第29話

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2023/08/30 16:46
夜、宴が始まり、村長からは私達に向けて感謝の言葉と、村伝統の歌を披露し、食べ物がズラリも並ぶという、どんちゃん騒ぎ。 

どれも美味しそうで、食べようとしていたが、やはりこの状況。

非常にゆっくり出来そうに無い。
女性達
あなたくん隣いいかな?♡
月夜(夢主)
えっと…
女性達
ちょっと!抜けがけなんてずるいわ!そんな事よりこれ食べてあなたくん♡はいあーん♡
月夜(夢主)
ありがとう…ございます。
女性達
あんた何食べさせようとしてんのよ!
女性達
あんたこそ下がっていなさいよ!
月夜(夢主)
えっと・・・大丈夫だよ。
ここに置いてて君たちも食べなよ疲れたでしょ?

ありがとうね。
女性達
キャッー!!♡♡
あなたくん優しい〜♡♡♡
(困ったな…。)と周りを見て、見る。

サスケくんのいる場所も、同じように女性に囲まれ、無視したまま黙々と食べていた。

あの状況で普通にしているのが凄い。
しかし、サスケくんはやはり、モテるなと1人感心していた。

すると、こちらに気づかれ、目が合うと何故かまた、顔を背けられた。
月夜(夢主)
(今日は一段と無視されるなぁ…嫌われてるな完全に。)
すると、いきなり誰かに手を掴まれたかと思いきや、サクラちゃんが現れ、手を引っ張った。
春野サクラ
あなたくん!ちょっと来て…
月夜(夢主)
え、うん。わかった…
女性達が喧嘩している隙を見て、サクラと宴から抜け出す。

月夜は、星空がよく見える海辺まで連れてこられた。

(綺麗だ...。)と感心しつつ、サクラちゃんの方を見ると、表情は分からないが頬が赤い。
月夜(夢主)
サクラちゃん、どうしたの?
春野サクラ
ねぇ、あなたくんはまた、次の日になったら...いつものあなたに戻るのよね…?
月夜(夢主)
そうだよ。0時になったら本来の姿に戻るけど…どうして?
春野サクラ
そうだよね……じゃあ…
サクラちゃんがゆっくりと、後ろを振り返る。

そして、ギュッと暖かいものが広がり、それはそれはとても胸が弾ける程、優しい包容だった。
月夜(夢主)
サクラちゃん…?
春野サクラ
私、疲れちゃって…分かってるのよ。
あなただって事は…

だけど、友達とは別の感情が混ざって...何かもうぐちゃぐちゃで…

好きって思っちゃったの…ごめんなさい。
サクラちゃんは本当に優しい友達だし、とても可愛らしい。

私には無い"女の子らしさ"を持っている。

そして精神的にもサクラちゃんは強い。

だからこそ、サスケくんの事が大好きで諦められない。

だけど俺を抱きしめている身体が震えて、恋心に疲れているのだと俺は理解した。
月夜(夢主)
サクラちゃん、ちょっと疲れただけなんだよね?

サクラちゃんは俺よりも女の子らしく、そして強い心の持ち主だ。

魅力的な女の子だよ。

大丈夫、大丈夫、サスケくんはいつか、ちゃんとサクラちゃんの事見てくれるよ。

大丈夫だよ。
春野サクラ
あなた……。

そうよね私ったらどうかしてた…困らせてごめん。

でも、もう少しだけ...このままでいいかな?
月夜(夢主)
うん、サクラちゃんが落ち着くまで俺はそばに居るよ。
春野サクラ
……ありがとうあなた。
2人は座り込み、あなたはサクラを抱きしめたまま何度も頭を撫でる。

カカシ先生が、私を見つけてくれた時、こうして頭を撫でてくれた。

この行為はとても落ち着く、だから俺もサクラちゃんの頭を撫でている。
春野サクラ
もう大丈夫。落ち着いてきたわ。
月夜(夢主)
それは良かった。
サクラちゃんがもし、また不安になったりしたら、いつでも撫でるよ。
春野サクラ
っ…⸝⸝⸝そんなに簡単にすると本当に惚れちゃうからだめっ!イケメンなのも、程々にしなさいよね///!!
月夜(夢主)
そんなに褒められたら嬉しいなぁ〜サクラちゃん。
春野サクラ
何…(チュッ)!?!?
月夜(夢主)
おまじない♡
サクラちゃんが頑張れるように。
春野サクラ
ばかっ///!
あなたなんてもう知らない!
月夜(夢主)
あ、サクラちゃん…行っちゃった。
ちょっとイタズラし過ぎたかな…でも。
春野サクラ
(……ありがとうあなた。)
月夜(夢主)
(サクラちゃん、サスケくんに気持ちが伝わればいいね。)

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