第64話

中間side
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2018/05/18 15:43
「」
はぁ・・・・はぁ・・・・・っ
誰かの苦しそうな呼吸に目が覚めた。

時計を見ると、6時。


寝ぼけながら苦しそうな呼吸の方に目をやると、

一瞬で目が覚めた。


隣ではしげが苦しそうに息をしてて、顔中から汗が流れている。

両手は布団を強く握りしめていて。




中間
しげっ!!
慌てて起き上がって、部屋を一目散に出た。

洗面所の方で水の音がしていて、急いで向かう。
中間
あのっ!しげが・・!
洗面所にいたのは、お父さんだった。

パニックで何を言えばいいか分からなかったけど、お父さんはさとってくれたようで慌てて部屋に駆け込んだ。



部屋に入ったころには、望以外みんな目を覚ましていた。


お父さん
大毅、分かるか、お父さんやぞ
そう声をかけると、しげは少しだけ目を開けてお父さんの手をぎゅっと握った。
重岡
・・おと・・・・くる・・し・・っ・・
お父さん
大丈夫や、すぐ楽になるで
お父さんはそう言って、注射を取り出した。

何度も、教わった、注射。



お父さんの手つきは素早くて、不安なんて感じさせへんくて、お父さんの腕は、何年もしげを支えてきた証。

一瞬で注射は終わって、思わず安堵のため息が漏れた。


お父さん
ゆっくり息するんやで?もう大丈夫やからな。
そう何度も声をかけるお父さんの声に、しげは苦しそうにしながらも眠りについていった。


しげが眠った後も、しばらくお父さんはしげの胸をさすり続けていた。


強い、大きなしげのお父さんの手を見てたら、

自分の手が情けなくなった。



僕は、他のみんなよりも注射の練習では褒められたし、しげのことはよく知ってるし、俺は支えられるって、どこかで自信を持ってて。



でも、いざという時、僕は結局何もできなかった。


しげの背中をさすることさえ。

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