入学式も無事終わり、クラス発表が行われた。
リリアンもラルサも、別名、特別徹底教育クラスと呼ばれるAクラスだった。
「同じクラスなんて運命だわ!代表になっても別クラスになるのが今までの記録にあったから…ラルサとは別になると思っていたの!」
「…そうなのですか?私も、リリアンさ…リリアンと同じクラスで嬉しいです。」
2人のぎこちない会話に、リリアンと初等部から一緒のマリヤはリリアンを呼び出した。
「リリアン?あの人はやめておくべきよ。きけばリナスなんですって?やめておくべき、いいえ、やめなさい。」
「何よマリヤ。彼は私の友達よ?いくらマリヤでも愚弄することは許さないわ。」
強気なリリアンに何も言えず、マリヤは
「何があっても知らないからね。」
と釘をさした。
HRで、部活決めをしなければならなかったが、リリアンは何部にも入らなかった。王室業務が忙しく、部活には入れないからだ。
ラルサは、持ち前の体力を生かすため、サッカーに似た球技の部活に入った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。