第12話

#12
998
2018/10/07 10:23
次の日の楽屋
ガチャッ
Hey!Say!JUMP


ふぅー…


私はこの空気に対抗するように深呼吸をした。
小南心菜
あれ、ちーちゃん
そこには怪我をしてるちーちゃんの姿が。
知念侑李
小南心菜
ねえ、ちーちゃんまでどうしたの
知念侑李
小南心菜
ねえってば!!
知念侑李
…触んないで
知念侑李
ごめん心菜、もう信じられない
小南心菜
えっ…?
中島裕翔
知念が怖がってんだろ
小南心菜
ほんっとになんなの?
八乙女光
おまえがなんなの
小南心菜
私がなにしたってゆうんだよ
大石寺琴葉
仲間を傷つけた(ボソッ


私の頭の中で何かブチっと切れる音がした。
小南心菜
は?なんなのお前。
大石寺琴葉
ちゃーんと証拠もあるんだから、もう諦めなよ?
小南心菜
そんなのどこが証拠だよ。琴葉がどうせやったんだろ?
大石寺琴葉
ひどいよッ…心菜ちゃん…私のせいだなんて…グズっ
小南心菜
は…?
山田涼介
おい心菜もういい加減にしとけよ
有岡大貴
そうだよ
小南心菜
…なんなの。
私にこんなことしてなにが楽しいの?
私みんなになんかした?みんなにこんなに恨まれるほどなんかしたかな私。
そんな嘘つきを信じて本当バカだねあんたたち。恥ずかしいと思わないの?
山田涼介
は?てめーそろそろいい加減にしろ?
そう言って突き飛ばした
小南心菜
いった…
小南心菜
あ…
私の腕が机の角にあたり血が出てきた。
伊野尾慧
少しは知念の痛みを味わえ。
髙木雄也
いや、知念はもっと苦しかったと思うけど
八乙女光
もう償いきれねーけどな
小南心菜
…っ
小南心菜
いいよもう。こんなグループだなんて思ってなかった。
小南心菜
…見損なったよ。



バタンッ






腕から流れる血を見て、涙が溢れてきた。






…もう無理かもしれない。













でもここで辞めたらあいつに負けたことになる。











それだけは意地でも避けたい。
















…あと1時間で撮影が始まる。








頑張るしかないか。








スタジオ_
薮宏太
あれ、まだ心菜いたんだ笑
中島裕翔
もう辞めたと思ってたわ
小南心菜
…っ
大石寺琴葉
さっさとやめれば?(小声


私は殺気溢れた目で睨み返した。
大石寺琴葉
なんか心菜ちゃん睨んでくるぅぅ
髙木雄也
ほっとけよそんなやつ
伊野尾慧
もうメンバーでもなんでもないんだから



…メンバーでもなんでもない?



それを聞いた瞬間、涙が溢れてきた。










小南心菜
ふぅー…



私はみんなに聞こえないようにそっと深呼吸をした。








私は緊張とかストレスを感じると、必ず深呼吸をする。




ジュニアの頃からステージに上がるとしていて、癖になった。









その時はまさかメンバーにいじめられるなんて思ってもいなかっただろう。
スタッフ
では撮影始めます










よし、頑張るか。





もう一度だけ深呼吸をし、みんなの元へ向かった。




撮影終了後_
スタッフ
お疲れ様でしたー!
中川花蓮(マネ)
あ、心菜!
小南心菜
花蓮ちゃん!




私はもう仕事場で花蓮ちゃんしか頼れないんだ…
中川花蓮(マネ)
なんかジャニー社長に呼ばれてたから、終わったら行ってきな?
小南心菜
社長が?
小南心菜
わかった。
山田涼介
もう辞めろとか?笑
薮宏太
いや、それ以外ないだろ笑
知念侑李








みんなに言い返したかったが、本当にそうだったらどうしようという不安もあり、なにも言えなかった。





私は重い足取りで社長室へ向かった。


コンコン
小南心菜
失礼します。
ジャニーさん
おー、youよくきてくれた
小南心菜
…あの、話とは?
ジャニーさん
聞きたいことがあってな。
ジャニーさん
話は全部メンバーから聞いとるよ
小南心菜
はい…
ジャニーさん
youは本当にやったのかい?
小南心菜
私は
小南心菜
…一切やっていません。
ジャニーさん
おお、そうか。
小南心菜
疑わないんですか?
ジャニーさん
なぜ疑う必要がある?
小南心菜
えっ…?
ジャニーさん
youがやっていないと言ったから、私はそれを信じた。それだけだろう?
小南心菜
は、はい
ジャニーさん
まあ私はその話を聞いた時からyouを信じていたがね
小南心菜
ジャニーさん…
小南心菜
私、もう無理かもしれません。
ジャニーさん
そうか…。
ジャニーさん
だが、youはなにもしていない。だから引け目を感じる必要は全くないんだ。堂々といればいいんだ。
ジャニーさん
でも、辛くなったら無理はしなくていい。よく自分の心を休める期間も大切だからな。
ジャニーさん
全てはyou次第だ。
小南心菜
ありがとうございます、社長
ジャニーさん
私はyouが決めた道を応援するぞ。
小南心菜
はい…
小南心菜
とりあえず、もう少し頑張ってみます
ジャニーさん
youなら言うと思ったよ。
ジャニーさん
辛かったら、いつでも私のところは来なさい。
小南心菜
はい、ありがとうございます!
小南心菜
失礼しました。



ガチャ





少し肩の荷が下りた気がした。







そう、私はなにもしていないんだ。










この前の私でいいんだ。














…でも現実は次々と襲ってくる。













頑張れ私。負けるな私。

















複雑な気持ちで楽屋へ向かった。

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