第5話

人の温もり
3,759
2023/08/26 00:36
カカシさんは、私の手を片手で握り締め、地図を見ながら私との歩幅に合わせる。  

そんな少しの気遣いから、カカシさんの優しさを感じる。

途中、途中、食品を購入し、私が珍しそうに、お菓子を見ていると買ってくれた。

追加の買い物をしては、荷物を持ってくれ、私には軽い荷物を持たせてくれた。

少し日が暮れたが、私の住むとされる場所に着き、ドアの前で止まる。

しかし、何故かカカシさんは、小さくため息をついた________。
はたけカカシ
ここ、ナルトと同じとこじゃ無いの。しかも隣。
月夜(夢主)
ナルト...?
はたけカカシ
まっ、いっか。
あなた、とりあえず上がろうか。
『ナルト…?どんな子なんだろう。』

そう思いながらも、カカシさんが鍵を開け、先に中に入る。

すると、目の前には綺麗に掃除され、生活に必要な家電も揃えられていた。

変な臭いもしない、明かりは着く。
月夜(夢主)
あの私…ここに住んでいいんですか?
はたけカカシ
いいよ〜ちょっと狭いけどね。一人暮らしにはうってつけかな!えっ、どうしたの・・・?
木の葉の里に来る前の暮らしは酷かった。
それに、私は"あんな事"をしたから、ここに連てこられた時、酷い目に合うんじゃなかと内心、怯えていた。

だけど、一この部屋に着いて、何よりも、カカシさんの気遣いに触れ、一気に体の力が抜けた。

それと同時に自然と涙が溢れてしまう_______。
月夜(夢主)
すみません…ここに来るまで、このような環境化、初めてでしたので…。それに、カカシさんが、私の為に色々としてくださったので…嬉しくて…。
はたけカカシ
まぁ…俺はそんな大層な事はしてないよあなた。
月夜(夢主)
そんな事ないです…。カカシさんにとって、私は赤の他人なのに”あそこで"助けてくれて、ここに連れてきてくれて、私に…色々教えてくれて…その…ありがとうございます…。
はたけカカシ
もう他人じゃないよ、あなた。
大丈夫…これからゆっくりと、新しい人生を始めたらいい。何かあれば、必ず俺がそばに居てあげる。
カカシさんは、そう言うと、大人の大きなたくましい腕が、私を包み込んだ。私もそれに甘えるように、寄りかかり、しばらくの間、優しく頭を撫でてくれた。
月夜(夢主)
カカシさん…。
時間が経ち、私は落ち着きを取り戻した。

それを見たカカシさんは、私の為にと、ちょっとした物を作ってくれた。

誰かと食べる経験も、初めての事で、私は『これが、幸せ…か。』と笑顔をコボした。

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はたけカカシ
じゃあ、一通り家電の扱いも教えたし…。分からない事があったら、また俺に聞いてくれ。
それか…隣にいるナルトって奴に聞くといいよ。(頼りになるかは、分からないけど笑)
月夜(夢主)
先程言っていた人ですね?
はたけカカシ
そうそう。いずれ仲間になる同い年の子だよ。あなたみたいな可愛い子がいたら、すぐ、調子乗ると思うけど…。アイツは優しいから大丈夫だ。
サラっと、カカシさんは"可愛い"と褒め、恥ずかしさで、顔から火が出そうになった。
月夜(夢主)
可愛い…⸝⸝⸝っ…///。そんな事…ないです…でも、嬉しいです…。
カカシは、その反応に思わずドキッとした。
思わず『可愛いなぁ…。』と思った自分を、心の中で一喝した。
はたけカカシ
俺は、今から仕事があるから。
また、明日の朝8時に迎えに来るからあなた。
頭を優しいく撫でると、そのまま「じゃあね。」と、窓から外へと飛び出して行った。
月夜(夢主)
かっ…かっこいい…。

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