第28話

二 学 期 編
1,367
2021/05/17 10:17











……

春乃
……あなた?
岬 あなた
はる…… の







な、んで…………







春乃
?!、なに…してんの
岬 あなた
あ、ぃゃ……










黙る私と、クラスメイトの女子を交互に見る。






それから_______________











春乃
ッ、…あんたら最低ッ








パチンッ

















「ッ、…は…………??」









岬 あなた
なっ……










「ちょっと春乃?!なにやってんの?!」









春乃
……何って何?それこそこっちが聞きたいんだけど










そう言った春乃は、いつもの春乃じゃないみたいで……











いつも笑顔で、誰にでも優しくて、明るくて、人気者で、





そんな春乃が、誰かをきづつけてしまうような、そんな顔をしていたから。。









春乃
あなた探してたら声が聞こえてきて…
春乃
もしかしたらって思って来てみたらあなた倒れてるし、
春乃
“別れて”って何?
春乃
そんなのあなたと岩泉君の勝手でしょっ!?
春乃
ほかの人たちがどうこう言うことじゃないッ!!










声を荒らげてそう叫ぶ。













どうして……




どうして、春乃が怒っているの?




全部全部、私が悪いのに……












もし春乃が岩泉くんと付き合ってたら、、




こんなふうに言われることすらなかったはずだよ?













私が私だから。




こーんな私かだから、きっとダメなんだよ。









春乃
ッ…こんなの……“いじめ”てるのと一緒じゃない!!










「っ、…、」



「ッ、……もう行こう、」









春乃の言葉で涙目になってた子を、慰めるように声を掛け合いながら




彼女達はさっさとその場から離れて行った。









春乃
ちょっと、まだ話は終わってなi((
花巻 貴大
おいっ、










春乃の姿を見つけ、階段のところから勢いよく飛び出してきたのは花巻だった。









春乃
ッ、はな、まき……
花巻 貴大
落ち着けって、
春乃
っ、で、でも…
花巻 貴大
はぁ…、岬さん、怪我とかない……?










花巻のその一言でハッとしたのか




春乃が駆け寄ってくる。









岬 あなた
はる、の
春乃
…………バカっ!!!!
岬 あなた
いてっ
春乃
もうバカバカバカバカッこのバカ野郎!!










バシバシ叩かれ、結構痛い()









春乃
ばかぁあぁああぁああ!!!!
岬 あなた
ちょっ、春乃?!
春乃
何平気なフリしてんのよッ










……平気な、フリ??









春乃
辛い時は頼って
春乃
悲しい時は泣いて
春乃
…………親友でしょう?










親友……









春乃は、こんな私と親友でいてくれるの…?




辛い時、悲しい時は頼っていいの……?









春乃
なんで…言い返さなかったのよ
岬 あなた
ッ、…だって、別に
春乃
“別に”私は言われても仕方ないから、とか言ったら許さないからね










自分が今口に出そうとしたことをそのまま先に言われ、




許さないからと口止めまでされてしまった。。









春乃
ねぇ
岬 あなた
春乃
あなたは自分で思ってるよりも、何倍も可愛くていい子だから
春乃
嘘でもお世辞でもない、本当のことなんだよ










そんなこと……








いつも周りに人が集まってて、男女から人気者で、




こんな私にも優しくしてくれる、春乃こそ本当に優しい人。












________私とは、真逆の人間。









岬 あなた
私なんか…
春乃
あ!“また私なんか”って言ったあ
岬 あなた
っ!? またって、私そんなに言ってなi (
春乃
言ってるからね??? 
春乃
やめなよ、その自己否定癖










春乃はため息つきながらそう言って、私の顔を見る。





今の一言も、きっと私のためを思って言ってくれてるんだ。









春乃
謙虚なのと自信が無いのとは違う
春乃
自信ってのは、持つだけでその人が華やかに見える
とっておきのアクセサリーなんだから
春乃
だから自信を持つことは悪いことじゃないの
春乃
むしろ持てるだけ努力してるって証拠なんだよ
岬 あなた
……うん










わかった、とだけ言うと




春乃は満足したのか、私の腕を引っ張って立たせてくれた。









春乃
行こう、委員会に遅れちゃう
岬 あなた
う、うん
春乃
またなんか言われたら絶対私に言ってね!?
飛んでくから










前を向きながらそう言った春乃は、、























私の、大切な親友だ。



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