第39話

濱田side
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2018/05/06 13:25
検査が終わったのが10時で、しげは3時過ぎに目を覚ました。

しげは僕らを見ると慌てて起き上がろうとしたから、背中を支えてあげた。


重岡
・・・ごめん・・・


起き上がって、俯いてそう謝るしげ。
中間
しげ、大丈夫や。なんで謝るん、しげはよお頑張ったで。
濱田
ほんま、えらかったで、しげ
そう言って二人でしげの頭を撫でる。


濱田
それより・・俺ら力になれたか?
そう尋ねると、しげは微笑んで、頷いてくれた。
重岡
痛かったし、しんどかったけど・・・

あんまり怖くなかった。
そう言ってしげは
重岡
ほんまにありがとう・・
とぺこっと頭を下げた。
重岡
・・でも・・あんなところ見せてごめんね・・?
申し訳なさそうなしげに、首を横に振る。

中間
大丈夫やで。
これからもさ、検査の時そばにおってほしかったら行くから。
手、握ってあげるしかできひんかもしれへんけど、それでしげが少しでも落ち着くんなら俺ら行くから。
淳太君の言葉に、しげがこくっと頷いた。
重岡
お願い・・してもええんかな・・
遠慮がちに言うしげに、
濱田
当たり前や!いつでも行ったる!
って言うと、しげは嬉しそうに笑ってくれた。





僕なんかに、力になれない。


検査を目の前で見てそう思った。



でも違った。



手を握るだけでも、力になれる。


小さいことでも、

僕にでもできることがある。



それがたとえ、そばにいてあげるだけだとしても、



それでもちゃんと、



力になれている。


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