そこに居たのは、
とてつもない笑顔を湛えているセンラマン。
なんで、ここに!?
迎えの時間とか言ってないのに・・・・・・
しかもこの笑顔・・・・・・
ヤバい時(怒り心頭)の顔だ・・・・・・・・・!!!!!!
わざわざ『ウチの』を強調しなくていいのに・・・
知らないし!
ていうか、誤解を解かないと!
そう言うと、鈴木君はそそくさと帰って行った。
弁解する余地もなく、誤解されたまま。
・・・・・・これは困った。
恋話好きな同僚にでも噂が流れたら
一巻の終わり・・・!!
それは死守しないと!!
ストレートにそうやって言われたら、
本気で色々と考えてしまう。
けど、なんだかんだ私は、
優柔不断で、押しに弱くて、流されやすいから、
上手く判断できない。
なんて答えたら正解か、
まだわからない。
こうやって気付かない振りをするのも、
ズルいとは思う。
溜まりに溜まったセンラマンの不安が
言葉を紡いでどんどん出てくる。
こんな風に思ってるなんて知らなかったから
すごく驚いた。
だから、これからはもう少し真面目に
この人達と向き合わないといけないって思った。
私が指折りをしながら言おうとしたら、
センラマンが本気で泣きそうになったから
言うのをやめた。
あまりの恥ずかしさに私は顔を下に向けた。
けど、暫くしても何も言葉を発さない彼を
不審に思い、恐る恐る顔を上げると、
な、なに泣いてるのこの人!?!?!?
もしかして私なんか泣かせた!?!?
私、なんか傷つかせるような事言ったっけ?←
え・・・!?
そこで泣いたの!?
まさかの嬉し涙!?
このあと暫くはこのネタを引っ張り出され、
センラマンと二人きりになると、
「責任取って」
と何度も縋ってくるようになった。
ね?
恐怖体験でしょう?
୨୧⑅*.୨୧⑅*.୨୧⑅*.୨୧⑅*.
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。