2人はお店の外に出る。
サスケくんの事は最初、”感じの悪い奴”だと思っていたが、こうして見ると以外にも優しく、何だか勘違いしていた事が申し訳無いと、心の内で謝罪をした。
その時だった。
いきなり木の影からバタンと勢いよく3人組が飛び出してきて、2人の目に止まった。
サスケは、「ハァ...」とため息を着いた。邪魔が入ったと言わんばかりの顔をして続ける。
ぇえ・・・初めて会うのに睨みつけられた。
サスケくんのことが好きなのかな?
何だか勘違いされてるみたいだけど、ここは普通に挨拶をしておこう...?
いのは、少し睨みつつ力を入れ握手した。
やっぱり勘違いされてると、あなたは少し苦笑いをする。
そういうとサスケは、あなたの手をぐいっと引っぱり、少し困った顔で3人に手を振った。
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色々とあったが、元の場所へと戻り、少しストレッチを終えると、2人は修行の続きを始めた。
夢中になっていたのか、時間を忘れる程、空が暗くなり、息を切らしながら2人同時に倒れ込んだ。
晴れた夜空がよく広がり、夏の終わりを告げるように蝉の声も小さくなっていた。
サスケくんの質問と共に、蝉の声が止まる。
自身の心中を表すように、微かに流れていた風が止まる──────。
サスケの眉がピクリと反応し、段々と顔が険しくなっていく───。
それと同時に、溜めていた毒を吐くように月夜は話を続けた。
言葉が詰まった───。
”仲間”だと言ってくれたサスケくんを、信用はしている。仲間だからこそ、真実を吐き出したかったのに...。
身体に刻まれた忌々しい過去が、自然とそれを拒絶する。
もう、ここは木の葉の里で、月ノ里は”私が滅ぼした”と言うのに恐怖と、心の傷が消えてはくれない。
私はそんな過去を誤魔化すように、笑ってみせるが、多分上手くは笑えていない。
サスケくんは、私を抱きしめそう話す。
少し、この行為には困っていたが、彼なりの”優しさ”なのだろう。
「ありがとう。」と彼の腕を離そうとした、しかし、そうはさせてくれなかった。
今度は私の顔に両手を添え、愛おしそうな目付きで顔を赤らめている。
サクラちゃんの顔が脳裏にチラつき、謝罪と困惑が混ざり会う中、「ちゃんと見ろ。」と顔を固定されてしまう。
「何だそれ、ツンデレなの?」と一言告げると、良い雰囲気が互いに恥ずかしくなり、サスケくんも可笑しくなったのか、笑い出す。
油断していたあなたに、俺は軽く口付けをする。
顔を真っ赤になったあなたは、口をパクパクとさせ、(可愛い奴だ。)と心の内に呟いた。
困り果てながらも、その場は落ち着きを取り戻しす。互いに"また"修行をしようと約束を交わし、それぞれの自宅に帰宅する事となった───。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!