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第4話

〜友達(?)〜
48
2019/07/25 01:31
街の人
ヒソヒソ))ねぇ、あれって…
街の人
ヒソヒソ))え、でも違くない?
???
唯斗!
学校に行く途中、突然俺の名前が呼ばれた。

あのバカでかい声は…
唯斗
駿佑しゅんすけ、朝っぱらから大きい声だすなよ。
駿佑
せっかく今日から新学期なんだからテンション上げて行こーぜ!
駿佑
というかよく声だけで俺だって分かったな!
さすが俺の親友!
別に親友になった覚えはないんだけど。

心の中で毒づく。
コイツ、赤尾駿佑あかおしゅんすけは小学校から同じ学校。受験した学校がたまたま同じだっただけで、それまでは何の関わりもなかったのに中学に入った途端、やたらと付きまとわってくるようになった。とにかく明るくて俺とはほぼ真逆の性格だ。
ほら、今みたいにめちゃくちゃ大きい声で騒ぐからうるさいったらありゃしない…って
街の人
あの!俳優の宮前唯斗さんですよね!?
街の人
サインください!
あぁー!!バレた!

マスクと帽子と伊達メガネでバッチリ変装したのに!

あのバカ!あんな大きい声で名前呼んだらバレるに決まってるだろ!
唯斗
……っ
唯斗
行くぞ!
俺は駿佑バカに声を掛けて全速力で走った。
唯斗
はぁっはあっはぁっ…
ここまで来ればもう大丈夫だろう。

俺は文句を言ってやろうと駿佑バカのほうを向いた。

しかし、
駿佑
唯斗、こんぐらいでへばってんの?息あがりすぎだろ。
当の本人は全く息切れしていなかった。それどころかまだまだ走れそうだ。

そうだコイツ毎年マラソン大会全校1位だっけ…。

駿佑はアクション映画とかにスーツアクターなしで出れるんじゃないかってくらいに運動神経がいい。

今度梨花に話してみようかな…。
駿佑
ほら、こんなところで休憩してないで早く学校行こうぜ。
唯斗
あ、ああ…。
俺はまだ上がっている息を呼吸で整えながら駿佑の後をついて行った。

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