第20話

モノガタリ
508
2018/03/08 06:23
ニュースキャスター
新惑星の発見です!!
日本人天文学者、武松裕真先生によって発見されました!!
僕は、74歳になってやっと見つけた。
“緋い惑星”

そして、名前を付けた。
武松裕真
武松裕真
“Hiyori”です
世間は知らない彼女のドラマ。
僕だけが知る世界。
武松裕真
武松裕真
僕は、死んだら
Hiyoriのもとへ行きます。
緋依が死んだ後、届いた緋依からの手紙。

「拝啓

桜が咲く季節となり始めた頃でしょうか。
この手紙が届いたということは、私はもういないということでしょう。

裕真、待ってるよ。
貴方の笑顔がここから見えます。
優しい貴方ならきっとなんでもできます。
メロンパン食べようね。セブンのがいいな。
ネックレス、まだ付けてるよ。キラキラしてる。
車椅子、こっちでも押して貰おっかな?笑
貴方の幸せは私の幸せでもあります。
辛いときも背中をさすってくれた。
温かい手。忘れませんよ。
こっちは裕真がいつでも帰ってこれるように温かいご飯をつくっておきます。
迷子にならないでね。
緋い惑星が私のいる世界です。
見つけてくれたでしょうか?笑
見つからなくても待っています。
貴方のことが好きです。
あんな中途半端に伝えてごめんね。
ありがとう。伝えきれないくらい言いたいことがあります。
でもそれは、裕真が帰ってきてくれたときに話します。
早くなくて良いよ。時間は買えないから。
今を楽しんで下さい!!

敬具
              by緋依」

拙い字。でも、自然と笑顔が出来る。
武松裕真
武松裕真
僕もそろそろ、
そっちに行くみたいだよ。
緋依とのモノガタリは終わらない。
ずっと、続く物語だ。

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