第3話

憧れの恋
39
2020/01/21 01:03
その日の朝は、やけに騒がしかった。



キャシー
ねぇドロシー知ってる?ビビアンさん、彼氏ができたらしいよ!
ドロシー
え?ビビアンさんが?





ビビアンさんは、高嶺の花束の中でもトップクラスの人気を誇る美少女。




ビビアンさんと付き合うなんて考えられない。
ドロシー
相手は誰か知ってるの?
キャシー
それがね、カルム王子なんだってぇ!





きゃー!と叫ぶキャシー。




それもそのはず。カルム王子は、このポワルノ学園に通う超絶イケメンの王子様。




性格もよくて、その2人が付き合えば、間違いなく理想のカップルNo.1だろう。
ドロシー
でも、高嶺の花束が付き合うなんて、異例ね。
キャシー
今まで話しかけるのでさえ難しかったからね。




そんなビビアンさんのハートを射止めるなんて、カルム王子はどうやって…
キャシー
告白のされ方が、それはもうイケメンで、ビビアンさん、ぞっこんだったらしいよ!
ドロシー
そうなの…。





ぞっこんなんて…そんなことありえるのかしら。






キャシー
ドロシーの理想の恋ってどんなの?
ドロシー
理想の恋?
キャシー
うん。憧れの恋ってこと。
ドロシー
そうね…。



気づいたときから高嶺の花束だったから、恋なんて考えたことなかった。




ドロシー
人にそういう感情を抱いたこともないし、そんな経験もないからわからないけど、私は正統派な人が好きね。
キャシー
正統派?
ドロシー
うん。変にマンガみたいなことをされるよりは、きちんと気持ちを伝えてもらった方がいいわね。
キャシー
そっかあ








その会話を聞いていた人がもう1人…














レン
正統派…か。


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