と言うわけで仕事の都合でホテルに来ました、帰りたい僕です。
もう嫌だ…お家帰りたい…執務したい…
僕まだ十歳だもん守られるべき年齢だもん
さて今回の同行者を紹介するぜ☆
読心術使い 有能メイドレーナ
謎の多い男() 何故かついてきた人外赤ずきん
その他僕の愉快な兵士とメイドたち
まぁいつもどおりの面子だよね
ね"ぇ〜〜〜ほんと帰りたい
やばいよ僕初めて経験したよこれが『ホームシック』なんだね!
周りにいるのはいつも会う人達なのになんでかな!すごいお家に帰りたいや!
ねぇもう帰っていいよね?帰ったって誰も怒らないと思うの、僕。
だってこんな幼気な少女を1人…ではないけど安全なところの外に出すって何なの?頭狂ってるの??
多分前世だろうがどこだろうが10歳未満で2泊3日したことある子はごまんと居ると思うんだ。
でもね。僕。これが初めてなんだ。
今までの修学旅行は全て予期せぬことで縮まって日帰りになったり金の都合で行けなかったり風邪引いたり…
最早神の悪戯かと思うくらいにいろいろな偶然が重なって今までまともなお泊りをした覚えがない。
ちなみにそんな僕のクラスでの異名は『神に(悪戯しやすい的な意味で)愛されている人間』だった。
だから、僕がこんなにも家から離れたくないとは思わなかったのだ。
たしかに今まで頑なに外に出なかったり帰るときは爆速で帰ったりしていた…いや意外とお家好きだな僕??というより引きこもりたいのか????
あんな家のどこが良かったのだろう…前世の僕に聞きたい。
とにかく。僕はなんとしても宮殿に帰りたいのだ。
早く帰りたい。今なら書類五千枚でも何でもできる気がする。
お願い…帰らせて…
そんな僕の願いは当然聞き入れられることもなく。
ここで冒頭に戻る。最早僕は『カエリタイ』Botと化すことに決めた。
流石皇女の泊まるホテル、といったところか。僕には普通のホテルがどんなものか知らないが、エントランスの豪華なシャンデリアはすごい高いんだろうな、っていうのは分かる。
その日はもう夕暮れだったので、ご飯をいただくことにした。
…うわ凄い、いつも宮殿のご飯で舌が肥えてる僕の舌にマッチする味…
オムライスの卵のフワトロ食感とそれに絡み合うケチャップライスの調和…トレビアン…
ご飯を食べ終わる頃には、当初のホームシックなどどこかに消え失せていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。