及川「仕事は、あなたちゃんから聞いてね」
え、また私ですか←
「あの、そのあなたさんって…?」
及川「ん?この子」
そう言って私を指差す及川先輩は置いておき、
その瞬間に私を睨む力を強めたその子。
いや、私、何かしましたかね?
と思ったのもつかの間。
「……名前呼びなんですね……」
ボソッと声に出したその子の睨む力は強さを更に増し
私にまで怖い、と思わせた。
及川「あなたちゃんは
中学の時から名前呼びだからね〜」
なんて呑気に言う及川先輩。
いや、空気の重さに気付いてください!←
それに、ずっと無言の国見は何なんだよ!!←
『…あ、えと…仕事教えるね…?』
納得いかなそうに、「……はい」と答えたその子に、
『あの、名前…聞いていいかな?』
と聞くと、
「なんで小泉さんに教えなきゃいけないの?」
と答える。
あれ、私……いつ苗字教えたっけ……
というか、流石に生意気じゃない?
『……名前、教えてくれないと、呼ぶ時困るでしょ?』
と黒さを含んだ笑顔で返答した私の圧力に
怖気てか、1歩下がった女の子。
あぁ、こんな口を聞いてきたのも、
及川先輩と国見が先に体育館に入って行ったからか。
なんて思った。
檸檬ちゃんは、先にタオルの用意してくれてるけど。
すると、ボソッと
「一之瀬 萌美…」
『一之瀬さん、スポドリの作り方教えるね』
一之瀬「いや、必要ない。」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。