今日は図書委員の当番で現在係を実行中。
昼休みと放課後1時間だけ
本の貸し借りの手続きをするものの、
数人しか来ないから本当暇。
今日は本の貸し借りゼロだよ、、、、
人も1人しか来なかったし、
鍵閉めてとっとと帰ろうかな。
なんという二度手間をしてしまったんだ;
部活も始まっているし、
静かな廊下を歩いて教室に戻ると
誰かが窓際に佇んでいる。
あれ、、、?
私の声が聞こえてたのか、
聞こえてなかったのか、
ジフナは顔の向きを変えず立っている。
いつも早く帰るジフナが
こんな時間に学校に残ってるなんて、
何かがあったに違いない。
静かにジフナの後ろから回りこむと
やっと気づいたら私に背中を向けた。
むこうを向く時に
ジフナの左頬に一筋の涙がつたうのが見えた。
涙が何を意味しているのかすぐにわかった。
伝えられない私なんかより
ずっと、、、、
ずっとジフナはすごい。
僅かに聞こえる鼻を啜る音。
静かに涙を流しているのがわかる。
何も言わず受け取るジフナ。
普段自分からはスキンシップを取らないジフナが
私の背中におでこをつけて
ジフナの重みを感じる。
大好きだったヌナの重みも一緒に。
ジフナは自分の気持ちに区切りをつけたんだね。
今までずっと変わらなかった想いに
さようならをして、
少しずつだろうけど
これからは新しい景色が見れるようになるんだね。
私と身長があまり変わらないジフナだけど、
今日のジフナは私よりも大きくて輝いてるよ。
ジフナのこの恋の区切りから
私達の恋模様がどんどん変わっていく。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!