第19話

うらたが強引すぎる件②
2,114
2019/11/26 13:38

〜うらたぬきside〜



こんなに近くにいて。

こんなに愛してるのに。

好きな奴に異性として見られていない。


その事実にムカついて、すげー焦って。
うらたぬき
うらたぬき
(情けなくて、カッコ悪ぃな・・・・・・。)

他の三人は、俺よりも、
分かりやすく態度に出したり、
優しくしたり、甘やかしたり、
「好き」って気持ちを伝えてる。


だからいつか、俺がまごまごしてる内に、
俺以外の誰かが、アイツを手に入れる・・・。

そんな最悪の結末を想像して恐ろしくなった。



変な汗を感じながら、
俺はコイツの手を強引に引っ張って、
とある目的地に早足で向かう。


うらたぬき
うらたぬき
(俺だって本気を出してやる。)
うらたぬき
うらたぬき
・・・・・・はぁ、着いたか・・・・・・。
うらたぬき
うらたぬき
入って。
あなた
あなた
・・・え、うらたんの家?

ーーーそう。

俺が連れてきたのは、
コイツの家から数十歩で着く俺の家。

あなた
あなた
なんで・・・。
うらたぬき
うらたぬき
いいから入って。
あなた
あなた
う、うん・・・・・・。

俺が怖いのか、ふるふる震えながら頷くあなた。


本当は優しくしてぇのに。
そう言い訳するけど、こんな顔見たらーーー。



うらたぬき
うらたぬき
(ヤバ・・・可愛い・・・。)

コイツの怯えた顔見て可愛いとか思う俺って、
坂田並みにヤバいかもしれない。

アイツは真性だけど。


あなた
あなた
あ、あの・・・・・・。
うらたぬき
うらたぬき
ん? なに、あなた。
あなた
あなた
な、んで、怒ってるの・・・?
うらたぬき
うらたぬき
・・・・・・分かんない?
あなた
あなた
ご、ごめん・・・・・・。
あなた
あなた
わ、私、怒らせたなら謝るから・・・っ。
この手を離して・・・・・・!

相変わらずふるふる震えてるけど、
何とか強気でいるのがあなたらしくて、
すっげーいじらしいなぁ。


うらたぬき
うらたぬき
じゃあ・・・・・・。
うらたぬき
うらたぬき
答えを教えてあげるから、
なんで悪かったのか、よく考えろよ。
うらたぬき
うらたぬき
んで、俺の事、意識して。
あなた
あなた
え、あ、の、どういう意味・・・・・・、
ひゃっ・・・!?



ドサッ・・・・・・。



狼狽えるコイツをベッドに押し倒して、
両手をコイツの頭上で拘束する。

こーやって見たら、
コイツの体って小さいな・・・・・・。


あまり背丈は変わらないのに、
俺よりも一回り以上に小さくて細い。


優しくしねぇと、折れそ・・・・・・・・・。


あなた
あなた
な、何でこんな事するの・・・・・・!?
うらたぬき
うらたぬき
あー、答えを言うんだったな。
うらたぬき
うらたぬき
それはな・・・・・・?

俺の気持ち、伝えてやろうーーー。







〜あなたside〜



うらたぬき
うらたぬき
それはな・・・・・・?
うらたぬき
うらたぬき
俺の事、男として見て欲しいんだよ。
うらたぬき
うらたぬき
お前の事・・・・・・す、好き、だから。


何となくだけど、うらたんの気持ちには気付いてた。

他の三人ほどあからさまに
好き好きアピールをしてこなかったから、
うらたんとは幼馴染みのままで居られるのかな
って幻想抱いてたけど。

あのツンデレで、ママみたいで、
お兄ちゃんみたいなうらたんが、
私の事を・・・・・・。


そう思うと顔が熱く感じた。



あなた
あなた
あ、あの・・・・・・っ、その・・・・・・、
私、は・・・・・・。
うらたぬき
うらたぬき
黙って。
うらたぬき
うらたぬき
断るとか有り得ねぇから。
あなた
あなた
えっ、あの・・・・・・っ。
うらたぬき
うらたぬき
もしここで断れば、俺はお前に酷い事をする。
あなた
あなた
・・・・・・!!

ひ、酷い事って・・・・・・。
うらたぬき
うらたぬき
・・・そんな震えなくても、
お前が否定さえしなかったら、
別に酷い事なんてしねぇよ。
うらたぬき
うらたぬき
ただ、よく考えて。
俺の事を考えて、男として意識して、
あわよくば好きになって。
うらたぬき
うらたぬき
これが俺の本音。
つか、俺ら幼馴染みの、
それぞれの本音。
うらたぬき
うらたぬき
俺らの事、よくよく考えておけよ。
わかったな?
あなた
あなた
う、うん・・・・・・。
わかった・・・・・・。
うらたぬき
うらたぬき
・・・よし!!
うらたぬき
うらたぬき
これで俺の話は終わりだ。
怖がらせて悪かったな。

そう言って起こしてくれたうらたんは、
もう前みたいな明るくて男らしいうらたんに
戻っていた。


そう安心した瞬間・・・・・・。



ぐぅぅぅ・・・・・・。


あなた
あなた
あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
うらたぬき
うらたぬき
あ・・・・・・・・・・・・・・・。
うらたぬき
うらたぬき
・・・・・・・・・w
うらたぬき
うらたぬき
お前・・・、緊張感なさすぎだろw
あなた
あなた
や、だ、恥ずかしいぃぃ!!

男の人にお腹の音聞かれるとか
恥ずかしすぎて死ねる!!!!!!
うらたぬき
うらたぬき
はぁー・・・w
なんか食っていく?
あなた
あなた
えっ、いいの?
うらたぬき
うらたぬき
おう。
キッチンに行って一緒に何か作ろうぜ!
あなた
あなた
さ、賛成!!
うらたぬき
うらたぬき
(こーゆー素直なとこ可愛いわぁ。)
うらたぬき
うらたぬき
(早く俺のにしてぇ。その為にも頑張ろ。)

何作ろうかなー・・・、ぶっちゃけうらたんの方が、
料理が上手い気がするからな・・・・・・。


まぁ、一緒に作るから問題ないか!!


色々とビックリしたけど、
とりあえずは打破した(?)から、
今からはご飯の事だけ考えよう。



うらたぬき
うらたぬき
ほら、早く来いって。
置いていくぞ。
あなた
あなた
あ、待ってっ、うらたん!

こーゆー強引さが彼の売りの様です。











୨୧⑅*.୨୧⑅*.୨୧⑅*.୨୧⑅*.



作者
作者
サイドストーリーうらた編でした!

うらさんの男らしさ、
作者は大好きですね・・・。

皆さん個性豊かなので、
それぞれ書くのが楽しいです。
作者
作者
次は、志麻編を書きたいと思います。

良ければ目を通してみて下さい。

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