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2021/07/21

第1話

恋とはなんだ、なんなんだ!


恋愛。
辞書を開けばいろいろな定義が載っている。
「特定の異性に特別の愛情を感じること」「お互いに恋い慕うこと」……



なぁんて、難しいこと私にはわからない。



だからこそ、私はこの高校に来た。
東棟一階の奥の教室。
『恋愛研究部』と看板のかかっているその教室の扉を、勢いよく開いた。

花梨
花梨
一年A組! 藤田花梨ふじたかりん
恋愛研究部へ入部させてください!!
窓が開いていたのか、桜の花びらが数枚目の前を横切った。
授業が行われる教室とは違って、乱雑に並んだ机と椅子。
中央に座っているのはアニメから飛び出してきたんじゃないかって程のイケメン。
その隣に立っているのは、綺麗な黒髪の美人さん。
そして、窓辺に寄り掛かっている、ふわふわした髪の毛の男の人。
花梨
花梨
…………はなぞの……?
その空間は、ポスターになるのでは?というほど綺麗だった。
もはやポスターなのでは? もうポスターじゃん。
イケメン
イケメン
入部希望者か
花梨
花梨
しゃ……喋った……
イケメンが喋った。ポスターじゃない。
立ち上がったそのイケメンは、すらっとしていて、足が長くて……顔がちっちゃい。
イケメン
イケメン
さっきから何をぶつぶつ言ってるんだ?
私の目の前に立ったイケメンは、ずい、と顔を近づけてきた。
国宝級のイケメンが目の前に……!
花梨
花梨
わ、私を! 弟子にしてください!
思わず声が裏返った。
目の前の綺麗な顔が歪む。
ふわふわ
ふわふわ
弟子だって。何の弟子?
花梨
花梨
あ、えっと、恋愛の!
窓辺に寄り掛かっていたふわふわ髪の男の人が楽しそうに笑ってる。
そのたびに髪が揺れて……あれ? この人もイケメンだ!
イケメン
イケメン
生憎、弟子は取ってない。入部希望者なら……
花梨
花梨
入部希望です! お願いします!
目の前のイケメンに、ルーズリーフに書いた入部届を差し出す。
頭を下げてお願いしますって紙をさしだすのって……ちょっと告白シーンみたい!
イケメン
イケメン
恋とは、何だと思う
花梨
花梨
へっ?
イケメン
イケメン
キミの思う恋は、どんなのだ?
腕を組んでこちらを見下ろすイケメン。
スッと目を細めて、私をじっと見つめてくる。
花梨
花梨
恋……えっと、誰かを好きになること?
イケメン
イケメン
では、好きになるとはどういうことだ
花梨
花梨
えっと……わ、わくわく……?
ふわふわ
ふわふわ
ふふっ
視線を前に戻せば、イケメンの後ろで笑うふわふわ髪の男の人。
口元を手で隠して笑うその人は、なんだかお上品。
イケメン
イケメン
笑うな日和ひより
日和
日和
ごめんごめん。馬鹿にしてるつもりはないんだ。
……ふふ。だって、れいもそんな返しが来るとは思わなかったでしょ
日和と呼ばれたふわふわ髪の男の人がこちらに歩み寄ってくる。
イケメンの横を通って……私の前にやってきた。
ち、近い! なんかいい香りする! 
日和
日和
きみ、なかなか面白いね
私の顔を覗き込むようにして顔を近づけてくる。
な、泣きほくろだ! これはモテる気がする……!
日和
日和
藤田花梨ちゃん……ね
気が付けば私の手元にあったルーズリーフが抜き取られてる。
その時にちょっとだけ触れた指は、ちゃんと男の人の手だった。
零
入部届が配られるまで待てなかったのか……清香きよか
清香
清香
はいはい
そのルーズリーフがイケメンの手に渡る。
ずっと見てるだけだった美人さんがため息をつきながら何かを持ってきた。
それを受け取ったイケメンは私をちらりと見る。
零
やる気は満点。だが、恋については零点
低い声と共に、イケメンが目の前にやってくる。
そして、腕がのびてきたかと思えば、耳元でドン、と音がした。
花梨
花梨
えっ……
イケメンの手によって、私の入部届がドアに押し付けられている。
……まさか、入部……受け入れられなかった……?
花梨
花梨
あ、あの、その、えっと……わたし
どうしよう……予習とか全くしてこなかったからかな……。
はっ! も、もしかしてこれが俗にいう顔面接……!?
お、お化粧、ちゃんとしてくるべきだったのかな……!?
日和
日和
花梨ちゃん、花梨ちゃん、よく見てみて
ペタペタと顔を触っていれば、日和と呼ばれてた男の人がイケメンの手から入部届を抜く。
……って名前! いきなり下の名前で呼ばれてる!
日和
日和
ほら、見てみて
呆然と立ち尽くす私の横に来た日和先輩は、入部届をちょいちょいと指さす。
日和
日和
ここ、名前の横。ほら
花梨
花梨
にゅうぶきょか……入部許可!?
日和
日和
ふふっ。うん、入部許可って書いてあるね
花梨
花梨
私! 入部していいんですか!
日和
日和
そんなに入部したかったんだ
花梨
花梨
もちろんです! そのためにこの高校に来たんです!
この部活が、私のスクールライフなんです!
日和
日和
あはは、本当に花梨ちゃんは面白いねぇ
日和先輩は私の入部届で口元を隠して笑う。
入部届にキスしてるみたい……絵になる……。
零
歓迎しよう。ここで学んでいくと良い
日和先輩が私の手をひいて教室の中に入れてくれる。
桜の花びらがひらひら舞う、私の新しい居場所。
花梨
花梨
よろしくお願いします!
日和
日和
うん、元気な子は好きだなぁ
藤田花梨! 無事、恋愛研究部に入部できました!