第10話

〃【中編・センラ√】
2,179
2019/11/13 14:46
センラ
センラ
どうも、こんばんは♪

そこに居たのは、
とてつもない笑顔を湛えているセンラマン。


なんで、ここに!?
迎えの時間とか言ってないのに・・・・・・



しかもこの笑顔・・・・・・


ヤバい時(怒り心頭)の顔だ・・・・・・・・・!!!!!!



鈴木
鈴木
こ、こんばんは・・・?
センラ
センラ
どうもすみませんねぇ、『ウチの』あなたがお世話になっておりますー

わざわざ『ウチの』を強調しなくていいのに・・・
鈴木
鈴木
うーん、と・・・・・・
貴方は・・・・・・
センラ
センラ
ああ、僕ですか?
センラ
センラ
僕はセンラって言います。
端的に言えば・・・・・・
センラ
センラ
ーーーコイツの彼氏です
鈴木
鈴木
え・・・・・・!?
あなた
あなた
え・・・・・・!?
センラ
センラ
なんであなたまで驚くん!?
あなた
あなた
いや、初耳だし、絶対違うから
センラ
センラ
なんやねん、その言い草〜!
俺泣くで!?
知らないし!

ていうか、誤解を解かないと!
あなた
あなた
あ、あのね、鈴木君、この人は彼氏じゃ・・・
鈴木
鈴木
そっか・・・・・・
彼氏さんが迎えに来たなら安心だね。
気をつけて帰ってね、じゃあ・・・
あなた
あなた
えッ!?
ちょ、鈴木君!?

そう言うと、鈴木君はそそくさと帰って行った。
弁解する余地もなく、誤解されたまま。

・・・・・・これは困った。

あなた
あなた
ちょっとー・・・
変な誤解されるから、あーゆー冗談はやめて
センラ
センラ
何がですの?
あなた
あなた
「彼氏」とか言ったら、みんな信じるでしょ!
しかも、会社に噂が回ったら、絶対質問攻めとかされるから嫌なの!

恋話好きな同僚にでも噂が流れたら
一巻の終わり・・・!!

それは死守しないと!!

あなた
あなた
わかった?
そーゆー事だから、誰か私の
知り合いに聞かれても全否定して・・・・・・
センラ
センラ
ーーセンラは否定したくない
あなた
あなた
え?
センラ
センラ
俺は、このままあなたと付き合いたいって
ほんまに思ってんのよ。
いつもあなたは
俺ら幼馴染みを一括りにして
考えとるけどな、
俺はもちろん、俺らみんな、
それぞれ一人の男として見られたい
センラ
センラ
そう本気で思っとるんやで?
あなた
あなた
・・・・・・・・・


ストレートにそうやって言われたら、
本気で色々と考えてしまう。


けど、なんだかんだ私は、
優柔不断で、押しに弱くて、流されやすいから、
上手く判断できない。

なんて答えたら正解か、
まだわからない。
あなた
あなた
・・・・・・そう、なんだね・・・・・・

こうやって気付かない振りをするのも、
ズルいとは思う。
センラ
センラ
さっきも、
センラ
センラ
あなたがあの会社の男に
触られそうになってるのを見たら
嫉妬で狂いそうやった。
俺以外のアイツらでも、時々嫉妬すんのに、
よく知らん奴の視界に
あなたが入ってるだけで嫌なんや
センラ
センラ
こんな嫉妬深い男、嫌?
センラ
センラ
物で繋ぎ止めようとしたり、
あなたの居場所を把握したいって思ったり、
あなたのこと閉じ込めたいって思ったり
する俺のこと、怖い?

溜まりに溜まったセンラマンの不安が
言葉を紡いでどんどん出てくる。


こんな風に思ってるなんて知らなかったから
すごく驚いた。

だから、これからはもう少し真面目に
この人達と向き合わないといけないって思った。
あなた
あなた
・・・・・・嫌、なんかじゃないよ
センラ
センラ
え?
あなた
あなた
勿論、後つけられたら怖いし、
お世話されすぎたらダメ女になるし、
他の人に誤解されるような事
言ったらすごく困るし・・・・・・
あなた
あなた
他にも・・・・・・・・・etc
センラ
センラ
なんやなんや・・・!?
そんなあんの!?
センラさんまじで泣きそう!!

私が指折りをしながら言おうとしたら、
センラマンが本気で泣きそうになったから
言うのをやめた。

あなた
あなた
・・・・・・その困ること引っくるめて、
みんな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大事だから・・・・・・

あまりの恥ずかしさに私は顔を下に向けた。

けど、暫くしても何も言葉を発さない彼を
不審に思い、恐る恐る顔を上げると、


センラ
センラ
・・・・・・うっ・・・・・・く・・・・・・
あなた
あなた
ふぇ・・・・・・!?

な、なに泣いてるのこの人!?!?!?

もしかして私なんか泣かせた!?!?


あなた
あなた
ちょ、ちょっと、センラマン・・・
なんで泣いて・・・・・・
あなた
あなた
わ、私が何か言った・・・!?
だから泣いてるの!?
センラ
センラ
・・・・・・ぐすっ・・・・・・そやで・・・・・・
あなたが泣かせたんやで・・・
あなた
あなた
えぇ・・・・・・?

私、なんか傷つかせるような事言ったっけ?←


センラ
センラ
あなたが・・・・・・・・・・・・
俺らのこと大事とか言うから・・・・・・
センラ
センラ
そんなん言われたら、嬉しくて・・・・・・!

え・・・!?
そこで泣いたの!?

まさかの嬉し涙!?

あなた
あなた
あ、せったぁぁ・・・・・・
あなた
あなた
私、大の男を泣かせてしまったのかと・・・・・・
センラ
センラ
・・・ぐす・・・・・・よし。
大の男を泣かせたんやから、
あなた、責任取って?
あなた
あなた
・・・それとこれとは話は別よ?



このあと暫くはこのネタを引っ張り出され、
センラマンと二人きりになると、



「責任取って」



と何度も縋ってくるようになった。




ね?
恐怖体験でしょう?








୨୧⑅*.୨୧⑅*.୨୧⑅*.୨୧⑅*.










作者
作者
センラ√でした。


うーん・・・・・・
ネガティブモードって加減が難しいです。
暗すぎたらただ面倒臭いし、
すぐ立ち直ったらネガティブじゃないしで、
さじ加減が大事ですね・・・!


次は、うらたぬき√です。

是非、ご覧下さい。

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