朝
家を出る為に、
髪の毛を結ぼうとブラシで梳かしていたら
玄関チャイムが鳴った。
宅配にしてはこんな早い時間なんて
ありえないよね、、、、
お母さんが出てくれたみたいで、
また鏡に向かって髪を梳かしていると
私を呼ぶ声が聞こえる。
『 あなたー‼︎
ジュン君が来てくれてるわよー‼︎ 』
ありえない。
ジュンが朝に私の家に来るなんて
今までに一度もない。
でもお母さん、
こんな嘘なんてつかないし、、、、、
結ぼうとしたゴムを手に潜らせて
急いで玄関に行くと、
お母さんとジュンが楽しそうに話してる。
『 もー、
ジュン君待たせないで早く行きなさいㅎ 』
そう言われると玄関に置いてある
カバンを渡されて、
髪を結ぶ事なくそのまま家を出る羽目になった。
まだ支度途中のチャニが通りかかって、
チャニもジュンが玄関にいるのを驚いてる。
そりゃそうだよね、
ジュンが朝から来るなんて。
困った顔をしたチャニが私を見る。
姉想いの弟を持てて本当助かる
けど、
ウォヌ君から朝は一緒に行けって
謎の指示が出てるから頑張るよ、チャニ。
優しい顔して手を振ってくれているチャニに
私も手を振って玄関の扉を閉めた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。