自分の部屋に戻ると
私のすぐ後ろにいつの間にか
ジュンがついて来ていた。
私だって年頃なんだから!
そういうの気にしてほしい、、、
と言ってもジュンにはそういうの通用しない。
あっ、そうだった。
そういえば
なんでジュンは私を待ってたのか聞いてなかった。
宿題は終わったしなんだろう。
あー、ですよねㅎ
理由なんて考えた私がバカだったよ。
ジュンの広い背中を手で押して
廊下に追い出して、
ドアがパタンと閉まる音が聞きたくても
その音が聞こえる事はなく
ジュンがドアをこじ開けて再び入ってくる。
お願いだから
心を落ち着かせる時間ちょうだいよ。
私に駄々をこねる姿だって
困るけど可愛いくて好きだし、
名前をたくさん呼んでくれる所だって好きだし、
好きが溢れすぎておかしくなる。
今までの私がどうして
平然と過ごしていられたのかわからないよ。
私に背中を向けたジュンを見て
窓際にある机に向かうと、
ドアが閉まる音がして一息つく。
椅子に座って机に顔を伏せると心の声を漏らす。
あー、、、、私本当どうしようもなく
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!