第22話

episode⑥「ばれている。」
358
2022/08/31 18:52
高橋優斗
高橋優斗
なに…びっくりだよ、もう(笑)
作間龍斗
作間龍斗
あそこでガリさんがあーなっちゃうとはまさかだよね。
みんな怒ってるわけじゃなかった。
どーしちゃったの的なニュアンス。
橋本涼
橋本涼
危ないからさ。
橋本涼
橋本涼
あれくらいで済んで良かったけど、へまするのは別に誰でもあるからいいんだよ。
ただちょっとのことが大怪我になったりすることもあるから。
井上瑞稀
井上瑞稀
集中、集中。
瑞稀くんが俺の背中をペシペシ叩く。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
すいません。ごめんなさい。
俺がやらかすはずのない凡ミスだった。
自分でも、ありえねーって思ってる。
橋本涼
橋本涼
ちょっともう今日はガリさん先に帰らせて。
はしもっちゃんが、楽屋の外に行って、「ちょっとガリさんメンテ必要だからもう帰らせたいんで車呼べます?」と言ってるのが聞こえた。
すぐ戻って来て、また俺に声かけてくれる。
橋本涼
橋本涼
今日の片付けはとりあえず任せて。
明日からもまだあるから、整えて来て。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
はい。すいませんでした。
ぐうの音も出なくて
不貞腐れてうなだれてると、
優斗が寄ってきて、
高橋優斗
高橋優斗
お前なんかあったろ(笑)。
って。

なんもないって答えたけど、
それは
みんなに話すことはなんもないってこと。

我ながら、ぐだぐだ。

ミス自体は、ちょっとしたことだったんだけど、自分でもびっくりで許せない失敗だったし、みんなも「は?なんで〜〜〜💦」って感じだったと思う。

用意して貰った車に1人乗り込むその前に、電話を一本掛けた。
ダメ元だったから、当然ダメだった。

仕事中だもんな…。

車の中で、窓にもたれてうとうとしてた。
家の前まで送って貰って、
家に残ってたご飯を食べれるだけ食べて、
風呂入って、自室のベッドに倒れ込んだ。

あ〜〜〜〜〜〜〜…

最悪。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
=====
仕事、失敗したー。
=====
結局、助けを求めるのはあなたの下の名前ちゃんっていう。
だせー。

知らない間に眠ってた。

次に目覚めたのは、真夜中、日付も変わった時だった。
スマホが震えて、
薄目でディスプレイを確かめる。

(なまえ)
あなた
=====
失敗?
どうしたの?大丈夫?
=====
もはや俺の方が女の子みたいで。
仕事詰まってるからって、気持ち強く行かなきゃいけないからって、調子乗って、あなたの下の名前ちゃんに多分だいぶカッコつけた。

メッセージ確認して、
あー返信くれたんだ………と思って、でも力入らなくてまたうとうとしてたみたい。
彼女からの着信音で目が覚めた。
あんなに、気が張ってて、彼女に甘えられない状況を自ら作っておきながら、ほんとに、なんつーか、啖呵切った相手に泣きついてる。
(なまえ)
あなた
もしもし?
私だけど。
どうしたの?失敗?怪我してない?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
馬鹿みたいなミスしちゃった。
(なまえ)
あなた
明日からは?
怪我とかじゃない?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
怪我はしてない。
明日からもまだある…今日は早く帰って整えてこいって言われた。
(なまえ)
あなた
うん。
(なまえ)
あなた
怪我なくて良かった。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
なんで連絡くれたの。
怒ってないの?
(なまえ)
あなた
怒ってないよ。昨日のこと、気にしてたの?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
自分の送ったメッセージのログ読んでたら、ひどいなぁって思った。
(なまえ)
あなた
明日もあるんだし、心配事はあとにして、もう寝てね。今のお仕事終わったらゆっくり話そ?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
あのね。
(なまえ)
あなた
ねえ、だから、話は全部終わってからにしようよ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
あなたの下の名前ちゃんと毎晩仲良く話さないと、俺、ダメだ。
(なまえ)
あなた
もう。
(なまえ)
あなた
でも、私もつい余計なこと言っちゃったりするから。
やっぱり、昨日の、
会いたいっていう話のこと、考えてるんだ。
(なまえ)
あなた
私が言っちゃったから、いけなかったんだし。とにかく、蒼弥くんは今のお仕事を最後までやることを1番に考えないと。優斗さんたちと、チームなんでしょ?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
でも、昨日…
(なまえ)
あなた
うん、ごめんね。私もお仕事頑張るから、蒼弥くんも蒼弥くんのお仕事を一番に頑張って。
明日はきっとうまくいくよ。
私も今夜はもう寝るね。
仕方なく、本当に仕方なく、渋々、
「うん」
って返事をした。
はぁ。頑張れるかな、俺💧

