「あなたちゃ〜ん!!!」
一瞬、檸檬ちゃんが飛びついて来たのかと思った←
実際、飛びついて来たのは…
『及川先輩、セクハラです』←
及川「えぇ〜…!そんなー!」
『クソ変態及川先輩って呼びますよ??』
及川「長いしdisられてるし!!!」
『それがキャラですもん。』←
及川「メタいよ!!!!」
『では、私も夕食作りに行くので…』
及川「え??」
『?』
及川「今日はコーチたちが作ってくれるらしいけど」
『そうなんですか…!?』
及川「そうそう!」
『あ!なら…お風呂入って来ます!
まだ夕食まで時間ありますよね!!』
及川「え、あぁ…うん…」
『?』
及川「(…まだ話してたかったな…)」
「お、なんか久々だな。」
『岩泉先輩!!』
自販機の前で突っ立っていたら、
肩を叩かれたので振り向くと、岩泉先輩がいた。
『岩泉先輩に会えたことで、
また頑張れる気がします…』
なんだそれ、と笑いながら言う岩泉先輩。
岩泉先輩って、男らしいけど、
そういうところはものすごく可愛い気がする。
しばらく岩泉先輩と、会話していると、
「こっいずっみちゃ〜ん」
と飛びついて来る人が。
なんなの、ほんと。
『皆して、どんだけ飛びつくの好きなんですか。』
呆れた顔で言うと、岩泉先輩と黒尾先輩が驚いた。
あ、因みに飛びついて来たのは黒尾先輩。
『なんで驚いてるんですか…』
黒尾「いや、"皆して"って…」
『あぁ、さっきも及川先輩に抱きつかれたので。』
岩泉「クソ川…」
あ、及川先輩、ご愁傷さまです←
黒尾「でもあれだっけ?
檸檬ちゃん?とかなら喜ぶんだろ?」
『抱きつかれた私がですか?』
黒尾「おぉ。だって、可愛いの好きらしいじゃん。」
どこ情報ですか、という言葉は辛うじて飲み込んだ。
何故だかまた、及川先輩が危ない気がしたので←
『まぁ、そうですね………
岩泉先輩でも嬉しいですよ?』
だって、憧れの先輩ですもん。
口には出さないけど、伝わってるだろう。
黒尾「え、Loveの方??」
『尊敬です。そして言い方ウザイです←』
黒尾「尊敬ね〜……」
『?』
黒尾「じゃあ、俺は??」
黒尾先輩のこと……うーん…………
『ウザイ人だと思ってます。』
ヒデェ!と叫ぶ黒尾先輩。
『でも、割と好きですよ。』
そう言って、私は岩泉先輩に一言告げて、
部屋へと足を運んだ。
黒尾「……お宅のあなたちゃんって、
ツンデレか何か?」
岩泉「素直だと思うが…」
黒尾「ヤバい…なんかキュンときた…」
岩泉「………」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。