第65話

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2022/10/17 09:00
ロンジュン



宿舎に懐かしい景色が戻ってきた



JM「うわ〜、久しぶりだ…」



JN「荷物それだけ?」



JM「うん、取り敢えずは」



やっとジェミンも戻って来れて、これでDREAMも本調子だな。



今から本調子って凄いことだと思う。

既に沢山のファンの人に応援してもらってるのに、これからが本調子とも言えるのは他のグループにはなかなかないことかもしれない







俺の日焼けした肌が戻りつつある今日この頃
もう冬が近づいている。

つい最近NCT2018の説明を受けて
そこから本格的にジェミンも参加していく。



その前の撮影等は、デジタルシングルなのもあって
アルバムの方が区切りがいいんだろう

まだファンにジェミンが帰ってくる事は伝わってないけど、きっと喜んでくれるよ。



JM「あなた、一緒に寝よ」



「何故そうなる?」



なんか、どこかで聞いた事あるセリフだったな



JM「え?」



JS「え?じゃないですよ」



意味が分からない
久しぶりに帰ってきたから一緒に寝ていいってなるわけない



JM「なにチソンもヒョンと一緒に寝たいの?」



JS「そうじゃなくて、」



前よりもなんだか、ベタベタしてる気がする

だからと言って、前がしてなかった訳では無いけど…
前からチソンもあなたも好き好き大好きだったと思うんだけども、だな…



JN「チソンはあなたと寝たいんだもんね」



JS「それは、!ジェノヒョンもでしょ!」



そんな言い合いを静かに聞いていたあなたも、それには顔を上げた



JN「僕?」


「私の知らないところで話が進んでる」



「無視して部屋帰ってもいいよ」



JM「あ〜ダメだよあなた待って、ステイ!」



「犬かよ…」



「ステイ…待てって、?

正直、別にジェミニヒョンと寝てもいいんだけど、」



かりんの表情は全く嫌そうでは無い

そんなこと言うと、ジェミンは舞い上がるからさ…



JM「そんなのもう決定じゃん」



JS「あなた…!

これが僕なら絶対寝ないくせに…」



「えぇ?私チソンから誘われたことあったっけ?」



JS「なに、誘ったら僕でも一緒に寝てくれるって事?」



「だから、別にいいってば

誰と寝ても別に」



JS「?!?!」



もう、チソンの空いた口が塞がらない



「あなたと寝るのってそんな簡単だったんだ」



JN「あんま寝るとか言わないで」



「変な風に変換すんなよ」



JN「してないし」



もちろん最初から相部屋ではないし
なんだかこちらから一緒に寝ようと言うのもおかしな話だなと



案外、あなたは俺らの事を信用しているのでは?
思ったよりあなたは俺らが好きなのでは?

そう思うと、ここまで長かったような短かったような…



デビュー当時では想像もできなかった

こんなに上手くいくと思わなかったし、ここまで仲良くなるとも思えなかった。

だけどそういうのってやっぱり、時間の問題で
時間が全て解決してくれるらしい








「なぁ…どうしたの?」



JM「何が?」



この休止期間に何があったのだろうか
前のジェミンなら、一緒に寝ようとか言わなかった

言いそうではあるんだけど、そこら辺の線引きはちゃんとしていたイメージだったけど



「何かあった?」



JM「だから、何が?」



うん…何が

何とは言えないけど、きっとジェミンの中で変化があったことは確かだろう



「なんか変わったね」



JM「俺が?」



「うん

なんか、チソンもあなたも
めちゃくちゃに可愛がるな、と」



JM「今までもめちゃくちゃに可愛がってたと思うんだけど…」



一人っ子同士、兄弟の憧れは少なからず抱いた事がある。

まあ俺は親戚が多かったから兄弟いたみたいなもんだけど



JM「離れてみてさ、気付いたんだよね

俺は、すっごい幸せな生活を送ってたんだって。
当たり前がどれだけ幸せなのか分かったから」



幸せ、か

言葉は簡単に出ても、それ自体は難しく思える



JM「みんなきっと、上見すぎなんだよな

幸せって足元に転がってたりすると思う」



幸せの形は人それぞれだけど
確かに、ジェミンの言ってる事にも一理ある。



でも、当たり前じゃないあなたはどうなんだろう
あなたにとっての当たり前はどこにあるんだろう

あなたは、俺達との、NCTDREAMとしての生活を通して

日本にいた頃の生活を幸せだと気づいた?
それはそれで、なんだか複雑な気持ちなんだけど。



言ってしまえば、俺はもう一般人ではなくて
一般人から見て俺は当たり前では無いのかもしれない。

だけど今の俺には、この生活が当たり前で
だとしたら今のあなたも、この生活が当たり前だと思えてるだろうか





ジェミンが言ってるのは、こういう事じゃないのかもしれない

こうやって複雑に積み重ねて考えるんじゃなく
ふと足元を見たら転がってたみたいな



俺達は、頑張りすぎてたのかな


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