この感じで明日行ったら怒られる。
絶対に怒られる(笑)。
整えてきてって言われたのに〜。
翌日、
特にみんなは俺に何か言うことはなく。
確認箇所のリハだけやって、
多分だけど俺の調子見たかったんだろうな。
そんな感じ。
橋本涼
橋本涼
ガリさん、行ける?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
うん、行ける。行けます。行きます。大丈夫。余裕。
作間龍斗
作間龍斗
やばかったらその場でも言って。アシストするから。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
分かった。
でも大丈夫。行ける。
一度、楽屋から出て、階段まで行き、階段に腰掛けて、精神統一。
とにかく最後までやり切らないと。

高橋優斗
高橋優斗
あいつ、絶対なんかあるんだよ(笑)。
橋本涼
橋本涼
仕事以外のことで、なんか変わったこととかあったんじゃない?言わないだけで。
珍しいよ、こんなん。
橋本涼
橋本涼
………なに?(笑)
瑞稀と優斗なんか知ってんの。
高橋優斗
高橋優斗
え?なんで。
橋本涼
橋本涼
いや、違うじゃん💦いま顔見合わせて暗黙の了解あったっしょ(笑)。
井上瑞稀
井上瑞稀
いや…………これは…全部終わってからがいいよ。うん、終わってからにしよ。てか別に関係ないかも知んないし。
橋本涼
橋本涼
そこまで言ったんなら言おうよ。
橋本涼
橋本涼
勿論あれだよ?ガリさんには言わないし、ほんとここだけの話にしなきゃだろうけど。なんか心配じゃない?危なっかしいっていうか。
高橋優斗
高橋優斗
いや…ぁ、それがさぁ………
井上瑞稀
井上瑞稀
待って待って、それは本人が言うまで黙っててあげないと。
橋本涼
橋本涼
(笑)その時点でもう浮かれた話って分かる。
井上瑞稀
井上瑞稀
ほら、こうやって推測と決めつけになっちゃうじゃん。俺らがなんか思ってるって、こーゆーのって伝わっちゃうし、そしたらまたガリさんの調子が崩れて可哀想だもん。
橋本涼
橋本涼
要は浮かれた話があって、それの影響で調子狂ってる「かも」、って話でしょ?(´-`)
高橋優斗
高橋優斗
浮かれておかしくなってるかどうかは全然分かんないよ、分かんないけど、
作間龍斗
作間龍斗
ほんとは影響強いことなら共有して支えた方が全体としては良くない?結果的にと言うか。
井上瑞稀
井上瑞稀
共有?
勝手に?(笑)
ほんとにそれか分からなくても?
作間龍斗
作間龍斗
そーそー。分かんなくても、こういうことあるんだなぁーって、あるかもなぁーって思って一緒にやってる方が強い気もするし。
井上瑞稀
井上瑞稀
あー、そっか、推測だとしてもね?
橋本涼
橋本涼
仕事から離れたとこで色々あるのは誰にでもあるからなー。
作間龍斗
作間龍斗
うんうん。
橋本涼
橋本涼
じゃあ知ってること共有してくださーい。あ、当然だけど、ガリさんに突っ込むのとかは絶対無しね。
橋本涼
橋本涼
だから、お前らのその、
なんか知ってるみたいなこそこそしてんのも良くないんだって(笑)。
そういうのなんだよ、そういうのが一番伝わるんだよ。
高橋優斗
高橋優斗
じゃあ………瑞稀くん、もう、ここだけの話ってことで、いいよね?
井上瑞稀
井上瑞稀
んーーー、まあ、それが原因かも分かんないから、可能性としてってだけ。
