第223話

なかよしこよし
6,373
2022/02/25 12:07






『うわぁ!?またジョーカー!?』

国見「それ口に出しちゃダメなやつ」

赤葦「残り2枚」

『京治くん早いっ!!』

赤葦「国見とあなたの一騎打ちかな」

『勝負だ国見!!アイスを賭けて!!』

国見「望むところだ!!」







『お泊まり会の醍醐味と言えば…これでしょ!!』

国見「それ結果的に自分が怖くなって
寝れなくなるやつじゃん」

『そんなに怖がりじゃないですー』

赤葦「怖かったら手握ってても良いよ」

『京治くんは優しいっ!』





結局、国見の言う通り。

『っ……ひっ!?』

左手は国見、右手は京治くん。
怖いと評判の映画のDVDをお母さんが
興味本位で借りてきていたのを知っていたから、
どうせならみんなで…と思って見始めたものの、
有り得ないくらいの恐怖。

背筋は凍るし、主人公が恐る恐る
ドアを開けた瞬間にぶわっ!!と出てきた幽霊の
所為でこちらまで驚かされる。

後半なんて怖くなりすぎて目瞑ってたし…

2人は…と思って右側を恐る恐る見上げてみれば、
京治くんとばっちり合う視線。

『ぇ…』

もしかして、ずっと見られてた…?
恐る恐る左側も見上げてみれば、
こちらも合う視線。

『ぇっと…?』

赤葦「ごめん、あなたの反応が面白くて」

『な"っ!こっちは本当に怖がってるのに…!』

私と繋いでいない方の手を口元に当てながら
くすくすと笑っている京治くん。
笑い方も綺麗だな…とか思っちゃうけど
今はそれどころじゃない。

怖いものを見た所為か、
異常なくらい後ろが怖い。
振り向けない。

誰もいないって分かってるし、
後ろは壁だから心配ないはず…なんだけど。

…やばい、寝れない気がする…。

『あの…みんなでリビングで
寝るってことにしちゃダメ…?』

赤葦「布団どうするの?」

『ソファ2つあるから、2人使ってくれればいいし…』

国見「あなたは?」

『え、私は床で…』

「「ダメ」」

『ぇ』











『…ねぇ、狭くない…?』

赤葦「んー…ならもうちょい詰めていい?」

『あ、うん』

国見「俺落ちるんだけど」

『わ、ごめん…』


2階にある私のベッドで3人並んで寝ることになった。
確かに、ソファで寝るより寝心地は良いだろうし、
身体も痛めなくて済むと思う。

ソファベッドなこともあって、
シングルよりは広めのベッド。
でも、3人で寝るにしては狭いと思う。
ましてや、男子高校生2人。

そのおかげで私は真ん中で埋もれている。

温かいし、2人がいれば怖くないから
私的には全然良いのだけれど…

どちらを向いていいか分からないのが現状。
2人からの視線が痛いのも現状。

今?今は大人しく(?)天井見上げてます←

流石に…今更って感じはあるけれど。
これでも男女だし、こんなに密着した状態になったら
顔も合わせずらいし、気不味くなるじゃん!

なにより…恥ずかしいし…。





『ね、2人ともこっち見るの辞めない…?』

「「無理」」

『う"』

国見「怖いんだったら俺の方寄れば?」

赤葦「俺の方に来たら抱きしめてあげるよ」

『だっ…それは…遠慮しておきます…』

国見「顔真っ赤」

『当たり前だと思うけど??』


でも、こういうのって少し楽しい。
2人も仲良くなったのかな…?
トランプの時もワイワイ楽しめたし、
意外と仲良くなれるのかも…?

「「なに?」」

『なんでもないっ』

両手に花だ!
ぎゅっと2人の手を握って、

『おやすみ!』

そのまま目を閉じた。




















翌朝起きて手が固まっていたのはまた別の話。
手を繋いだまま寝ると固まっちゃうんだね。

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