第15話

重岡side
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2018/04/28 14:40
4人で肩身の狭い思いをしながら昼ご飯食べてたら、


濱田
7WESTのみなさーん!


なんて聞きなれた声がして振り向くと、そこにいた人に全員が驚きを隠せなかった。

重岡
濱ちゃん・・照史君・・なんで・・・
僕が言ってる間に、望は「濱ちゃんや~」って濱ちゃんに抱き着いた。

桐山
朝仕事で近くまで来たから、差し入れ持ってきてん。しげの食べれるお菓子、持ってきてるで
そう言って僕の所に来て笑う照史君。

その笑顔と、後ろにいる濱ちゃんの優しい姿に、緊張して張りつめていた何かが切れて、心の底から安心した。


しばらく照史君は何も言わずに僕を見た後、少しだけ笑った。
桐山
・・大丈夫か?
そう言われた。



大変だよ。

周りは僕らの病気をよく知らない人ばかり。

僕と望はまだ病名があって理解してくれる人もいるけど、神ちゃんはそうじゃない。

大変だけど迷惑かけたくなくて、しんどいことを言い出せなくて。



周りの人は怠けてるなんて思ってるし、雰囲気は悪くなるばっかりで。


分かってる。

この仕事をしてれば当たり前なこと。

でも、それが分かってるから余計に複雑になる。



でも、こんな気持ち、話せるわけなかった。

こんな弱音、応援してくれている照史君や濱ちゃんに、言えるはずがない。



何も言わない僕を見て、


照史君はぎゅっと僕の両手を握った。



あたたかくて大きくて、

胸の奥がぎゅっと締め付けられた。
桐山
ほんまはさ、俺も一緒にやりたかってん。心配やし、一緒におったら何かとスタッフさんにも頼んであげられるし、
でもそれ以上にな?一緒に4人と仕事したかってん。
映画で共演とか、めっちゃ憧れるやん?
分からへん、


ただただ、胸の奥が熱くて、涙がこぼれた。

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