高橋優斗
高橋優斗
ちょっと待って……ガリさん戻ってきたら即この話消すから(笑)。大丈夫だよねまだ…?めっちゃ怖いわ。
てか大前提としてこれは多分凄く可愛い話なんだけどさ、可愛い話のはずなんだけどね。
橋本涼
橋本涼
そう言ってる間に話せるだろ(笑)
高橋優斗
高橋優斗
多分なんだけどー………
高橋優斗
高橋優斗
恋……しちゃってるんじゃないかと………
橋本涼
橋本涼
根拠は。
高橋優斗
高橋優斗
俺と瑞稀くんが、見かけちゃって。
井上瑞稀
井上瑞稀
別に悪いことしてるわけじゃないんだからそんな言い方(笑)。
井上瑞稀
井上瑞稀
まあ、問題はそこじゃないけどね。
橋本涼
橋本涼
え?そこじゃないの?
高橋優斗
高橋優斗
こないだのリハと初日の間の休みあったじゃん。あの日にさ、俺と瑞稀くん買い物行ってたのよ。そしたらさぁ…あのー、稽古場のそばのカフェの俺のこと優斗さん優斗さんって言ってくれる店員さんいるじゃん?あの人とガリさんが居るとこ遭遇しちゃったんすよねー………
橋本涼
橋本涼
嘘でしょ?!はぁ………(꒪⌓꒪)?
井上瑞稀
井上瑞稀
ってなるじゃん、だから慎重にって思ってたんだよ。
橋本涼
橋本涼
それって、たまたま会って挨拶してただけとかじゃなくて?
井上瑞稀
井上瑞稀
違うね。
橋本涼
橋本涼
あーもう違うって明らかな感じか。
作間龍斗
作間龍斗
あ、それ、でも、俺ちょっと気付いてたかも。
高橋優斗
高橋優斗
は?(笑)お前早く言えよ(笑)
作間龍斗
作間龍斗
いやいやだってそんなの言えないし……分かんないから。なんとなくちょっとってだけだし。挙動不審的なとこ、あったから(笑)なんとなく……もしかして好きなのかな〜?くらいの。
作間龍斗
作間龍斗
みんなで夜に行った時もさ、ガリさんだけ本読むから残るとかあったしさ。あの店員さんから何かを受け取ったり接する時って、ガリさんちょっと静かになるんだよ(笑)何も言わないで受け取ったり、俺と2人で行った時もあの店員さんがガリさんに持たせてくれた紙袋落とし掛けたりとか。
井上瑞稀
井上瑞稀
なんかそういう話だけ聞いてたらめっちゃ可愛くない?(笑)💦
録画があるなら巻き戻して見たいわ。
高橋優斗
高橋優斗
そーなんだよ、可愛いんだよ🤣。可愛い話なんだけど、まあーびっくりしたよね。見ちゃいけないもん見ちゃったと思ったもん。
橋本涼
橋本涼
作間の話だとちょっと好きかもってくらいな感じするけど。
井上瑞稀
井上瑞稀
いやいやいやいや、違う。
橋本涼
橋本涼
付き合ってる感じ?
高橋優斗
高橋優斗
多分。
高橋優斗
高橋優斗
まあだからそれのせいにしたらもしかしたら可哀想だけどさ、多少なりとも関係あるかなーとかは、まぁ思うよね。
作間龍斗
作間龍斗
恋しちゃって、どうしちゃったの、って感じ。
井上瑞稀
井上瑞稀
そうそう、そんな感じはある。
橋本涼
橋本涼
エピソードが可愛すぎて助けてあげたくなるんだけど(笑)。
高橋優斗
高橋優斗
恋愛マスターの橋本さんとしてはやっぱりそうですか………(๑¯◡¯๑)
橋本涼
橋本涼
だって、恋して普段絶対しないヘマしちゃうとか可愛すぎない?🤣🤣🤣🤣🤣
俺の居ないところで、
みんなが既にこんな話をしてるなんて知らずに、毎日毎回気持ちを奮い立たせて心を保って、なんとかラストまで終えることが出来た。

