蘭さんに圧をかけられ、驚いていると、
竜胆「兄貴、圧かけすぎ。あなたがびっくりしてる。」
蘭「あぁ、ごめんなぁ。」
『…………私もすみません。』
竜胆「あ、兄貴、呼ばれた。」
蘭「おう。あなた、じゃーなー。」
『さよなら。』
蘭「ん。」
『え、なんですか、?』
蘭「行ってきますのチュー。」
『嫌です』
蘭「無理♡」
チュ、
蘭さんは私が拒否しても、頭を掴んで軽いキスをしてきた。
『っ、!』
蘭「あれ?初キス?」
『違います!!』
蘭「はは、なーんだ」
『早く行ってください!』
竜胆「俺も。」
チュ、
今度は竜胆さんが頬にキスをしてきた。
竜胆「飯ちゃんと食えよー。」
蘭さんよりは、竜胆さんのほうがいくらかまともなのだろうか。
二人が仕事(?)に出かけて、一人で朝食を食べ始めたところ、
ガチャ、
?「あなたー」
誰だろう。
?「おはよう」
『九井さん、』
九井「昨日、マイキーにめちゃくちゃ噛まれてただろ。手当しに来た。」
『あ、そっか、。』
九井「痛そうだな。」
『大丈夫です。』
九井「慣れてんのか?」
『いや、万次郎は1つのものに執着するから、私はそのうちの玩具みたいなものなのかな、って思ってます』
私は自分に言い聞かせるように言った。
万次郎は12年前から何も変わっていない、と思っていたいから。
九井「ふーん、じゃあ手当するぞ。」
九井さんはあまり人の本音は聞かない主義らしい。
私と会話している間に治療道具を揃えたようで、
器用に手当をしてくれた。
その後は、九井さんが一緒にいてくれて、備え付けてあったゲームで一緒に遊んだ。
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もしかすると、“梵天”の人たちの中には優しい人もいるのかもしれない、
という思考がめぐり始めていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。