前の話
一覧へ
次の話

第1話

高校入学!!
1,031
2019/11/21 08:38
この春、私は高校生になった。
ここの高校の偏差値はそれほど高くないものの、受験勉強は必死で頑張ったので喜びはひとしおだった。
あなた

やった、やった、受かった!
パパ、ママ、見て!番号ある!

...そうだ、千葉先輩にも報告しなきゃ。



千葉先輩。
私の中学の先輩で、ここの高校に通っている。
新入生歓迎会の時、ひときわ上手にピアノを演奏する姿を見て、憧れを抱いた。
私が楽器が出来るようになりたいと思ったのも先輩のお陰だ。

同じ高校を目指したいと言った時、初めは驚かれたが、すぐに協力してくれた。
分からないところはほとんど教えてくれた。時には何時間もかかってしまったのだが、嫌な顔せず付き合ってくれた。


早く、言いたい。

喜びで震える手を押さえながら、電話をかける。
あなた

あの、千葉先輩

チバ
チバ
おー、あなたじゃん!どうだった?
あなた

あの...高校、受かってました!

チバ
チバ
え!まじ!すごいじゃん!頑張ったねー!
あなた

千葉先輩のお陰です...本当にありがとうございました!

チバ
チバ
俺そんなすごいことしてないからw実力だって!よく頑張ったー!偉い!
あなた

ありがとうございます...!

チバ
チバ
あ、それはそうと、あなたもう何部入るか決めた?
あなた

まだはっきりとは...ギターやりたいんで、軽音部かアコギで迷ってます...

チバ
チバ
じゃあ軽音おいで!ギターいなくて困ってんだよ!面白いヤツ多いし、きっと楽しいよ!
あなた

わ、分かりました!見学行きますね!

チバ
チバ
おう!...あ、気をつけろよ、お前可愛いから、あいつら...いや、なんでもない、入学式で会おうな!待ってるべ!
あなた

(な、なんだろう...)
はいっ!楽しみにしてますね!

ギターがいない軽音部、という言葉がどうも引っかかったが、そんなものは喜びで掻き消されてしまった。

プリ小説オーディオドラマ