僕がお弁当を開けると、照史君が覗き込んでそう言った。
そんな照史君に、おかん大喜び。
みんながお弁当を開けて、おいしいお昼の匂いがいっぱいに広がる。
レッスンの時と同じ光景だけど、今日はみんな、お弁当が手作り。
あれ・・?
ちゃう。
小瀧だけ、買ったお弁当や。
小瀧見てたら照史君に腕つつかれてお願い!と僕を見てきた。
苦笑いの濱ちゃんが、照史君の腕を止めてる。
露骨に悲しそうな顔の照史君に笑いながらお弁当を差し出す。
そう言って、おとんもおかんもうれしそうだった。
濱ちゃんは今実家に帰ってるらしく、お母さんが作ってくれた煮物いっぱいのお弁当。
流星のはデザートが別容器のなんか豪華な弁当。
神ちゃんのはおとんの手作りやって!どうりで切り方が雑やと思った(笑)
照史君と淳太君は、二人とも自分で作ったらしい。
望は、市販のハンバーグ弁当。
みんなのお弁当見ながらいつもみたいにワイワイ話してた。
でも、ふとした時に視線感じて顔を上げると、小瀧と目が合う。
目が合うと望はハッとして視線を逸らすけど、
そんなことが何度もあって。
・・・?
どうしたんやろう?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!