ある街で綺麗な夜空を見上げ、1人寂しそうに呟いている者がいた。
彼は酷く寂しげだった。
ふとそう思った俺は、ここからすぐ近くの丘の上の公園に行った。
〜2年前〜
その日は真夏の猛暑日だった。
友人と出かける約束をしていた俺は、少し寝坊をしてしまって時間に間に合いそうになく、ちょっと遅れるかも、と一言LINEをして、駆け足でアパートを出た。
急いでいた俺は横から来る車に気づかず、そのまま車にひかれた。
幸い一命は取り留めたが、重症をおってしまい、緊急入院する事になった。
そう言って看護師さんは病室を出ていった。
そう独り言を呟き、疲れ果てたように眠った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!