無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第45話

お兄ちゃんは大胆でした
今は午後の十一時三十分。本来なら僕は寝ていなければならない時間だ。

僕はベッドに腰掛けて、ずっと秒針を眺めている。

僕がこの時間になっても寝ていない訳と言えば、単に『眠れない』というのも理由の一つだ。

ただ、今回はそうでもなく。

引き出しの中にあったんだ。僕か散歩に出ていなくなっていたすきに、『第三皇女様へ』と綴られた手紙が。

レーナに見られないようにこっそり中を見てみると、『午後の十一時に会いに行く』とだけ子供のような粗雑な字で書かれていた。

よほど焦っていたのだろう。手紙はところどころしわくちゃになっている。

流石に午後十一時に来るとか夜遅いし怖かったのだが、恐怖より好奇心が優先してしまった。

結局誰にも秘密にしたまま十一時を迎えてしまった。

だが誰も来ない。いたずらかと思ってベッドに入ろうとした、そのとき。


ガラッ


何かが開くような音がした。
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
あぁ、起きてたんだ。おはよう…は、少しおかしいかな。こんばんは、オルガリネ。
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
!?
音のした方に目を向ければ、そこには白髪碧眼の美少年が窓から侵入してこようとしている。
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
大丈夫、大声出さないで。大人たちが起きちゃう。
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
え…ええ…?
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
心配しないで。僕は君のお兄ちゃん。第三皇子って言ったほうが分かる?
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
だ…
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
だ?
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
第三皇子殿下!?
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
あぁこら、大声は出さないでってば。
なんとまぁびっくり。窓から来た白髪の王子様は、この国の第三皇子でした。

って信じられるかいな!

えっ第三皇子って確かあの『第一、第二皇子と比べれば大人しい(姉談)』と定評のある第三皇子だろ!?

そんな方が妹…第三皇女の寝室へダイナミック入室…

信じがたいにもほどがあるわ。
ていうかそれより…
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
ど、どうやってここに…?ここ三階…
そう、僕の部屋は皇女宮の三階にある。勿論高さも半端じゃない。そんなところの、しかも窓から侵入してくるなんて、只者じゃない。いやここに来てる時点で只者じゃないけど。
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
え?そんなの飛行魔法使ったら簡単じゃん。
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
あ〜…
そうだ、思い出したわ。第三皇子はかの毒舌宮廷魔法士さえも舌を巻くほどの魔法の天才だったな。

そうかーこの世界には空を飛ぶ魔法もあるのかーへーすごいなー


いや9歳で空飛ぶなよ!?


いや飛ぶなとは言わないが言ってるけど9歳で空を!?さすが天才。この世界の基準わからんけど流石だ。
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
…と、ちゃんと自己紹介しておかないと、だよね。

改めて、僕はシャンドール帝国第三皇子、セイレン・ティラ・シャンドール。
君の三番目のお兄ちゃんだよ。
気軽に『セイレンお兄ちゃん』って呼んでね。
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
お〜名前は知らなかった…ってそうじゃないんですよ。何故貴方が私の部屋に来てるんですか。
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
アポ取ったよ?
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
一方的すぎるアポはアポとは言わないって私の中の私が言ってます
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
まぁいいじゃん。こっそりじゃないと会えないんだから。
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
あそっか…皇帝陛下が皇子殿下と会う許可を出されているのは第一皇女殿下だけなのでしたっけ。
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
そうそう。父上様は変に頑固だからね。こうでもしないと愛する妹にさえ会えないの。
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
そうですか…それにしても驚きましたよ。
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
何が?
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
いえ、第一皇女殿下より『第三皇子殿下は比較的おとなしい方だ』、と聞いたもので。こんなダイナミックに来るとは思いもしませんでした。
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
あっはは!お姉様ったら僕のことそんなふうに言ってたの?面白い!
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
そんな笑います?
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
うふふっ、ごめんね。なんかツボに入っちゃって抜け出せなくてさぁ。僕そんな大人しいいい子なんかじゃないよ。
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
ていうか、僕からしたら6つの妹が敬語を完璧に扱ってることのほうがビックリなんだよね。
前世で覚えた、とは流石に言えないか。
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
メイドたちに仕込まれました
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
へぇ~。そういうものか。
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
そういうものです。
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
そういえば、君は初めて会うけど、確か同じお母様だよね?
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
はい、そのはずです。
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
やったぁ!僕、下の兄弟は同じお母様だといいなって思ってたんだ。
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
第四皇女殿下と第四皇子殿下は異母兄弟ですが。
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
こら、そういうこと言わない。君が僕と全く同じ血が流れてるからいいの。
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
そうですか。
セスト(セイレン)
セスト(セイレン)
おっと、もう日付が変わりそうな時刻だね。早く寝ないと怒られてしまうな。じゃあ、また来るよ。今度はもっとお話しようね!
オーネ(オルガリネ)
オーネ(オルガリネ)
あ、はい。
…もう十分寝るには遅いんだけどな。

それにしても嵐のように来て嵐のように去っていったな。台風かよ。

これは僕の初見イメージとはかけ離れていそうな兄弟だな。

それにしても白髪碧眼は皇家の血筋の特徴なんだろうか。あとぱっつん頭も。

これまでみんな白髪碧眼じゃん。

あ、無理。眠気が…

流石に夜ふかししすぎた。明日もっと寝よ。