第44話

地の巻物
2,210
2023/05/29 08:21
空が暗くなり月明かりが出始めた頃、小さな木の洞窟で休んでいた、あなたが外に顔を出した。
月夜(夢主)
サクラちゃん。
春野サクラ
はっ!あなた!良かった…
貴方まで寝たままだったら

私…私…ヒッグッ…。
月夜(夢主)
よしよし。

サクラちゃん私、中忍試験始まる前に約束したでしょ?
春野サクラ
ヒッグッ…えっ?
風がなびき、月夜あなたの髪留めが解け髪が舞い上がると雲で隠れていた満月が彼女の体を照らすし大きく脈を打つ。

そして髪は短くなり背は伸び体付きが変わり"男の姿のあなた"が現れた。
月夜(夢主)
"俺がサクラちゃんを守るって"
春野サクラ
あなた……くん。
月夜(夢主)
泣かないでサクラちゃん。

大丈夫、2人は必ず助かるよ。

前から言ってるでしょ?
俺は丈夫なんだし男の姿になれば本当の姿より強いんだって。
涙を流すサクラをあなたは抱きしめ優しく頭を撫で落ち着かせた。
春野サクラ
……だからズルいって。
惚れても仕方ないじゃないあなた…。
月夜(夢主)
はは、ありがとう嬉しいよ。

ねぇサクラちゃん鏡とかあるかな?

俺も大蛇丸に噛まれたからどうなってるのか知りたくて…。
春野サクラ
…!ちょっと待ってね…はいこれ!
見せてほら、横に寝そべって!
月夜(夢主)
ありがとう、ちょっと膝借りるね。
春野サクラ
どうぞ…///
(やっぱり男のあなたはかっこいいな…。私ったら頼りにしてばっかり…。)
サクラの膝に頭を乗せ首が上手く見えるように手鏡をかた向けると"黒く三日月模様"が3つ円を描くように刻まれていた。
月夜(夢主)
…なるほど。
サスケくんとは違う種類みたいだね…。
春野サクラ
体調はどうなの?
なにか変化とか…違和感とか…。
月夜(夢主)
今の所は無いけど…。
念の為…"月ノ子の封"!!
印を結び自分の首元にチャクラを流し込むと呪印の周りに更に縁を描くように封印が施された。
月夜(夢主)
っ…ハァハァ…サスケくんにもしてあげたいけど…

この術は体力が回復してないとキツいから…本当に応急処置程度だけど…。
春野サクラ
そっか…。あなた、これ良かったら飲んで。さっき取ってきた水だよ。
月夜(夢主)
ありがとうサクラちゃん。
その後、2人は水飲み、朝が明けるのを寝ずに過ごした。その様子を物陰から観察する音隠れの三忍衆が居た。
ドス・キヌタ♂
アレが大蛇丸様の言っていた…待てあんな男いたか?ザク
ザク・アブミ♂
知らねぇよ。
まぁどの道殺ることには代わりねぇ、なぁキン。
キン・ツチ♀
中々の色男じゃない♡私が相手するわ。さて行くわよ…!
物音がし2人が振り返ると草陰から三忍の忍びが現れた。額宛を見ると音のマーク。

恐らく大蛇丸が言っていた部下であろう。
月夜(夢主)
サクラちゃん、2人を頼む。それと"アレ"の用意を。
春野サクラ
えぇ…任せてあなた!
ドス・キヌタ♂
あなた?
もしかして君、月夜あなた?
月夜(夢主)
そうだが?何だ、鳩が豆鉄砲食らったような顔をして。
ザク・アブミ♂
月夜あなたって確か女だったよなドス?
ドス・キヌタ♂
ああ、第1試験、そして第二試験開始前、顔確認してるからな…どういう訳か男になってやがる。
月夜(夢主)
不思議に思うのは仕方ない。
何せ、この姿は"満月"限定だからね。
ドス・キヌタ♂
なるほど、そういう"特異体質"って訳か。
月夜(夢主)
それよりも君達は大蛇丸が言っていた音の三忍衆だね?

