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2021/09/15

第9話

恋の嫉妬は心にヒット
零
今日の部活は少し応用編として嫉妬の話をしようと思う
清香
清香
今までは恋の前向きな部分を中心に取り組んできたけれど、
良いことばかりじゃないのが恋よ
零先輩と清香先輩の話を聞きながら横を見る。
いつもより離れた席に座る日和先輩。
日和
日和
……
花梨
花梨
……
映画の一件があってから、日和先輩は少しだけ私と距離を取ってる。
無視されてるわけじゃないけど、いつもみたいには来てくれない。
私も私で、どう接していいか分からなかった。
零
……花梨
花梨
花梨
え? あ、はい!
零
話、聞いてるか?
花梨
花梨
え?
零
……ノート、取れてないぞ
花梨
花梨
え、あ……
零
あまりいい話ではないかもしれんが、これも立派な恋愛の話だ
花梨
花梨
は、はい! すみません!
零
具合が悪いなら
花梨
花梨
いえ! 全然! 大丈夫です! はい!
零
……だめそうならすぐに言うんだぞ
花梨
花梨
はい! ありがとうございます!
ダメダメ。部活中はしっかりしないと。
清香
清香
じゃあ続きから行くわよ
零
恋愛における嫉妬は、基本的にネガティブに取られがちだ。
だが避けては通れない道でもある
清香
清香
そうね。
良く言えば好きな人との関係を守ろうとするものでもあるのよ
花梨
花梨
あの、嫉妬って、やきもちとは違うんですか?
清香
清香
やきもちよりも、嫉妬の方がよりマイナスイメージが強いわね
清香
清香
やきもちは相手に対して構ってもらえなかったりすると拗ねる、
なんて可愛らしい時に使うことが多いわ
零
対する嫉妬は、不安や怒りと言った暗い感情が混ざった複雑な気持ちだと思った方が分かりやすい
零
さらには生霊になって現れることもある
花梨
花梨
い、生霊!?
夏になると良く話題に上がるあの!?
お化け屋敷は平気だったけど、ほ、本物を見ちゃったら……
助けを求めるように日和先輩を見たら、先輩の周りに赤いようなものが……
花梨
花梨
ひっ……!
火の玉! え!? 本物!?
清香
清香
花梨? どうしたの?
花梨
花梨
え! あれ!?
瞬きの隙に、火の玉は消えちゃってた。
……げ、幻覚?
零
……まぁ、生霊はあくまでも噂だがな
花梨
花梨
な、なるほど……?
零
嫉妬すると、息が詰まったり
日和
日和
……っ
突然、日和先輩が大きく反応した。
花梨
花梨
日和先輩? 大丈夫ですか?
日和
日和
……うん
零
それから思考が良くない方向に行ってしまったりする。
こういう時はあまり大胆な行動はしない方が賢明だ
日和先輩がうつむいた。体調、良くないのかな……?
日和
日和
……もし、嫉妬しちゃったときの対処法ってあるの?
小さな声で日和先輩が尋ねた。いつもより元気がなくて、どこか暗い表情。
零
……そうだな。まずは嫉妬してる自分を認めることだ
日和
日和
みとめる……
零
あぁ。しっかり自分の感情を理解して、それを認めてやることが大事だ
清香
清香
良くないイメージに取られがちだけど、
さっきも言った通り誰しも一回は経験するものよ。
何もおかしなことじゃないわ
日和
日和
……なるほど
零先輩と清香先輩が優しい声で教えてくれる。
ノートを取るフリをして覗き込んだ日和先輩の表情は、それでもどこか暗い。

……誰かに、嫉妬したりしてるのかな。

 次の日になっても、日和先輩の暗い表情が忘れられなかった。
花梨
花梨
……最近、日和先輩の笑顔、見てないなぁ……
廊下を歩きながら、思わずため息が出る。
お昼ご飯用に、って買った大好きなクリームパンも、なんだか食べる気にならない……。
女子生徒A
あ! みてみて! 日和先輩!
日和先輩!? ど、どこ!?
顔をあげると、二人の女の子たちが窓の外を見てる。
視線の先を辿ると、中庭に日和先輩がいた。その横には、綺麗な女の人。
先輩と同学年の人かな……。
女子生徒B
えー、あの人彼女かなぁ?
先輩、すっごく楽しそう……
ほんとに、すごく楽しそう。
私には最近見せてくれない笑顔が、あの女の人に向けられてる。
花梨
花梨
……いいなぁ
思わずおでこに触れる。
忘れもしない、あの観覧車でされたキス。
遊園地のときは、楽しそうな笑顔を向けてくれてたのに……。
花梨
花梨
……なんか……苦しい……?
ちょっとだけ息が詰まったような感じがして胸に手を当てる。
鼻は詰まってないし、喉だって痛くない。
でも、食欲がわかないのもあるし、風邪ひいちゃったのかな……?
女子生徒A
あ! えっ! 大丈夫かな……?
焦ったような声に窓の外を見れば、女の人が座り込んじゃってる。
え、え、どうしたんだろう……大丈夫かな?
花梨
花梨
日和先輩がその人のことお姫様だっこしてる。
女子生徒B
きゃー! いいなぁ!
お姫様だっこして、保健室に向かっていく。
女子生徒A
私も日和先輩にお姫様だっこされたい~!
苦しい、なにか、ちょっとだけ苦しい感じがする……。
女子生徒B
私も私も!
なんだろう、この感じ。苦しくって、胸が痛い。
花梨
花梨
……あ
日和先輩と目が合った気がしたのに、先輩はすぐに目を逸らしてしまった。
花梨
花梨
……痛い
まただ。……痛い、胸が、いたい。
やっぱり風邪ひいちゃったのかな。……もしかして、病気?
女子生徒A
日和先輩って優しいよねぇ
女子生徒B
ね! 迷わず動ける人ってなかなかいないよね~!
違う、きっと、前に先輩を怒らせちゃったことを後悔してるのかもしれない。
……そう、日和先輩は優しい。
私が勝手に気まずい空気感を出してるのに気が付いて、話しかけに来てくれないのかも。
……日和先輩の優しさに甘えちゃってたのかな、私。
花梨
花梨
よし……ちゃんと謝ろう!
今日も部活がある。だから、そこできちんと謝ろう!
そしたら、また笑顔を見せてくれるかもしれない。




花梨
花梨
え! 日和先輩休みなんですか!?
零
あぁ。連絡が来た
花梨
花梨
そんなぁ……
謝ろうと思ったのに……でも、休みなら仕方ないよね……。
今度来た時にちゃんと謝ろう。
でもそこから一週間、日和先輩が部活にくることはなかった。