
(なまえ)
あなた
====
猪狩くんのアカウントで間違いないでしょうか。あなたです。今日はノートと飲み物届けてくれて有難う。
=====
作間が言ってた通り、ちゃんと連絡来た。
気になるなーってだけだったのに、
あっという間にこんなことに。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
お待たせしてごめん。合ってるよ。
具合はどう?
(なまえ)
あなた
うん、昨日もなんだけど、夜は熱も下がって楽。明日の朝、熱がまた上がらなければもう大丈夫だと思うんだけど。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
そっか。熱上がる間はあんまり無理しないでいいと思うよ(⌒▽⌒)。無理して学校来てフラフラしてるのもなんか嫌な感じじゃない?
(なまえ)
あなた
うん。
そうだね。
(なまえ)
あなた
あの…
(なまえ)
あなた
龍斗がね、
やっぱり作間の話………。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
ね、ほんっとに正直に!
作ちゃんのことほんとに好きじゃない?(笑)
(なまえ)
あなた
え?好きじゃないよー。生き物としては面白いなって思うけどさ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
ほんとに?( ̄∀ ̄)
(なまえ)
あなた
うん、ほんとだって。
(なまえ)
あなた
そんなに私、龍斗のこと好きそう?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
んーどうかな。
なんとなくね。
近すぎちゃって今更好きとか分かんなくなってるだけかなー…とか。
(なまえ)
あなた
今日、家に来てくれた時も言ってたよね。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
うん。
(なまえ)
あなた
あのね、龍斗が、
今日は猪狩くんが1人でノート持っていくからって連絡くれててね、
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
うん
(なまえ)
あなた
その、今日のノートに、猪狩くんからのメッセージ貼っとくからちゃんと見てって言ってたんだ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
押し付け感がすげーな……なんかごめんね。
それね、俺が、まともにちゃんと話したこともないのにって思ってたからかと。
(なまえ)
あなた
龍斗に言われて書いたの?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
そう(笑)。
こんな具合悪い時に迷惑でしかないだろって言ったんだけど、大丈夫大丈夫って言って。
(なまえ)
あなた
龍斗に書かされた感じだったんだ…
作間が言ってたことを思い出す。
連絡取れたらさっさと告れ、って言ってた。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
書かされたのは書かされたんだけど、
(なまえ)
あなた
あー、もう……龍斗なんで……😣
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
違うよ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
俺が作ちゃんにしょっちゅう会いに喋りに行ってたのが、あなたの名字さんに会いに行ってたからだよ。
(なまえ)
あなた
………え?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
あーごめんごめん、隠してても仕方ないなって思ったから。
(なまえ)
あなた
いや、そうじゃなくて、
私は龍斗から、猪狩くんのこと気になってるよね?って言われて………
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
え?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
どういうこと。
(なまえ)
あなた
龍斗が、
「多分ガリさんのお目当てはお前だよ」って。
作間が、水面下で根回ししまくってくれてたってことだ。
(なまえ)
あなた
それで、だから、連絡取れるようにしてやるからその代わりダラダラすんなよって。
俺に言ったのと同じようなこと、彼女にも言ってたんだ、作間。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
似たようなこと俺も言われた。
少し、微妙な空気が流れて、
じゃあここからどうすんだよって短い時間にすごく考えた。
(なまえ)
あなた
どーする?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
そうねー………(笑)
(なまえ)
あなた
いや(笑)これどーする?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
どーしよっかね(笑)
作間が言ってた、作間が作間がって、俺らはずっと作間のせいにして(笑)あーだこーだ話してるだけで………
でももう、それこそ作間の言葉を借りるなら、さっさと決めるしかない気がしてた。
そうじゃないと、周りも噂するようになるし、余計に決められなくなっていくように思えたし。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
まず治して。
(なまえ)
あなた
熱?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
うん。まずは治して。
(なまえ)
あなた
うん…それは、勿論……もう大丈夫なんだけどね。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
ん、でも今日みたいにまた朝になったら熱上がったりさ、あるかもしれないから。
(なまえ)
あなた
それがなんか関係ある?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
あるよ。
早く……あ、早くってのは無理か……ゆっくりでいいから治して、学校に来れるようになったら。
(なまえ)
あなた
ん?なったら、何かある?どうするの。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
言わない。
(なまえ)
あなた
内緒?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
うん。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
しっかり治して、学校に来てくれたら、その時に。
(なまえ)
あなた
そ…っか。分かった。
作間は全部分かってて言ってたんだなーと思うと、笑えてきちゃって。
スマホの画面見ながらニヤニヤしてた。
(なまえ)
あなた
じゃあ治って学校に行った時、
待ってるね。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
え…あ…うん待ってて。
てかさ、全部作ちゃんの策通りなんでしょ?これ(笑)
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
やばくない?🤣
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
すごいよね?(笑)
あーもうほんとやってくれるわ………
俺ね、あなたの名字さんが熱出した昨日に初めて作ちゃんにあなたの名字さんの話するようになったのよ。
(なまえ)
あなた
昨日?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
そうそう。だってそれまで絶対にバレてないと思ってたんだもん。
でも昨日、作ちゃんが「言っちゃダメかなって思って黙って見てたけど分かりやすいから」って。で、幼馴染で連絡も取り合ってる感じだって今更知って、ここ2日だけなのに妬いて妬いてさ(笑)。
(なまえ)
あなた
龍斗にやきもち?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
うん。
作ちゃんに「本当は好きなんでしょ」って聞いたり、今日だって…作ちゃんのこと色々聞いたじゃん?
(なまえ)
あなた
うん。
(なまえ)
あなた
龍斗にも聞いてたの?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
昨日今日で、38回くらい「妬くな」「無いから安心しろ」って言われたよ。
(なまえ)
あなた
龍斗は、ほんとに無いしなぁー…(笑)
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
一度も無かった?小さい頃とかも。
(なまえ)
あなた
もしかして、これからもずっとその調子で妬くの………(꒪⌓꒪)?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
いやぁ………毎日一緒に居てくれたら心配にはならないと思う。
(なまえ)
あなた
なんか…
(なまえ)
あなた
龍斗とはまた違うヤバさだね……(笑)
明日以降、彼女が学校に来たら、真っ直ぐ彼女のとこに行って、伝えなきゃと思う。
ここまで話せてて、
お互いもう想い合ってることが分かったんだから、早く直接言わなくちゃ。

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