悪いけど巻物は燃やされちゃって、手元にはないんだよ……つまり…
月夜
ノコノコ、巻物を持ってきてくれてありがとう♡
あなたの無邪気な笑みは三忍は背筋に汗を垂らしジリッと少し後ろに足を下げ身構えた。
ドス・キヌタ♂
(…キン、俺にあの男は任せろ。2人はサスケとあの女の始末を。)
キン・ツチ♀
(分かったわ…)
ドス・キヌタ♂
(あぁ、任せろ…。)
先程、待っていた風が止み静けさが漂う中、三忍はあなたから目を離すまいと凝視する。

そして_______________舞っていた枯葉が地面に落ちた瞬間、ドスが一直線にこちらに向かい残りの2人は視界に入らないよう左回りに向かう。
月夜(夢主)
サクラちゃん!
春野サクラ
分かっているわ!
合図と共に地面に見えないようクナイで固定されていた予め準備していた罠の糸をサクラは切り左から走ってきた2人に罠が発動する。
ドス・キヌタ♂
ザク!キン!…!
月夜
余所見しちゃ、ダメだよ。
ドス・キヌタ♂
ぐあっ!男の君は一味、二味も違うって訳だ!
月夜(夢主)
大蛇丸の部下なら、それなりに覚悟はあるんだよな?
ぶつかり合うドスとあなた。

サクラは上手く罠のトラップを外していくが当たったはずだがザクと呼ばれる男が次々、罠を破壊していく。
春野サクラ
何!あの術…触れてもいないのに…!だめ罠がもう無い構えないと!
月夜(夢主)
サクラちゃん…!邪魔だ!
ドスを蹴り飛ばしサクラちゃんに向かって行くザクに向かって素早く印を結び術を発動させる。
月夜(夢主)
氷遁・狐火の宝玉!!
ドス・キヌタ♂
危ねぇ…!!
ドスはやはり触れてもいないのにあなたの火の玉をかき消す。

サクラちゃんを後ろにやる。

さすがのあなたでもサクラを守りながら寝ている2人を守るのは難しい。

さて…どう動くか。
ドス・キヌタ♂
そうだよね…。守りながら戦うなんて、その女、君にとっては邪魔だよね?
春野サクラ
・・・。
ドス・キヌタ♂
はっきり言ってやればいいのに。
忍びの才能がないってね!!
月夜(夢主)
(来る…!!)
木の葉旋風――――――!!!!
襲ってきた三忍が突如、吹き飛ばされ倒れ込む。

聞き覚えのある声、濃ゆい存在。

見た事のある体術…この人は!
ロック・リー
だったら君達も努力すべきですね!
ドス・キヌタ♂
お前、何者だ…!
ロック・リー
木の葉の美しき蒼い野獣、ロック・リーだ!
春野サクラ
な、なんでアンタがここに…?
ロック・リー
サクラさんがピンチの時、僕はいつでも現れますよ!
月夜(夢主)
リーくん。来てくれて助かるよ。
リーさんは俺の顔を見てキョトンとした顔で見つめる。そうだった…今、男の姿だった俺。
ロック・リー
え、誰ですか貴方…。
月夜(夢主)
月夜あなた、今は男だけどね。
ロック・リー
へっ?あなたさん?僕の知っているあなたさんは強くて…天使で…
春野サクラ
その"あなた"よリーさん。
ロック・リー
ええ__________!!?
な、信じられません!
月夜(夢主)
まぁ仕方ないよな。
ゆっくり説明をしたいが…この状況だ。

俺はリーダーと思うあのドスという男を殺る。

巻物も持っているはずだ。
ロック・リー
は、はぁ。では僕はサクラさんを守ります!
月夜(夢主)
頼んだよリーくん。

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