あなたの下の名前ちゃんから、最後まで連絡取るのやめようかって言われたのに、俺の方が毎日連絡してた。
彼女も無視しないで俺の相手をしてくれた。
とは言っても、最低限。
いつも話を切り上げて先におやすみって言うのは彼女のほう。

最終日は、いつもよりも遅くに帰宅して、それでも彼女に連絡しないでは居られなくて、終わったよって報告したくなって、それに、終わったからもう安心して話せるのかなって思ったりもしてたんだけど、あなたの下の名前ちゃんはあんまりそんな感じでもなかった。
頑張ったねお疲れ様と言ってはくれたけど、
やっと終わったねー!!って感じではなかった。
改めて別日。
関係者さんたちも揃っての打ち上げも無事に終わり、そのまた別日に俺たちだけで反省会という名の振り返りミーティング。
俺の小さなミス……小さいけど大きな事故に繋がる可能性は秘めてた小さなミスについての話題は避けられない。
優斗がよく言ってた「お前なんかあっただろ」も絶対改めて言われるだろうなって分かってたし。


一通り仕事の話をして、
次の課題や、今後の展開も散々話し合ったあと、ちょっとホッとした時間。



猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
いやいや……あのー、正直、申し訳ないと思ってますょ…。はい。
あぁぁぁヤバい〜〜〜💦
ダメだぁぁ〜💦
って自分でも勿論思ったし、この期に及んで何もないとも言い切れないんだけどー、でも、言えない(笑)。まだ。
高橋優斗
高橋優斗
で?
まだ………って、いつになったら言うのかな………???(σ・∀・)σ
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
いや、そーゆーの俺ダメだから。詮索されるみたいなの。それにそもそもそんな改めて打ち明けるみたいなことはないわ。
井上瑞稀
井上瑞稀
詮索はしてないよ。
噂話とかでもないし。
言いたくないこともみんなあるし。でも、言ってくれたら俺らも楽なんだけどな〜ってのはあるよ(笑)。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
何の話してんの?
怖いし!
優斗が俺の肩を組んできて馴れ馴れしく笑ってる。
高橋優斗
高橋優斗
いやぁーーー、今回の現場終わるの待ってたよーーーー(´ー+`)キラ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
なに!
怖い怖い!
今日反省会なのに、俺の失敗をみんなから責められて改心する会じゃないの(笑)。
高橋優斗
高橋優斗
そのー………今言った、何もないとは言い切れないっていうのはぁー、あれかなー、初日前の休みの日に一緒に居た人とのこと………?かなー。
(°▽°)!

びっくりしすぎていつもは線な目が点になって頭抱えちゃった。
なんだそれ。
なにそれ。
どういうことだそれ。
なんで。
井上瑞稀
井上瑞稀
ごめんごめん(≧∇≦)
優斗、もうそんないじめたら可哀想だから(笑)。
なんで………。
え、なんで?
大混乱なんだけど。

瑞稀くんも?知ってるの?
なんで?
俺、誰にも言ってないのに。
高橋優斗
高橋優斗
尾行したとかじゃないから
大丈夫だよ🤣。
ほんとリアクションいいな(笑)。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
ちょっと状況把握出来ないんだけど………怖い怖い怖い怖い。
高橋優斗
高橋優斗
何もねーよ。
ただ偶然ね、俺と瑞稀くんがほんとに偶然見かけたってだけ。
まー、友達………っていうには苦しいよなー、あの感じは。
え、無理なんだけど💧

てことは俺、既にバレてたのに、何もないふりしてたってこと?
優斗たちも知ってて、知らんぷりしててくれたってこと?

