……
な、んで…………
黙る私と、クラスメイトの女子を交互に見る。
それから_______________
パチンッ
「ッ、…は…………??」
「ちょっと春乃?!なにやってんの?!」
そう言った春乃は、いつもの春乃じゃないみたいで……
いつも笑顔で、誰にでも優しくて、明るくて、人気者で、
そんな春乃が、誰かをきづつけてしまうような、そんな顔をしていたから。。
声を荒らげてそう叫ぶ。
どうして……
どうして、春乃が怒っているの?
全部全部、私が悪いのに……
もし春乃が岩泉くんと付き合ってたら、、
こんなふうに言われることすらなかったはずだよ?
私が私だから。
こーんな私かだから、きっとダメなんだよ。
「っ、…、」
「ッ、……もう行こう、」
春乃の言葉で涙目になってた子を、慰めるように声を掛け合いながら
彼女達はさっさとその場から離れて行った。
春乃の姿を見つけ、階段のところから勢いよく飛び出してきたのは花巻だった。
花巻のその一言でハッとしたのか
春乃が駆け寄ってくる。
バシバシ叩かれ、結構痛い()
……平気な、フリ??
親友……
春乃は、こんな私と親友でいてくれるの…?
辛い時、悲しい時は頼っていいの……?
自分が今口に出そうとしたことをそのまま先に言われ、
許さないからと口止めまでされてしまった。。
そんなこと……
いつも周りに人が集まってて、男女から人気者で、
こんな私にも優しくしてくれる、春乃こそ本当に優しい人。
________私とは、真逆の人間。
春乃はため息つきながらそう言って、私の顔を見る。
今の一言も、きっと私のためを思って言ってくれてるんだ。
わかった、とだけ言うと
春乃は満足したのか、私の腕を引っ張って立たせてくれた。
前を向きながらそう言った春乃は、、
私の、大切な親友だ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。