第3話

春乃
3,199
2021/01/12 11:52
次の日


学校に来ると、私と岩泉くんの関係がみんなに知れ渡っていた。










「ねぇあれって……」








「え。マジ?あの噂って本当だったの?!」






「なんであんな陰キャに……」



















目線を感じ体が縮こまる。


気まずさで顔をあげられないでいると、

















春乃
あなた〜!
岬 あなた
は、春乃!?


横から思いっきり抱きしめられ思わずよろけそうになる。
春乃
おはよ!
岬 あなた
お、おはよう……?
春乃
なんて疑問形なのさ!
岬 あなた
え、だって急にびっくりして……




春乃はワハハと笑うと、

また私の体をぎゅーと抱きしめた。




春乃
あなた、岩泉くんと付き合ってるって本当?


ドキッと心臓がなった。


一昨日告白されて、昨日初めて一緒に帰ったけど……

もう他のクラスにも広がってるなんて……



岬 あなた
……うん///



顔を真っ赤にして答えると、春乃はきゃーと騒ぎ始めた。



春乃
やぁーとあなたの魅力がわかるやつが現れた
春乃
前髪が邪魔してよくわかんないけど、あなたはすっごく可愛くて、
優しい子なんだから。私、知ってるよ?



にっこりと、まるで自分の事のように、喜んでくれている。









































ハルノ
"春乃"は私の唯一の友達。

高校1年の時、同じクラスだった。








授業で2人組になるという指示が出た時、

私だけ、相手の人が見つからないでいると、春乃は声をかけてくれたんだ。










春乃は私とは違い、明るくて、優しいし、男女から人気が高い。




……私の親友でもあり、憧れでもある。


















春乃
良かったね!あなた!
岬 あなた
うん……ありがとっ!……ふふ
春乃
ニシシッ


お互い笑いあっていると、春乃は何かを思い出したように

ポンッと、手を叩いた。



春乃
あっ!そうだった!明後日から夏休みでしょ?また連絡するから、前から話してた映画見に行こうよ!
岬 あなた
うん!行こう!
春乃
じゃあまた後でねー



ひらひらと手を振りながら、春乃は同じクラスと子達の所へ行ってしまった。














岬 あなた
(夏休みかぁ……)


今までも、春乃とはよく遊びに行ったりしたが


今年は違う。












岬 あなた
(今年は、岩泉くんとも会えるんだ……!)




昨日の放課後の事を思い出すと、思わずにやけてしまう。













何をしよう。


いつ会えるのかな。


どんな服きればいいんだろう。












他の子と一緒に出かけるなんて、あんまりないのに……


男の子とは初めてだ。




岬 あなた
(楽しみだなぁ……ふふ)








いつの間にか、周りからの冷たい視線は気にならなくなっていた。

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