俺は、おでこをテーブルにコツンとくっつけて突っ伏してた。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
なに、これ。
どーゆーこと?
え?みんな知ってて?
なんで。
橋本涼
橋本涼
違う違う、なんか誤解しちゃってる(笑)。ガリさんがしくじったあとに、心配して、なんか、どんなことでも可能性あるなら共有して、守るって言うか支えるって言うか、そういう話をしたんだよ。
井上瑞稀
井上瑞稀
俺らには言えないんだろうなって思ってたしさ。まあ作間はもっと前のリハ段階で薄々気づいてたらしいけど(笑)。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
え?!
……やばーい………怖ーい………💧
作間龍斗
作間龍斗
あれだよ?違うよ?ガリさんに対してなんか、こう、みんなが、有る事無い事面白がって噂してたとかじゃないよ?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
でも…気付いてたんでしょ?(꒪⌓꒪)
作間龍斗
作間龍斗
違う違う。真相までは知らないよ。それはみんな知らないし分かんないんだけど、俺は、お店に行った時に、あれ?なんかあんのかな…?って。回数追うごとに、あれ?やっぱりなんか変……あれ?好きなのかな……あれ?興味ないフリしてるのかな……あれ?………って感じ(笑)。
高橋優斗
高橋優斗
つか、言っていい?
気付いてたんでしょ?って言ってる時点でそうなんだろ💧
橋本涼
橋本涼
えーーなんかでも嬉しい!付き合ってるのー!?(✧◡✧) ​ )੭ु⁾⁾
みんなの優しさと、気遣いと、それから俺の反応見て笑ってくれてるのが、何というか、もう笑うしかないし「マジかよ〜ちくしょーやられた〜」ってなってたけど、観念するしか無かったな。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
いや………だからまだ……言えるような感じではなくて(´・ω・`)。付き合っ……てるのかなーー…………というか……まあ……そんな感じでして。
井上瑞稀
井上瑞稀
え?
高橋優斗
高橋優斗
は?
橋本涼
橋本涼
でもちゃんと連絡とかは取り合ってるんでしょ?違うの?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
あー……それは、まあ。
一応、毎日………なんすけどーー。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
優斗と瑞稀くんが見たって言ってた時が、そのー、初めて2人でちゃんと待ち合わせして会った日でぇ………。
高橋優斗
高橋優斗
………お前…………
リハ終わりの本番前日に初デート持ってくるとかすげーな……( ゚Д゚)
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
あ、そんな初デートとかってほどじゃなくて、ちょっと会ったみたいな………。
井上瑞稀
井上瑞稀
いやいやーーー、ちょっと会ってあの距離感出るー?(笑)
橋本涼
橋本涼
そっから会ってないの。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
そりゃ会ってないよ!連日怒涛の仕事でしたから!
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
あ………でも
高橋優斗
高橋優斗
なんだよ、
なんなんだよもー(੭ु ›ω‹ )੭ु⁾⁾
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
俺的には、本番ステージ続くから、次にいつ会うとか決めないで居て。決めちゃうとそこに向かってっちゃうからまずいなって思って。んで、例えばそのまとまった大事な仕事終えたら会う?とか会いたいなーみたいなんとかは言わないようにしてて。張り詰めた状態で程よく良い意味の緊張状態で強気でやんないと、と思ってたから。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
でも、折り返し過ぎてから、あと数日で駆け抜けれるぞって時に、彼女が「全部終わったらまた会える?」って言ってくれてー……俺そういうのわざと言わないようにある意味我慢っていうか、次のこととか考えないようにしてたのに、あー言っちゃうそれ?ってなって……本番中で強気な俺様発言みたいなのも調子乗って出しちゃってたら、それまで毎日連絡取り合ってた彼女が「じゃあ終わるまで連絡取るのやめようか」って。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
その次の日にしくじりました💧
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
すいませんした!
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
会話の詳細まではまあちょっと端折りましたけど、これが真相です。ほんと、すいませんでした!( ̄ー ̄ )
橋本涼
橋本涼
(笑)
はしもっちゃん、めっちゃ笑ってた。
なんか淡々と話す俺をニコニコしながら見ててくれてたとは思ってたけど、話し終わったら、すごい笑ってて。
橋本涼
橋本涼
もうーーー!
めっちゃ恋してるじゃん(笑)
可愛いー!(≧▽≦)彡☆
橋本涼
橋本涼
そーゆーの、言ってよ!ほんと!
井上瑞稀
井上瑞稀
まあ、あれだよね、出来事の内容までは流石に俺らは分かんなかったけどさ、恋してヘマするっていうだいたい読み通りだったね(笑)。
高橋優斗
高橋優斗
だから俺、何度も言ったよね?!
お前、なんかあったろ?って!(笑)
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
だって言えるわけねーじゃん!💦
橋本涼
橋本涼
で?
橋本涼
橋本涼
2回目デートは?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
まだですよ、そんなもん!
高橋優斗
高橋優斗
何してんだよ今から行ってこいよ!💢
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
そんな雑なツッコミやめろよ💦
橋本涼
橋本涼
あのさぁ🤣
もうほんと面白いんだけど(笑)。
ガリさんさ、会おうって言うの我慢して仕事に専念みたいなこと言ってたけどさぁ、我慢してんのガリさんじゃないからね?
橋本涼
橋本涼
早くしないと、
あれよ?
2回目なんてそもそも無かったんだって思われて終わるよ?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
ぇ……っ………
橋本涼
橋本涼
あーごめんごめん、そんな、明日で地球滅亡するみたいな顔しないで(笑)。
めっちゃいま俺すぐ帰りたい。
帰って、ってゆうか、この足で会いに行きたい。向こうが仕事だろうが何だろうが、会いに行って、ちゃんと俺も同じ想いだよって伝えたくなった。

