第9話

夏 休 み 編
2,315
2021/03/14 00:17


とうとう来ました夏休み!






小学校の時から夏休みはあったけど、今年の夏休みは今までより何倍も楽しみです!


















お母さん 「あなたーちょっと来てー」



1階から名前を呼ばれ降りてみると、スーツをきたお母さんの姿があった。



岬 あなた
……今から仕事?





お母さん 「そう。明日の朝まで帰れないと思うから。家の事は任せたわよ。」







そう言うと、髪を結びながら玄関に向かう。




岬 あなた
わかった……いってらっしゃい



返事はなく、ガチャッと鍵の閉まる音だけが聞こえた。































岬 あなた
はぁ


自分の朝ごはんを作りながら思う。









私がまだ小学生だった時、両親が離婚した。


それからお母さんは毎日のように、夜遅くまで働くようになっていった。

すると必然的に私も1人で過ごすことが多くなり、昔から家事はほとんど自分でしている。






寂しいとか、そんなふうに思うことはあまりない。











私が欲しいものは買ってくれるし、高校進学の時も、何か言われることは無かった。



ただただ興味がなかっただけかもしれないけど、私は自由にさせてもらえているので、不満はない。












岬 あなた
(岩泉くんのことは、まだ言ってないんだよね……)


なかなか恥ずかしくて、言うタイミングが掴めない。






















朝ごはんを食べ終わると、特にすることもないので

自分の部屋から少女マンガを取り出して読む。


岬 あなた
恋……か、






私は……岩泉くんのことが好きなのかな…?







もうずっと前に、好きという気持ちを忘れてしまった。

彼氏いない歴 = 年齢 の私は恋愛の初心者もいい所なんだろうな






岬 あなた
好きでもないのに付き合って……岩泉くんに対して酷いよね……

これから好きになってくれって言われたけど……





きっと彼も、本心は不満なはず。





岩泉くんはほんとぉーに優しくて、




だから気を使ってくれてるんだと思う。





岬 あなた
はぁ



楽しみなんだけどなー





今でも夏祭りのことを考えると、ソワソワする。






なのに、好きなのかと聞かれると、どう答えていいのか分からない。























ポロン










































春〖おはよぉー!映画行こって話覚えてる?〗



春〖昨日から公開されてるし、月曜日ならいつでもOKでーす!〗
































すぐさま返信しようと、カレンダーを見る。




案の定、春乃と岩泉くん以外と約束なんてしていないので

月曜日は全て空いていた。



























〘じゃあ今度の月曜日はどうかな?〙

〘私はいつでも空いてます!〙



























春〖おっけーい!今度の月曜日にしよ!楽しみぃ〗




















ポロンと着信音がなると、ぞうのスタンプが送られてきた。






岬 あなた
(あっ、これ……岩泉くんも使ってた……)




ふふっ、と1人で笑う。











無料で使えるものだったので、私も春乃に送ってみる。




岬 あなた
(今度は岩泉くんにも送ってみよっかな)

プリ小説オーディオドラマ