「マネージャーも大変ね」
『?』
「あんまり無理しないのよ?
疲れたら、またここに来なさい!
合宿終わっても、また会いに…ね?」
『ありがとうございます、廣瀨さん。』
「良いのよ〜全然!でも、"廣瀨さん"じゃなくて
"紗和さん"って呼んで欲しいわね!」
『ありがとうございます!紗和さん!』
「ええ!」
『…そろそろ動いても平気ですかね?』
「まぁ、そろそろ大丈夫だと思うわよ。
念の為、熱計って、汗かいたでしょうから、
タオルで拭きなさい…風邪ひいちゃうわよ?」
『はい!』
『36.1℃です。』
「あら、平気そうね。はい、タオルこれね。」
『何から何まですみません。』
「もう、気使いすぎよ?」
『そうですかね…?』
「ほら、カーテン閉めて?
急がないと国見くんが来ちゃうわよ?」
あ、そうだった…
シャッとカーテンを閉めて、服を脱ぐ。
結構汗かいたな……まぁ、熱中症だからねー…
「あ、私ちょっと着替え持ってくるわね!
丁度梟谷のジャージがあったから!
今日はそれ着てマネ業しなさい!!」
え、梟谷のジャージですか……
うわー…及川先輩とかに色々言われそう…←
ガラガラッと、戸の閉まる音。
途端、シーン…として、若干の寂しさを感じた。
今頃、みんな練習か……
檸檬ちゃんと夏樹くん、2人いて良かったな…
お礼ちゃんと言わないと…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。