撮影が終わったから、みんなで打ち上げやろうや!ってことになって、僕の家に招待した。
きょろきょろしながら家に入ってしげが言う。
僕からしたらそない都会には思えへんけど・・
冷蔵庫からありったけのジュースを引っ張り出して聞く。
二人が指差して、「しげは?」って聞いたら、しげは少し困ったように笑った。
・・・あ、
そうやった、この中にしげの飲めるものは何もない。
困りながらお茶を探してたら
って神ちゃんが笑った。
お茶っぱ見つけて明るく言うと、「ありがと、小瀧」って、しげが笑ってくれた。
3人にお菓子を渡して先に座ってもらいながら、しげのお茶を入れる。
あー、あかんなぁ、俺、ほんまなんも考えてなくて。
そんな声がして、へっと顔を上げると、しげが笑ってた。
俺、顔に出てたんか・・、
しげに肩を叩かれて苦笑してたら、そんな声がしてしげと振り向くと、
流星がとんでもないお菓子の開け方して周りに飛び散ってて、神ちゃん怒ってた。
怒ってる神ちゃんと、「ごめんごめん」と平謝りな流星に、しげと顔見合わせて笑った。
ー「じゃあお疲れ様ー!!」
流星がこぼしたお菓子も片づけて、4人で違う飲み物を飲む。
家に友達来てこんなんするん初めてやなぁ、
というか、3人が家におること自体、不思議な感じや。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!