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第7話

集合時間
修学旅行の朝、雪音は早くみんなに会いたくて、目覚まし時計よりも早く目を覚ました。



今日だっ…!



誰かに見られている訳でもないのに、嬉しさのあまり綻ぶ顔を、布団に押し付けて隠す。



準備は昨日のうちに済ませたから大丈夫!



雪音は、長谷川先生と一緒に修学旅行に行けることが、とにかく嬉しかった。
お母さん
雪音、早いわね~
楽しみなのねっ♪
川上 雪音(かわかみ ゆきね)
あ、おはよう!
お母さんこそ、もう起きてるの?
お母さん
私だって、嬉しいのよ~
川上 雪音(かわかみ ゆきね)
雪音は、何故かとても嬉しそうな母を不思議に思いつつ、洗面所へ向かった。



お母さん、なんであんなに嬉しそうなの??



母は、内気な雪音に友達がいるのかどうか、ずっと心配していたのだろう。
雪音が、こんなに学校行事を楽しみに待ったことはあっただろうか。
雪音は、お母さんに学校まで送ってもらい、集合時間より40分も早く、学校に着いた。

今日は親子そろってテンションが上がってしまっているので、お互いに、早すぎる、と言うことがなかったのだ。
川上 雪音(かわかみ ゆきね)
じゃあ、行ってくるね!
お母さん
いってらっしゃい!
楽しんでくるのよっ!
川上 雪音(かわかみ ゆきね)
はーいっ!
母に別れを告げて、生徒玄関前に向かう。

案の定、誰もいない。



やっぱ早すぎたかぁ…笑

ななちゃん、早く来て~~!
長谷川 拓斗(はせがわ たくと)先生
あ、雪音、早いじゃん。
川上 雪音(かわかみ ゆきね)
あっ、先生…!
お、おはようございます!
長谷川 拓斗(はせがわ たくと)先生
おはよ。
あ~、やばい…
早速、先生と2人きりだよぉ…!!
長谷川 拓斗(はせがわ たくと)先生
俺さ、生徒集めてろって指示受けて、
長谷川 拓斗(はせがわ たくと)先生
まだ誰もいねーだろーなって思って来たら、
長谷川先生は、ちょっぴり意地悪な笑顔を雪音に向けた。
川上 雪音(かわかみ ゆきね)
えっ、なんか、すいません!
長谷川 拓斗(はせがわ たくと)先生
雪音が早いから、俺の仕事、もう始まっちゃった~笑
川上 雪音(かわかみ ゆきね)
ああぁ、ほんとごめんなさいぃ…!!
長谷川 拓斗(はせがわ たくと)先生
ははっ、冗談冗談!笑
川上 雪音(かわかみ ゆきね)
なんだ。良かった…笑
あぁ、修学旅行、あんなに楽しみだったのにな。
この時間が続くなら、みんなまだ来なくてもいい…

って、私何考えてるんだろ…

そっか、私が楽しみにしてたのって、長谷川先生と一緒に行けること、だったのかも。

自分でも分かってたけど…
長谷川 拓斗(はせがわ たくと)先生
雪音は、誰と班一緒なの?
川上 雪音(かわかみ ゆきね)
あ、ななちゃんと、涼くんと、健也くんです!
長谷川 拓斗(はせがわ たくと)先生
へー、菜々花は分かるけど、涼と健也も一緒か。珍しーな。
川上 雪音(かわかみ ゆきね)
あ、はい!
ななちゃんが、誘ってくれて!
長谷川 拓斗(はせがわ たくと)先生
そーか!
楽しめよ?
川上 雪音(かわかみ ゆきね)
はい!
楽しみますっ!
長谷川 拓斗(はせがわ たくと)先生
あー、なんか、ごめんな。
長谷川先生がいきなり謝ってきたので、雪音は、何事かと一瞬焦った。
川上 雪音(かわかみ ゆきね)
えっ??
長谷川 拓斗(はせがわ たくと)先生
いや、笑
今、雪音だけだからいっかって、つい、教師っぽくない態度を…笑
川上 雪音(かわかみ ゆきね)
あ、そんなの、別に大丈夫ですよ!笑
その方がいいよ。
先生だってことなんて、気にしないで話したいから。

こんなこと望んでたら、ダメだよね…

でも、先生といると、胸がキュってなって、なんだかすごく幸せな気持ちになる。

声も、仕草も、守ってくれそうな大きな体も、その全てが私をドキドキさせる。
長谷川 拓斗(はせがわ たくと)先生
そろそろ、みんな来る頃だな。
川上 雪音(かわかみ ゆきね)
そうですね、そろそろ…
それから、1分も経たないうちに、生徒たちが集まって来た。
どこかのクラスの女子達
あ!
長谷川先生、おはよー!
長谷川 拓斗(はせがわ たくと)先生
おはよう、ちゃんと集合時間守って来たな。笑
どこかのクラスの女子達
そりゃそうだよ~!
私たち、どんなんだと思ってんのー?
やっぱり、大人気の長谷川先生。


さっきの時間が恋しくなる。

旅行中、また話す機会があるといいな…。