第3話

1日目
21,569
2021/06/08 14:09
あなたside
 私が気が付くと、まず視界に飛び込んできたのは


 鮮やかなピンク色の髪をした男と、


 顔を横切るような傷がある男。
?「…?あ、あなた起きた?」
『は…?』
?「誰って顔してんね」
?「まぁ無理ねえだろ。起きたばっかなんだし」
?「俺は三途春千夜!“梵天”のナンバー2。」
『三途…春千夜…???』
 どこかで聞いたことあるような…
三途「昔東卍にいたぜー。」
『………!!!!!』
?「めっちゃ警戒されてんな。俺は鶴蝶。“梵天”のナンバー3だ。」
三途「あ、ちなみにこいつもと天竺なー。」
?「あなた起きたのか?」
 部屋の外から聞こえてきた声は、
 12年前、絶縁したはずのあの人だった。
『まんじろっ…!?!?!?』
佐野「うん」
『生きてたの?????』
 もうすっかり姿は変わってしまったけど、


 その面影にすがりたくなった。
 こんな意味のわからない状況で、やばい人たちに囲まれて、
『まんじろ、助けて…!!!』
佐野「ん?無理。」
『なんっで、!!!!』
 そう言って万次郎に近づこうとした時、
ジャラッ、
 今初めて、私が手枷をつけられていることに気がついた。
鶴蝶「あなたを連れてくるように命令したのはマイキーだ。」
 鶴蝶がそう言っているのを横目に、東卍時代とはかけ離れた、
 冷たい目で見下ろしてくる万次郎に体全身が震えた。
 これは私の知っている万次郎じゃない。
 そう思いたかった。
『万次郎、目を覚まして!!!!!なんか変だよ!!!』
三途「うるせー。ぎゃーぎゃー喚き散らすんじゃねぇよ。」
 万次郎同様、静かに見下ろしてくる三途。


 怖くなって、自分についている手枷を引っ張り、
 広い部屋から駆け出した。
 そういえば、スマホはどこに行ったんだろうか。
 スマホがあれば、千冬に助けを求められる。
 私はまず、(私が)誘拐されたときに持っていたバッグを探すことにした。

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