第5話

2日目~②※最後不穏です
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2021/06/08 14:58
佐野「あなた、こいつは九井一。」
九井「よろしく」


佐野「そこの二人は、でかい方が灰谷蘭、ちっちゃいほうが灰谷竜胆だ。」


蘭「よろしく」
竜胆「…。」
 よろしくなんていえるわけ無いじゃん。
 誘拐されて、換金されて、脅されて。
佐野「あなた、今逃げようとしてたんだろ?」
 ハイライトのない、真っ黒な闇のような瞳に見据えられる。
『………。』
蘭「答えないと全身縛って身動きできなくすんぞー。」
『っ………。はい。』
佐野「そっか。………三途、あれ持ってきて。」
三途「おー!猿轡いるー?」
佐野「いや、いらねぇ。」
三途「つーまんねぇ。」
 しばらくして三途が持ってきたのは、
 首輪だった。
蘭「手枷はお前の手首が細すぎて抜けちまったからなぁ。」
竜胆「もっと食えよ」
 “梵天”の幹部たちが何やら行っているのを横目に、マイキーは首輪を私の首につけた。
 そして______
ヂュ、


っ、!!!』
 首輪についている鎖を引っ張り、私の肩に強く吸い付いた。
 何が起きたのだろう。
 その後も、私の肩に強く噛み付いたり、吸い付いたりを繰り返していた。
“次やったらこんなんじゃすまねえぞ”
 そう言われ、ようやく自分が“犯罪組織”の“梵天”に
 生死を握られていることを理解した。
 同時に、もう逃げられない、と思った。

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