春。桜が風に乗って舞い落ちる季節。
新学期や新生活のスタート地点。
出会いに満ち溢れた季節の中、私は
" 再会 "を果たした。
思いもよらない場所で_____
なんとか大学受験に合格し、晴れて今季から
一人暮らし。とは言ってもバイトで稼いだ金
しか費やせないから、格安物件重視で探して
いると特別家賃の安い家を見つけた。
駅から徒歩5分 、1LDKのアパートなど好条件
過ぎるのに 家賃たったの3万?
何か言いづらい理由でもあるのか アドバイザー
が分かりやすく 言い淀んだ。目が忙しなく動い
ている。
はい と大袈裟に眉を下げ教えてくれた。
どうやら前の住人は「不慮の死」をこの部屋で
遂げたらしい。しかも享年2×歳という若さで。
特殊清掃は施されているものの 変な声がする や
誰も居ないのに電気がついてる など未だ霊障が
あるようだ。
ふと 私の近くにも不慮の死を遂げた人物がいたな
と ある顔が浮かんだ。黒い髪に中性的な顔立ち。
心霊が大の好物でよくネットの海でそういう情報
集めてたっけ。近所に住んでいて、歳は結構離れた
お兄ちゃんだったけど面白くて変わってて、よく
一緒に遊んでいた記憶がある。
そんな彼の訃報が飛び込んできたのは私が高一の
時。久しぶりにお兄ちゃんのお母さんから連絡が
来たかと思えば、彼が死んだことを告げられた。
嘘だろ という顔であんぐり口を開けている
アドバイザーさんの顔が面白い 。
私に霊感はないし 多少物音がしても動じない
くらいには大雑把に生きてきた。事故物件だ
ろうがどうにかなる 、という謎の自信がこの
時にはあった。
この春。まさかの死んだ近所の兄と"再会"して
しまいました。
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事故物件で死んだ近所の兄と
"再会"した話
0730 start
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。