第54話

神山side
990
2018/05/15 13:18
ユニット曲のメドレーも全部終わって、7WESTの出番になった。



4人が並んで曲が始まる。




でもおかしい。


足が震えてる。


マイクを握る手が、とんでもないほど汗をかいてる。





俺って、こんなに緊張したっけ・・・?




理由は分かってた。

さっきのメドレーの時に浮かんだ自分自身の考えのせい。



歌が始まって声を出すと、耳に帰ってきた自分の声が震えてた。





ーもしかしたら、7WESTじゃなくなるかもしれへん



隣で歌う3人を見た瞬間に、よぎる思い。





この4人でも盛り上がれるんやってところを見せないと。

足手まといにならないようにしないと。


さっきのユニットよりももっと、いいものにしないと。



そんな思いが僕を空回りさせる。





そんな時、ふいに背中を誰かに優しく叩かれた。



振り返ると、しげが笑ってた。


いつもと同じように。



しげは同じように流星と望の肩を叩いて、僕らを集めて肩を抱き合った。




隣のしげや、流星、望の伸ばしてくれた手は、強くて、



気付けば手の震えも止まって、ちゃんと笑えてた。




ー神ちゃん、大丈夫


そう、言われた気がした。









この先、どうなるか分からない。


でも、隣にいる仲間を信じよう。



いつまでも、ちゃんと手を繋いでよう。




離れないように、




強く。


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