第14話

ねがお。
516
2021/09/11 16:48
起きない………ほんとに起きない…。
いつものことだけど、なんでこんなに起きないのか。
(なまえ)
あなた
蒼弥!起きないの?ねぇ、もう私出るからね?行ってくるよ。もーーー。
蒼弥の部屋に時々泊まるようになってから分かったこと。
この人は、自分の家だと本当に起きない。
私の部屋に泊まった時は私に合わせて起きてくれたり、自分がまだ寝ていられる時でも私と一緒に家を出たりして、決して私の家に自分だけで勝手に居るみたいなことはしない人。だから合鍵も渡してない。合鍵を持ち合うとそれが当たり前になってお互いの生活エリアが曖昧になってお互いズカズカ踏み込んでなあなあになりかねないからいらない、って予め言ってくれてる。

でも自分の家の時は私が蒼弥の家を出る時も寝てる。

起こしてって言われてるから起こすけど起きない(笑)。
(なまえ)
あなた
もう………行ってきます❤️
いつも私は、蒼弥の頭をぽんぽんしてこの部屋を出る。

そして
私がランチタイムのことを考え始める頃になって……
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
おはよ〜。
あなたの下の名前起こしてくれた?
起きたらあなたの下の名前居なかった〜
と、定型文みたいに同じようなメッセージが入る。
(なまえ)
あなた
でしょうねえ(笑)
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
怒ってるー?
(なまえ)
あなた
怒ってないよ。
もう、蒼弥ほんっとに起きないんだから。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
ごめんーーーー。
私と蒼弥は、
稼働してる時間帯が違ったりするし、
蒼弥は私よりも不規則な仕事をしていたりするから、これも仕方ない。

こうしてちゃんと連絡くれるのがありがたい。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
今日、俺、仕事終わるの早めだから、晩御飯どっか食べに行ける?
(なまえ)
あなた
何時くらい?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
んー、多分だけど、だいたい20時か21時くらい。
(なまえ)
あなた
うん、分かったよ。
つもりしとくね。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
途中また連絡入れるね。
(なまえ)
あなた
うん。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
お仕事、今日忙しい?
(なまえ)
あなた
なんで?どうしたの(笑)
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
なんとなく。
午後もがんばってね。
(なまえ)
あなた
蒼弥もね。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
うん、行ってきまーす。
夜。
私の方が少し早く仕事が終わったので、蒼弥に合わせて待ち合わせ。
仕事終わりの時間帯が似てる日は大抵こうして外で待ち合わせをして、一緒に食事をしたり、少しお買い物したり。
休みも基本合わないから、
貴重なデートの時間。
どっちかが極端に帰りが遅い日は無理して会わないようにしてる。
どっちかの家にダラダラ居付くみたいなことも、私たちは極力気を付けて避けている。
相手の暮らしにお邪魔してるっていう感覚を失いたくないねって、結構最初の頃に話し合って決めたこと。
安定して、長く一緒に居るための、
なんとなくの、2人の匙加減みたいなのがあるんだよね。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
お待たせ。
ごめん、少し遅れちゃった。
(なまえ)
あなた
うん、大丈夫。
さりげなく私の頭を撫でて、
さりげなくキュッと自分の方へ寄せる。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
昨日ぶりだもんね。
(なまえ)
あなた
ほんとは今朝ぶりになるはずだったんだけどなーぁ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
反省してます………
(なまえ)
あなた
まあでも今朝ぶりだったら、今、会ってなかったかもね。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
うん、それはあり得る!
(なまえ)
あなた
私は今朝蒼弥の顔見てから仕事に出掛けたけど〜
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
いいな、俺もあなたの下の名前の顔見てから二度寝したかったな〜〜〜〜
二度寝確定なんだな(笑)。


こんな風に、お互いのペースを乱すことなく、付き合ってる。

一緒に外食の時も、好きなものをお互い食べて、それぞれ満足して帰る。
(なまえ)
あなた
蒼弥が、いつか、
朝、私の顔見てから二度寝出来る日が来たらいいね。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
近々来ると思う!
(なまえ)
あなた
そかな〜〜〜〜来るかな〜?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
来るよ!
なんで!
(なまえ)
あなた
だって、ほんっとーーーーに起きないんだから!
身体をゆさゆさしてもダメ。
頭ポンポンしてもダメ。
ほっぺをペシペシしてもダメ。
腕を引っ張って起こそうとしてもダメ。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
そ、そんな色んなことしてくれてるの、いつも…………( ̄д ̄;)
(なまえ)
あなた
でも起きないの。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
なんか、自信無くなってきた。
(なまえ)
あなた
でしょ?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
う、うん…(´◦ω◦`)
(なまえ)
あなた
私はいいんだけどね。
蒼弥が気持ちよさそう〜に爆睡してる無防備な寝顔を堪能してから仕事行けるから❤︎
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
俺もそれやりたーい。
(なまえ)
あなた
たまにあるじゃん。
私の家に泊まって、私は休みで蒼弥が仕事って日が、そんな感じじゃない?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
でもでもあなたの下の名前は俺が声かけたら起きるじゃんか。ていうか、俺が起きたら気付いて起きちゃうじゃん。
(なまえ)
あなた
そだね、起きるねぇ。
だって気付いちゃうんだもん。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
今度そーーーーっと起きてみる!
(なまえ)
あなた
私のこと起こさずに起きれるかなー?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
頑張る!
なんかちょっぴり優越感。
私だけ、得した気分。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
なーんか、あなたの下の名前だけ楽しそう………
(●´・з・)σ
(なまえ)
あなた
可愛いーんだよー?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
な、なにが!💢
(なまえ)
あなた
普段から「起きてる?大丈夫?目開いてる?」って感じの顔してるのに、寝てる時ってちゃんと目瞑ってるの、蒼弥って(〃艸〃) 。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
は?!💦
(なまえ)
あなた
しかも、寝てる時って、顔の力抜けてるから、ほっぺたとか口元とか緩んでてさー。なんか、ほんと可愛い顔して寝てんの。
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
うるせぇぇぇーっ💢
( ̄^ ̄)
(なまえ)
あなた
多分ね、ベイビーフェイスなんだろうね!
そもそもが可愛い顔してて、寝るとそれが…
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
もういい(///ω///)
(なまえ)
あなた
なんでよー💦
語らせてよー(笑)
私、蒼弥の寝顔のことなら小一時間いけるよ?
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
もういいってば!💦💦💦
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
俺も、そのうち、見るもん。
あなたの下の名前が寝てるとこ。
俺があなたの下の名前より遅く寝て、あなたの下の名前より早く起きれば済む話でしょ?!
(なまえ)
あなた
あっ、そうそう、寝る時もさ、蒼弥って寝つきがいい子供みたいでさ…そんでね、
猪狩蒼弥
猪狩蒼弥
( ̄▽ ̄;)もうわかった……💧
(なまえ)
あなた
なにー?
もうちょい聞いてくれてもいいのにー。
もう可愛いから、
本当はあんまり起こさなくてもいいかなって思ってる。

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