「…?」
"君は優しいね"
少女はそう言ったきり黙ってしまった。
そんな間を、俺の質問が破る。
「……どこが?」
「ん〜……私と"普通にしてくれる"とこ」
「……そ、分かんないや」
「wwだろうねぇ!分かってたら逆にすごい!」
「そうなの?」
「うんw」
「そっか。」
・
・
・
「よいしょと!ん"ん"〜!っフゥ…」
弁当を食べ終わった少女は立ち上がってググッと背伸びをする。
少女の前、既に食べ終わっていた俺は、何もすること無く少女を見ていた。
「そういえばさ!」
と、少女は此方へ振り返る。
「君はわたs_________
______
少女が言いかけた途端、鐘が鳴った。
昼休みの終わりを知らせる鐘である。
「あ、ごめん!なんでもないや!じゃあね!!」
少女は慌てながらそう言い去ってしまった。
ふと思い出す。
"分かってたら逆にすごい!"
……俺は、相当凄い人なのかなぁ。
ね。
"___"。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。