はしもっちゃん、すげー。



橋本涼
橋本涼
連絡はちゃんと取ってる?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
うん、それは、一応………今回の仕事終わったことも伝えたし。でもゆっくり話せてない。
橋本涼
橋本涼
終わったって話した時に、相手は、じゃあ会える?とか言わなかったの?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
言…わなかった。てか、その、俺がしくじる前日に、終わったら会える?って言ってくれて以来、言われてない。
橋本涼
橋本涼
それさぁ、ガリさんは会いたいねーって言わないし、次の約束もないし、少し不安になって絞り出したんじゃん。終わったら会える?って。
でもそれも、ガリさんに「あー言わないようにしてたのにー」みたいに言われたから、言っちゃダメだと思ってるかもよ。
あー…………
俺は、「会いたい」って言った彼女に、「会いたいって言うな」って言っちゃったようなもんなんだ…。
はしもっちゃんの話を聞いて初めて、
俺の都合で不安にさせてたかもしれないことを知った。
橋本涼
橋本涼
ガリさんは言わないようにしてたかもだけど、無意識に彼女にも言わせないようにしてたと思うよ。俺はね。
彼女、強い人だと思う、多分。
けど、そういう人って優しくて菩薩みたいな人だけど、少しずつ分かんないように壊れていくよ。
橋本涼
橋本涼
なんかお説教みたいになってきちゃった(笑)
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
いや、そんな、とんでもない。
恋愛講座ですよ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
はしもっちゃん、菩薩って言葉は知ってるんだね。
橋本涼
橋本涼
(笑)
橋本涼
橋本涼
うるさいなー。
いーんだよそんなことは(笑)💦
橋本涼
橋本涼
俺が言いたいのは、我慢してんのは彼女でしょってこと!!!だってさ、ガリさんは彼女と話して力貰って毎日仕事頑張れてたかもしれないけど、彼女にはガリさん居るけど居ないみたいなもんだったと思うよ、本番期間中。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
うん…………その表現はすごくグサッと来る。なんか、早急にちゃんとします………。頑張る。
高橋優斗
高橋優斗
…橋本先生、俺喋っていいすか。
橋本涼
橋本涼
いいよ(笑)どうぞ。
高橋優斗
高橋優斗
もう会いに行けよ🤣💦
作間龍斗
作間龍斗
結論出た。
井上瑞稀
井上瑞稀
なんかさ、ガリさんがそんな風になるの、なんか良くない?
本当に、今夜会いに行こうかな。
会ってくれるかな。
約束はしてないけど………。


みんなに、
浮かれてんじゃねー💢ってキレられなくて良かった( ̄∀ ̄*)。


うん、やっぱり、会いに行こう。

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