第45話

重岡side
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2018/05/13 10:02
小瀧がお弁当のごみを捨てに行くと体育館から出たとき、僕も一緒について行った。


重岡
小瀧、どうしたん?
ゴミを捨てて中へ戻ろうとする小瀧に聞いたら、小瀧は「え?」と僕を見た。
重岡
んー・・なんかご飯の時様子おかしかったなぁって。
そう言うと小瀧は「あぁ・・」と困ったように頭を掻いた。



しばらく迷ってたけど、小瀧は顔を上げて悲しげに笑った。


小瀧
・・・しげが・・羨ましいなぁって。



突然言われた言葉に、「は?」と頭に?が飛ぶ。


重岡
なにが?
今まで羨ましいとか言われたことないし、不思議に思って聞く。


小瀧
僕の親な、優しいし、めっちゃ大好きやけど・・
共働きで昼間はずっとおらんし、夜も遅くまで帰って来おへん日もあるし、お弁当とか・・作ってもらったことないかも。
あんまり一緒におる時間今までもずっとなかったし・・仕事もして疲れてるし・・・あんまり甘えるってできひんねん
小瀧は少し顔を赤くしてそう言った。
小瀧
しげはさ・・家族仲ええし、一緒に笑ったり、しげがめっちゃ素直に甘えてるんとか見たらな・・・

ごめん・・羨ましかった。

やからつい・・しげの方見てもうて・・
重岡
なんで謝るん?俺、羨ましいとか言われたん初めてやし、嬉しいわ
僕が言うと、小瀧は顔を上げた。

重岡
小瀧のおとんとおかん、小瀧のこと大好きやと思う。見てたらわかるもん。何回かしか会ったことないけど
そう言うと小瀧はちょっと笑った。

重岡
多分、仕事忙しんやと思うけど、小瀧のことめっちゃ大事にしてはると思うよ。

甘えたらええねん。
望、甘えるん上手やんか。
そう言うと、小瀧は「そうかな」と首を傾げながらも笑ってた。
重岡
望が甘えたら、喜んでくれはるよ
笑って言ったら、小瀧も笑って、「ありがとう」と頷いた。


重岡
さ、昼からも頑張ろうぜ!
小瀧の肩をバンッと叩くと、「頑張ろうぜってなんなん?ぜって。似合わへん」なんて言いながら声出して笑ってた。




いつも通りの小瀧に戻ってくれて安心した。


さぁ、午後からも楽しむぞ!

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