…それでは今日はこの国の皇族･貴族について教えていきたいと思います。

それではまず先日のお茶会でご同席なされた三人の貴族…
「シュメラド伯爵」「カラナイル侯爵」「フニカラ公爵」
この御三方について説明致しましょう。

私もよく分かりません。

分からないからこそ警戒するのです。

いいですか皇女様。

この国において情報や知識はかなりの力となります。

そして多くの貴族がいろいろな情報をあちらこちらから集めて回る。

彼らの情報網は皇室でも完全には把握できておらず、皇女様のありとあらゆる情報もすでに外部で噂として流れ出てしまっています。

どれだけ、どんな手を使って情報を漏れないようにしてもどこからか必ず情報は漏れ出ます。

ですが「シュメラド伯爵」だけはどんな手を使っても裏の顔や金銭情報が探れないのです。

いくらやっても全く探れない…これは警戒する他ないでしょう。

それでは次は「カラナイル侯爵」ですね。

彼は商業に優れており、国内でも五本の指に入るほどの資産家です。

そして裏では人身売買で金を稼いでおります。

はい

？なぜ駄目なのですか？

別に人身売買は法律で禁止されておりませんし。違法じゃありませんよ

はぁ…皇女様はたまに訳のわからないことを仰りますね

人を売り物にしたって別になんの弊害もないでしょう？

寧ろ言葉の扱える道具ほど便利なものなどありません

おや、もういいのですか？

さんち…？よく分かりませんが…

それでは最後。「フニカラ公爵」についてお話しますね。

彼は貴族の中でもかなり道徳的な思考を持つ方です。

そうですね…ちょうど先程皇女様が仰られたような訳のわからないことをいつも言っております。

特に裏を探っても何も無く、あれでよく公爵の地位を留めているものだと思いましたよ。

逆にあくどいことしていない方が珍しいですね。

冷房調節しましょうか？

正確には水魔法と風魔法の魔法石を嵌め込んだものなんですけどね。

詳細は宮廷魔法士に聞いてください。

さて、今日はこれで終わり…といきたいところですが、時間が余っているのでおまけで皇女様のお父様…シャンドール帝国皇帝についてお話しましょうか。

彼は第15代シャンドール帝国皇帝、カルトス･ケイン･シャンドール様でございます。

皇子様をとても大切にされている人徳者なのですよ。

皇女様は特に何も思われてはいないのでは？

仕方ないですね。僕も人の子です

おっと終わりですね。

ええ、また明日