第24話

あの人との再開
2,623
2023/08/28 15:35
あの後、ナルトくんと帰宅した。

サスケくんが、ナルトを見るなり睨みつけ、2人は慌てて朝食を取ると、嵐のように外に出て行った。

サクラちゃんは、サスケくんが気になるからと、着いて行った。

私は1人、家で過ごそうとしていると、ツナミさんが私に話かけてきた。
ツナミ
あなたちゃんだったわよね?
月夜(夢主)
はい、そうです。どうされましたか? ツナミさん。
少し困った顔をして手に顔を当てた。
ツナミ
実はね、もう食料が無くて…買い物に行きたいんだけどね。

今こういう状況でしょ?

だから…もし良かったらお願い出来るかしら?
ツナミさんは、タズナさんの娘で、息子のイナリくんと3人で暮らしている。

ガトーの事もあり、家を開ける訳にはいかないのだと察して、私はココロヨく買い物を引き受けた。
ツナミ
そう、助かるわ…ごめんなさいね。

これメモね、お金はカゴの中に入ってるわ。よろしくね。
月夜(夢主)
はい、行ってきます。
カカシ先生頼みましたよ。
寝ているカカシ先生からグッとサインをもらい、街中へと歩いて行く。

昨日も、サクラちゃんと甘味処に来たが、やはりガトーが、タズナさんの橋作りを阻止しているせいか、物価がどれも高く品質も悪い。

何よりも、街の人達の人相が悪く、治安が悪くなっていた。
月夜(夢主)
タズナさんが橋を命懸けで作ろうとするのも分かるなぁ...。
グッと拳を握る手は、ガトーへの怒りと、タズナさんの他人への思いやりが身に染みていた。

買い物を済ませ、少しだけ休もうと、誰も居ない、海の見える崖付近に来る。

ちょうどいい岩に腰をかけた。
月夜(夢主)
タズナさんや、あのお姉さん(?)の様に…私も他人の為に頑張りたいな。
ウツラ、ウツラと眠そうに頭を揺らしていると、後ろから聞覚えのある声が聞こえ目が覚めた。
こんな所で寝ていては...風邪をひくぞ。
深みのある声に、私の心拍数が早くなる。

後ろをゆっくり振り返ると、目の前には、私を自由にする為、封印を解いた張本人が立っていた。

相変わらずフードを被り、橙色の渦巻きの面。

他の者が彼の姿を見れば、不気味だとも言える、その出で立ちと圧迫感。
月夜(夢主)
うちはマダラ…。
うちはマダラ(?)
フッ...その姿、どうやら木の葉の忍びになった様だなあなた?身なりからして、それなりに自由を満喫しているようだな。
月夜(夢主)
そうね...木の葉の忍びとして今、こうしているの。マダラ、あの後...貴方は無事だったのね。
うちはマダラ(?)
あぁ、勿論だとも。しかし、そうだな...もう少し俺を警戒したらどうなんだ?
こうも、普通の反応をするとは...あまり面白みがない。
俺は、お前の封印を今ここで解くかもしれんぞ?
そんな事は言われたくたって、分かっていた。

彼は私の事を利用する為に、自由にしたのだろう。

でなければ、わざわざ私のことを調べあげ、厳重な警備を抜けることなんて出来ない。

だけど...マダラが現れなかったら私は、私は…。

立ち上がり、ゆっくりと彼の元に行く。
彼の体に手を回し、まるで親に甘える子供の様に抱きしめ顔を埋めた。


ずっとずっと、会いたかった。

貴方が悪者でも構わない…

貴方は私を助けてくれた恩人。
うちはマダラ(?)
...何故だ、何故俺を怖がらないのだ。
俺はお前を利用する為に解放したのだ。何を勘違いしている...。
月夜(夢主)
私は貴方が悪者でも構わない。
貴方が私を見つけてくれた、この気持ちに偽りはないの。
うちはマダラ(?)
甘いな…それがどういう意味か分って言ってるのだろうな?あなた。
月夜(夢主)
貴方が私の事を、どんな風に思っていても構わない。私は...貴方の事が...好きだから。
うちはマダラ(?)
なっ!何を…言って…⸝⸝⸝!
大体俺の事知らないだろ…。
月夜(夢主)
うん…知らない。だけど、貴方は違う。
あの月ノ里の人達の様な冷たい目では無かった。
マダラは少し躊躇ためらいながらも、私の頭を無言で撫で、同じように抱きしめてくれた。

その腕は…暖かく、切ない匂いが広がっていた。
うちはマダラ(?)
...あまり俺を困らせるな。
それに、俺をそんな風に信用をしてはいけない。
月夜(夢主)
どうして……?
うちはマダラ(?)
それは…。だが、お前のその気持ちだけ、受け取っておく。
何か事情があるんだろう…私は困らせないように、それ以上の追求はしなかった。
月夜(夢主)
うん、分かった。
じゃあ1つだけ約束して…
うちはマダラ(?)
約束?何だ言ってみろ……。
月夜(夢主)
いつか…そのお面の下見せてね?
手を離し、他の人には見せた事のない、太陽の様に暖かな笑顔を月夜はマダラに見せた。
うちはマダラ(?)
あぁ…いいだろうあなた…。
だが、次会う時はきっと敵になる。
頭をポンポン、撫でられ、その一言を置いて何処かへ消えてしまった。
月夜(夢主)
敵に……?どうして...マダラ。
私は、もっとあなたの事が知りたい。
貴方は...私の恩人だもの。

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