第65話

僕の執務は地獄でした
12
2021/01/18 13:49
やぁどうも☆深夜でもないのにテンションが爆上がりしすぎて最早今は夜なのではと思い始めてきた僕だよ☆

なんで僕がこんなにテンション高いのか☆それは毎日の激務にあるのSA☆

っあ〜このテンション飽きたやっぱ戻そ

はい、というわけで毎日『執務』という名の激務に追われております僕です

え???なんで十歳に国のことやらせんの??馬鹿じゃない??

まだ僕成人もしてないちびっこだぞ?いくら見た目が大人寄りとはいえそんな国の予算計算とかさせるか普通??

そういうのは宰相とか皇帝さんの仕事だと思うんだ、僕。

そもそも我皇女ぞ??皇帝てめぇ皇女は野蛮だの何だの言ってる割にはこういう重要そうな仕事全部この年端も行かぬ幼き少女にやらせんだな???

あ〜もうめんどくせぇすべての公務適当にやってやろうか

まぁそんなことしたら僕の身体もただでは済まないのはこの十年で身にしみて感じた。

そもそも僕が最近ちょ〜っと行方不明事件起こしまくったからって執務の量増やす必要はないと思うんだ。

おかげでここ数日ろくに外にも出られない。

いや外に出れないのは元からなんだけどね?窓を覗いて外の様子をゆっくり眺める時間もないのはいささか問題だと思う。

労働基準監督署に訴えんぞゴラァ

働き方改革!働き方改革!

そもそもこんな頑張っても1リタルも出ないのってどうなんですかねぇ?

ブラック極めすぎなんだよナメてんのか

せめて一日のノルマ達成したらデザートが豪華になる、位の特典は欲しかった

流石に授業は免除されてる。

いや免除すんなよ!僕にとってはこんな机と向き合って書類睨んで時たま計算してハンコ押すだけの単調な仕事より新たなことを知れたほうがよっっっっぽどいいんだよ

おかげでレーナに会える時間も少なくなってんの。自分のメイドにもろくに会えないなんておかしいよね?異論は認めん

赤ずきんもここに来れば公務を押し付けられるやらなんやら言って最近来ないし!いや事実なんだけど。

全く来ないこの現状もどうかと思うけど、赤ずきんが来るたびに皇女宮の兵士総動員で赤ずきん捕まえて執務させようとするのなんなの?あいつ部外者ぞ?下手したら私よりも執務やらせちゃいけないフレンズだぞ??

まぁそれでいて毎回いくら追い詰められようとのらりくらりと兵士を躱していく赤ずきんがやっぱ人外なのはみんな知ってるよね?

セストは相変わらず僕と同じ、もしくはそれ以上の仕事に追われて瀕死状態。

僕この年になってからろくにセストと会えてないんだけど。こういうのほんと良くないと思う

僕は、ろくに兄弟と会えないこの社会をどうにかしたい。─シャンドール党

ちなみにリアドネも僕らと同じ状況である。極たまに休憩できたとき、疲れた通り越して虚無の表情で家臣と話し合ってるのを見た。家臣もおんなじような顔だった為、一瞬「ここはどこのゾンビ映画だ?」と本気で思ってしまったことはお墓に持ち込む秘密にしよう。

今は5歳くらいの筈の弟妹達には未だ会えていないが、風のうわさであの子らは執務もなく優しい子にすくすく育っていると聞いた。

未だに世間では彼ら『私生児』に文句をつける貴族がいるようだが、皇帝はそこら辺の意見は全て突っぱねているらしい。やるときはやるのか、あいつ。

ちなみに僕は特権を使って弟妹たちの写真は閲覧済みである。僕らの青味がかった白髪、マリンブルーの瞳とは少し違う緑味のがかった白髪、青に赤を少し混ぜたような色合いの群青の瞳はとても愛らしかった。どこのATMに行けば貢げますか。

第一、第二皇子にも会えていない。とてもカッコイイ(リアドネ談)兄達に会ってこの死にかけてるメンタルを回復したい(切実)
そんなことを思いながらだらけていれば、また目の前に書類の山がやってきた。

また書類地獄だ…そろそろ真面目に死にそうだ。

書類地獄が終わったあとの僕は、きっと10歳らしからぬ表情をしているんだろうな。

プリ小説オーディオドラマ