第31話

利用する為だ
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2023/10/25 13:36
うちはオビト
・・・俺は何をしているんだ。
顔を見せて名を名乗るなんて。
オビトは、山奥に設営していたテントへと戻ると、黒いマントを羽織りる。

懐から、左目部分だけ穴の空いた橙色の面を着け、元の偽マダラに戻る───。
オビト・・・アノ人柱力二、正体ヲ明カシタノカ?
後ろ姿から声が聞こえ、地上へと顔を出すと、暁の衣を着た半身白と黒の人型の者がオビトに問う。
うちはオビト
あぁゼツ、問題は無い。
まだ、子供...何より少し俺の名を出せないよう、”目”を使っているしな。
それよりも、あまり外でその名を口にするな...誰かに聞かれたらどうする?俺はマダラであり、トビだ。
ゼツ
はいはーい。
で、トビはあの娘の事、どうするつもりなの?捕獲はするのかい?
うちはオビト
いや..."今はまだな??”
そもそも、魔像には封印出来ないのだ...十五尾とは、あの娘と魂がつながった存在。つまり...あなたが死ねば、十五尾も消える。
ゼツ
なるほど。じゃあ写輪眼で・・・?
左目から写輪眼が輝き、目を細める。
面の穴からゼツを睨むと、顔を背け表情を曇らせた。
うちはオビト
そう焦るなゼツ。まだその時期では無い。まずは一尾から、九尾まで回収してからだ。

あなたはその後だ…。

十五尾、強大な力になるのは勿論だが、あまりにも情報不足。

情報が無ければ、こちらの”計画”に支障が出るからな。
ゼツ
はいはーい〜ジャアマタ何カ人柱力ノ情報ガアレバ連絡ヲクレ。
うちはオビト
あぁ……、分かった。
_______分かっている。利用する為だ

だが・・・何故だ。この感情は。

初めて出会った時からあなたを見ると”リン”と居た、あの時と同じ感情にかられてしまう。

あの子の笑顔を見ると、かつての俺に戻れた気持ちになる。

感情など、とっくに捨てたと思っていたが…面白い。

しかし、目的は必ず実行する。
うちはオビト
あなた……"必ずまた会おう。"

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