帰宅 。
明らか目が泳いでいる 。
何か隠し事でもあるかのように 。
多分半年ぶりの会話だから 、続かないし
歯切れの悪い会話 。
私自身コミュ障かもだけど 、お兄ちゃんは長年家族以外の、
と言うか家族とも対して話さず過ごしてきた人だから 。
部屋に戻り 、机の横にある砂時計を眺める 。
~ ¿¿ side ~
夜 、盛大に鼾をかいていた幼年期とは打って変わって 、
す ~ 、す ~ 、と規則正しい寝息が聞こえる 。
たとえ妹の部屋とは言えど 、やっている事は変態そのもの
だが 、____
知ってたんだな 。それとも意図せずか?
俺は砂時計を落として壊そうとした 。
思いっきりタックルしてくる妹 。
引きこもりがそれに耐えられる訳も無く 、
倒れたと同時に落ちた砂時計は割れた 。
そして俺は 、意図せず妹を連れて落ちた 。
~ 佐伯 side ~
突然 、体の内側が引っ張られるような感覚がした 。
実はこの感覚を体験するのは2回目だ 。
前は目眩が酷く暫く立てなかったが 、
今度は何かが違った 。
手が無意識に枕横の漫画に伸びる 。
寝る前に読んだ 、14巻だ 。
そして俺の手は何をしただろうか 。
漫画をぶん投げ砂時計に命中させた 。
意図せず砂時計を割って 、眠りに落ちるような感覚がした。
~ ¿¿ side ~
着いてきてしまった妹は 、俺の足に抱きつき寝ている 。
¿¿は音1つ立てずに消えた 。
それと入れ違いで上からゆっくり男の子が落ちてくる 。
ソフトな着地をした男の子を起こす 。
こっちのセリフなんだがなあ …
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!